第161話 エピローグ 06

 その言葉と共に、ライトウとジャスティスとの間に、悠々とした様子でスッと入り込んできたのは、男性だった。


 麦わら帽子を被り、薄汚れた白いTシャツにジャージという姿の糸目の青年。

 彼について、アレインは知っていた。


 昨日、ジャスティスの情報を提供した青年であった。


(何でこの青年がここに……?)


 思わず言葉を止め、思い切り咳き込んでしまうアレイン。

 痛みが全身を再び回る。

 だが思考は止まらない。

 疑問が止まらない。


 この青年はただの村の青年ではないのか?

 何故、このタイミングで入ってきたのか?


『誰ダオマエハ?』


 緑色のジャスティスが銃を向ける。

 しかし。


「誰に向かって銃を向けているのですか?」


 そう問いを返しながら、唐突に彼は麦わら帽子を取った。

 露わになる金色の髪。

 同時に糸目だった彼が開眼をした時――


 ――それだけで雰囲気がガラリと変わった。


『大変失礼イタシマシタ』


 緑色のジャスティスが銃を降ろして非礼を詫びる。

 つまりそれだけの相手だということだ。


 それだけで分かった。


 画像では見たことがあった。

 今の状態ならば理解出来る。


 でも分からない。

 全く理解出来ない。


 どうして?

 どうして彼がここにいるのだ――



『――

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