行間6-5
「~~♪」
今現在、シンジや神座凌駕たちによる激しい戦闘の真っ最中のはずだが、上の喧騒が嘘のように静まり返ったここエクスピア本社資材運搬用通路。そこにコツコツ、と軽快な足音と鼻歌が鳴り響く。
「因果だねぇ。まさか俺様がこの体を自由にできる日が来るとは」
その声はかつての三十越の野太い男の声から、十六歳くらいの若い青年の声に様変わりしていた。
男がこの世界に干渉するために新たに調達した
大昔に存在した人類最初の
宗像冬馬の父、最牙一心により発見されたその細胞は培養・量産され、そこから神凪夜白やイスカなど、無数の命が生まれた。
これはそのうちの一つ。名前も与えられなかった不良品。本来、廃棄予定だったものを、『
「まぁ、とはいえ薄まるところまで薄まった
白い髪の青年は愉快そうにそう言った。
ある時はカグラという名の傍観者として。
またある時はウィリアム・タガートという名の人間として。
そして今度は名も無きクローンの体を手に入れた彼は、歩き出す。
好き勝手に使われている自分の所有物を取り返しに行くために。
「さて……そろそろ返してもらおうかね。俺の伊弉冉ちゃんをよぉ」
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