第4話 就活

さて、無職のまま遊んでばかりもいられないのでバイトを探すことにした。12月9日に再び彼女に会いに街に出たついでに、アニメショップとカラオケ屋に行き、バイトをさせてくれるよう頼んだ。アニメショップの方はすぐに決まった。年末年始にエロ同人誌の袋詰めをする仕事だった。カラオケ屋の方は、連絡が来なかったため自然消滅した。

12月10日、職安にも行ってみた。やる気はないが資格はたくさん取っていたので、それらが使えて家から近い会社を探した。見つかった。海産物の廃棄物を船で回収する仕事だ。会社は家から原付で10分の所だった。職安で面接の日を翌日に決め、紹介状を出してもらった。

面接は順調だった。工場長はうちの母親と同じくらいの歳で、明るく元気な人だった。離婚していて息子は一緒に、娘は離れて暮らしていること、前職は期間限定のアルバイトだったので辞めたこと(*期間限定、非正規というのは本当)、幼い頃この辺に住んでいたことなどを話した。仕事は決して難しくないと言われた。毎朝5時50分に来れますか?と聞かれたので「来れます」と即答した。そうしたら、では本社には言っておきますから、26日に来て下さいと言われ、お礼を言ってその場を後にした。

その翌日、職安に行って採用された旨を告げ、失業状態が短くて良かったと安堵しつつ、繁華街に向かった。アニメショップの店長さんには事情を話して、バイトを辞退させてもらった。店長さん、どうもありがとうございました。

その後は再び遊び歩いた。他の浴衣のお姉さんとも懇意になったり、デリヘルのお姉さんに着衣のまま添寝してもらったり、まあ最後の春を

惜しみながら12月20日の夕方を迎えた。

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