無意識に

@kasupikai

第1話マリチャ、オコテル。

「ねえねえ、なんでまりちゃんはお家にはいれなかったの?」

「まりちゃんっで何?」

「あのね!まりちゃん、すっごくキレイなんだよ!夢の中で助けてーっていうの。そしたらね」

「・・・」

「ヒヒヒ・・・・」

「・・・なんで笑ってるの?」

「ヒヒ・・・ごめ」

「なだか」

「・・・・おがじくなでるヒヒヒ」


「なに!?どうしたの?」


「にげ・・・にげ・・にげぇぇえぇ・・・」


「・・・!くるじい・・首はなして・・・」


「はなぜなひぃぃいぃ・・・はなじたぐだいぃぃい・・・」


「・・・っ!」

「ぐ・・・助けてぇ・・だれかぁ・・・ま・・り・・・ちゃん・・」


「マリチャ、オコテル。」

「・・・?」


気がつくと目の前には女の人が立っていた。


髪は絹でできているかのようで胸まで伸ばしたロングヘアー。美しい顔のラインにつつまれた唇はふっくらしていて紅色で、鼻はキレイに整っていて、沖縄の海をうつしたようなその瞳はずっとみていたいくらいで、おしとやかなその微笑みは裏も表もない素直な心をあらわしていて。


そして女の人は形のいいその手をわたしにさしのばした。そして恐怖でふるえていたわたしの手を・・・


次の瞬間後ろから声が聞こえてきた


「かぇぜぇ・・・」

わたしの手を・・・


「かぁえぜぇえ・・・・」

わたしの・・・


「ぢがうのぉ」

「わだじはあなだのぉ・・・」


女の人はなにか言っている


「ヒ・・・」


「・・ヒヒ・・」


「・・ヒヒヒ・・・・」


ちがう!この女の人はまりちゃんじゃない!


わたしは女の人からはなれた。

「近づくな!今すぐはなれろ!!!」

「お前はまりちゃんじゃない!!」

「今すぐ消え失せろ!」


わたしは強い口調で言った。

指先のふるえがとまらない・・・


女の人は先ほどとはちがってニタァと笑うと

「マリチャ、オコテル。」

といった。


ヒヒヒ・・・

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

無意識に @kasupikai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ