行間2-2
Wiseman's Report 05 -Returner-
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「……覚醒から一週間。以前身体に異常は……ありすぎるわね。でも別段異常は無し」
「あら、あなたおかしなことを言うのね。眠っている私にいろんな薬を投与したのはそっちでしょう?」
「……No。おかしいのはあなた。その体でどうやって生命維持をしているの?」
「さぁ……私にもわからないわ。神様がまだ私に死ぬなと言っているのかしら?」
「……非論理的ね」
ズズズ
「……」
「……飲む?」
「いいの?」
「……別に拒否する理由はないわ」
チョロチョロ……
「ありがとう」
「……」
「熱いわ」
「……No。それは嘘。あなた感覚なんてないでしょ?」
「ばれちゃった?」
「……あなたの体を解剖すれば、人類は不老不死に一歩近づけるかしら?」
「ごめんなさい~。解剖だけは許してぇ!」
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「ねぇ、あなた気になる人はいないの?」
「……話の意図が理解できない」
「言葉の通りよ? 好きな人よぉ? 誰かいないの?」
「……No。そんなもの、興味ないわ。そもそも恋愛という現象は――」
「ストップ。それ以上言わないで。あなたの話は難しいもの。頭が痛くなるわ」
「……No。嘘ね。筋肉や血管が動いていないのに頭痛なんてありえにゃいっ!?」
ワサワサ
「ふふ。確かにそうかもしれないけど、私だって心は痛い時だってあるわよ?」
「そ……そん、な、非、科学的、な……」
「ねぇ……」
「……」
「私をここから逃がしてくれないかしら?」
「……私がそれを許すとでも? そもそも私にそんな権限はない」
「あなたは知りたくないの? 私を突き動かすものの正体」
「……何だと言いたいの」
「愛よ」
「……なぜ愛? 理解できないわ」
「それはあなたの能力不足なだけではないかしら? 人は機械じゃないの。理屈だけでは動かないものよ」
「……」
「ふふ。あなた……やっぱり気になる人がいるんでしょう?」
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