~2016年 イグノーベル賞 工学賞受賞!!~
イグノーベル賞とは「人を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられる賞で、授賞式は毎年10月にハーバード大学で催されている。世界に完たるノーベル賞とは全く反対の姿勢で、パロディやユーモアや時には痛烈な皮肉を込めて、栄えあるというか哀れな受賞者にこの賞が授けられるのである。
そして2016年10月、なんと「雑貨Explorer」というブログの記事が、ブログとして初めて受賞の栄誉にあずかる事となった。このブログの管理者MasterPこと通称マスPさんのコメント。
「いやー、別に私は発明したわけでも、実用化したわけでもなく、単に面白おかしくショートショートを載せていただけなんですけどね。こんなものにも賞をと考える暇な人がこの世の中にいるなんて、むしろその人にこそ、この賞をあげるべきじゃないんですか?」
こう言ってマスPさんは苦笑いをしていた。
さて、その受賞したショートショートに出てくる発明とは?
「オナラをするロボット」
あらすじはこうだ。
2087年、ある町の風変わりな発明家が風変わりな事を思いつく。
「人間臭いロボットを作りたい」
そこで彼はなんとオナラをするロボットの開発を始めるのである。ロボットがオナラをして何の得があるというのか?そもそも内部に消化器官をもたないロボットにはオナラ自体出しようもないのに。
しかし、三年の時をかけて彼はついにオナラをするロボットの開発に成功する。
だが、こんな発明を好き好んで買ってくれるロボット会社があろうはずもなく、ロボットは粗大ごみとして大量廃棄の運命に終わろうかという時に、ひとりの老紳士が現れ一体を買って行った。発明家は売れる事もあるのだと彼自身半信半疑ながら廃棄だけは思いとどまっていると、それからどこをどう話が広まったのか、突然オナラをするロボットは一躍話題にのぼり、後から後から購入者がその発明家の家に押しかけ、彼は大成功をおさめたのだった。
いや何とも下らない、まさに胡散臭いストーリーなのだが、この「オナラをするロボット」という発想がイグノーベル賞の選考者たちにはひどく受けた様だ。
ロボットがオナラをしても、迷惑なだけで何のメリットもなく、ご丁寧に僅かながら匂いまでするというこの発明、2090年代の人にはなぜ受けたか?
おそらく私はこう考える。
その頃の人は完璧に何でもこなすロボットに便利さは感じるが、なんとも無機質で親しみは感じられなかった。
人間でさえ人前でオナラをするのは憚れるものだが、そこをあえて一発かます事で心底分かり合える間柄になれる。
何でも効率、能率、性能の中で生きていると、時にまったく意味のない無駄な事がとても大事に思える。
さて皆さんはどう思われるだろうか?
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