番外編 聖夜 04
◆ライトウ
「むぅ……」
帽子を目深に被った人物――ライトウは不安そうに唸る。
昨晩、ずっと考えていた。
自分が誰かのために何かを贈るなんて一度も無かった。
故に、彼女が何を欲しがっているのかなんて考えたこともなかったので思いつきもしなかった。
そういう経験が無かったこともある。
この年まで恋だと愛だの考える間もなく、剣術の修練に取り組んできていた。
しかし、命の危機と向き合っていくうちに、自分の中の恋心に気が付いた。
身近にいた彼女の魅力に気が付いたのだ。
いつから惹かれていたのかは分からない。
ただ、最近は気が付くと彼女を視線で追っている時があった。
「完全に恋だよなあ、これって……」
そう呟いた、その時。
彼は何者かに肩を叩かれた。
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