廃れつつある神秘の一つ、魔法使いの老人と、その弟子の幼子(自称)とが織り成すふわりとした印象の作品です。弟子にじじいと蔑まれる師匠に内心同情していると、いやいや物事には理由があるもので。しっかりと作り込まれたキャラクター造形が素敵です。
見習い魔法使いと、その師である老人。私には、2人の関係性がとても魅力的に思えました。まだまだ駆け出しの小さな魔法使いが、不満を持ちながらも師事を受けて。そして師たる老人は、そんな弟子を微笑ましく見守りながら知恵を授ける。2人のやりとりには、思わず笑みがこぼれてしまいます。 事件を解決していくなかで一歩ずつ、けれどしっかりと知識を深めていく年若い魔法使いの未来が楽しみでなりません。主人公の成長を見守りたくなるような、そんな作品です。