アンリクワイテッド・ラブ
@azumane
1日目 勇気
僕には好きな人がいる。
彼女のことを思うと夜での安眠も思
ように出来ない。
彼女の名前は、「信楽佳薫」(しがらきかおり)。成績最優秀、スポーツ万能、友達との信頼度が高く、先生との信頼も高い。何より……。
「はぁ、可愛いし綺麗だよなぁ。」
溜息をつきながら僕は語る。彼女は僕達の通っている「県立楯山高等学校」の学校行事である、「タテヤマ☆JKコンテスト」にて、去年の3年、2年の可憐な女子達をあっさり超えた栄えある1年生の優勝者である。
そんな彼女に、僕は絶賛片思い中。
僕なんかが、彼女と釣り合う訳無いのに僕は想像してしまう。
彼女と仲良く話す僕の姿を……。
そんな僕に話しかける男子が1人。
「また彼女をオカズにした嫌らしい妄想かい?檜山君。そろそろいい加減にしないと、俺は君をポリスメンに通報しちゃうかも知れないよ?」
不気味な笑みを浮かべながら僕、「檜山優太」(ひやまゆうた)に罵倒を浴びせる男、「藤田由希」(ふじたゆき)。小学生からの腐れ縁。
「僕の想像を勝手にいかがわしい妄想にするな。てか妄想は人の自由だろ。」
「確かにそれは正論だ。でも俺は君の将来のことを心配しつつ、警告したつもりなんだけどね。」
不気味な笑みだ。
「……どういう意味だよ?」
「君が将来、妄想もとい2次元じゃ満足出来ず、リアルもとい3次元である彼女に手を出してしまうんじゃないかと思ってね。」
「お前の頭ん中では僕は一体どんな存在なんだ?」
「もちろん、手の打ちようもない最悪最低の変態様だよ。」
「何故、様を付け足すんだ!そこは変態だけでいいだろ!てかそれもう変態通り越して犯罪者だよ!!」
「残念ながら少し違うな檜山君。君は死刑囚だ。」
「さらに酷くなってんぞ!?」
俺はこいつと話しては毎日のように闘論を交わしている。……正直疲れるわ。
「まぁ、このような前置きはここまでとするか。」
「僕の将来の話を前置きだとぉ!?」
今まで一緒にいるがこのように、たまにこいつが何を考えているのか分からない時がある。その時のこいつはとにかく恐ろしい。……二つの意味で。
「君は彼女に告白する気は無いのか?」
「!?」
認めたくないが奴に図星を突かれた。
「……したいけど、僕がしたところであの子に伝わる分けないよ。彼女と僕じゃ次元が違いすぎる。」
「それはどうかな?もしかしたら君みたいな凡人かつNPCのような男が好みかもしれないよ?」
「それはないだろ〜笑」
「何故そう決め付ける。」
「え?」
藤田は強めに声を上げた。多分だが、怒っている。何故だ?
「君はどうしてそうも諦める。君自身彼女と仲良くなりたいのだろ?そうなりたいなら君自身が諦めなければいいことだろ?そうやってマイナス思考に考えるから駄目になるんだ!自信を持て!君はそんな事で恋を投げ捨てるような男なのか?少なくとも俺は違うと思うよ。」
……何か知らんが、こいつに言われると、なんかこう、イラッと来るというか、自分自身が……情けなく思えてくる。
「……ありがとな、藤田。お前の言う通りだ。僕はこんなところで諦めるような男になった覚えはないよ!という訳で、告白してくるわ。」
「それでこそ俺が認めた変態だ。」
「変態は余計だ。」
笑いながら言葉を交わした。
そして僕は、「勇気」を振り絞って、走った。
今は14時丁度。彼女が教室を出る時間だ。たがら僕は、彼女のいる教室に走った。
そして辿り着いた。
そこには1人の女子が帰りの用意をしていた。
彼女だと僕は確信し、ありったけの想いを込めるかのように、大声で、ハッキリと、伝えた。
あなたの事が、ずっと前から好きでした!!
この想いは……伝わったかな?
To Be continued......
アンリクワイテッド・ラブ @azumane
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。アンリクワイテッド・ラブの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます