第?話 //DESIRE//

 きっとそれは本当に些細なことだった。

 それは砂漠の中から一粒の砂金を見つけ出すような。

 それは煌く夜空を眺め、流れ星を見るような。

 そんなレベルの偶然。

 両者がぶつかり合う中で、偶然にも何かの拍子で奪われた魔法がほんの少し持ち主に戻ったのか。あるいは新たに内から湧き出たものか。理由は定かではない。

 ただ一つ確実に言えることは、少年は黄金の腕輪の発動条件を満たしていたということだ。


 だからこそ、またあの問いが聞こえた。



 ――ルーンの腕輪は問う。


「ルーンの腕輪」は主に問う。


 お前自身を動かす欲望はなんだ?


 どんな存在になりたい?


 どんな力が欲しい?


 どんな夢――
















――うるさい。


 御託はいい。


 いいから、よこせ。全部だ。俺が理想を遂げるための力を……

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