第371話 真実 32
◆
そこからもコンテニューの戦いは続いた。
出撃。
戦闘。
出世。
対処。
処置。
判断。
指令。
様々な行動に対して、適切なものを選択した。
――選択するまで繰り返させられた。
何度も繰り返し、時には正解と思えないことで時が進められた。
精神は当然の如くに摩耗した。
辛かった。
痛かった。
逃げたかった。
だけど彼の中には一つの決心があった。
母親は死を望んだ。
一緒に暮らすことが幸せではなかった。
しかし、それ以外の人物は違う。
理不尽に命を落とした。
落とされた。
未来を断ち切られた。
勿論、この世の全ての人を救うことなど出来ないし、そんな大層なことは望んではいない。
コンテニューは聖人ではない。
彼が望んだのはたった一つ。
自分の知っている人間が、幸せになればいい。
――ただ一人を除いて。
それだけを心に強く置き、彼は突き進んできた。
そして月日は流れ。
革命歴180年。
金髪碧眼をトレードマークに甘いマスクで笑顔を振りまく美少年。
数々の武功を上げ、年齢にそぐわない中将という地位を与えられていた、異様な少年。
それが、コンテニューという存在であった。
しかし、外見とルード国での立場は変化しても、中身は変わっていない。
彼の中には未だに燻らない強い意思が存在している。
故に忘れていなかった。
待ち望んでいた。
全てはこの年――この時の為に生きてきた。
戦ってきた。
だから彼は動き出した。
本格的に自身の望みの為に行動を開始した。
そう。
自身にとってハッピーエンドとなる、都合のいい物語を紡ぐ為に――
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