▼ 終章 『遠い宇宙《そら》の向こうに』 ♯2
土星圏本拠地のグォイド総合意識は突然の【ザ・ウォール】の崩壊に、一時的パニックに陥っていたが、事の真の重大性にはまだ気づいてはいなかった。
【ザ・ウォール】を生み出した最大の目的である、同胞の増援接近の人類からの隠蔽は、完全に崩れ去ってしまった。
同胞の発する減速噴射炎の光は、太陽の次に眩い輝きとなって、内太陽系の人類からは無視などできようはずがないレベルで見えるはずだからだ。
それだけでなく【ダークタワー】より発射中の減速用レーザーの光刃が、無数の【ザ・ウォール】の破片に接触したことで、漆黒の宇宙に盛大に光の柱を浮かび上がらせている。
それらは内太陽系各地の人類拠点に、気づくなと望む方が非論理的であった。
だが同時に、今更人類に気づかれたところで、対策などできようはずもないほどに、すでに同胞は太陽系までの接近を果たしていた。
仮に【ザ・ウォール】無しで増援を呼んだ場合、早期に増援接近を察知され、人類には増援を減速させている【ダーク・タワー】を攻撃する、あるいは増援の進路上に障害物を置くなどの対策をとるなどの選択肢があった。
が、【ザ・ウォール】によって増援の接近は隠蔽され、今頃その事態に気づいたとしても、今からではどの対策手段も時間的に実行不可能だ。
だからグォイドは時間稼ぎに成功したことを信じて疑わなかった。
人類が増援接近の対策を行う前までに同胞の接近と減速は終了し、人類には太刀打ちできないほどの圧倒的な数の同胞が合流、戦列に加わり、この太陽系はグォイドのものとなるはずだ。
……とはいえ、突然起きた不可解極まる【ザ・ウォール】崩壊の原因についても、もちろん留意するつもりだった。
実際【ザ・ウォール】の破片に混じり、哨戒中の小艦隊が交戦し、撃破されたことから、【ザ・ウォール】の崩壊は、その手段は不明ながらも潜入した人類の艦の仕業であったことは間違いないとみている。
だとしても、その数は土星圏への接近が事前察知できなかったことから、極めて少数に違いなく、その少数の敵を殲滅するなど、本拠に控えている艦隊と防衛設備の数をもってすれば脅威足り得るはずが無かった。
土星へと降り注ぐ【ザ・ウォール】の破片が邪魔して、潜入した人類艦の捕捉は困難を極めていたが、哨戒艦隊との戦闘光から、おおよその位置とベクトルは掴んでいた。
だからその位置と予想進路に向け、撃てるだけの実体弾、UVミサイルを放ち、さらに予測進路上に迎撃艦隊を向かわせていた。
その判断に過ちなどなかった。
極めて論理的かつ慎重に、とれうる選択肢の中で最良の判断をしていた。
しかし、事態は予測を超えていたのであった。
グォイドが事態の深刻さに気付いたのは、無数の【ザ・ウォール】の破片群が土星の低軌道まで接近してからであった。
「【ウォール・メイカー】のオリジナルUVDィ!?」
「そうとしか考えられないのです」
ユリノが驚いて訊き返すと、シズが冷静に答えた。
「〈じんりゅう〉出現と同時に【ウォール・メイカー】が消滅したことから考えて、そう考えるのが最も辻褄が合うのです」
乗艦した新たな〈じんりゅう〉の主機関室には、最後に見た時と変わらぬオリジナルUVDの姿があった……そのことをバトル・ブリッジの機関コントロール席から確認したケイジ三曹の疑問に対し、シズはそう結論づけてて答えたのであった。
「主機関室内のカメラやセンサーで見た限り、主機関室にあるのは間違いなくオリジナルUVDなのです。
が、表面にあった螺旋紋様が元々あったオリジナルUVDのものと異なっています」
シズがビュワーに元あったオリジナルUVDの画像を呼び出し、それに今この〈じんりゅう〉に搭載されているオリジナルUVDの画像を重ねて投影させた。
確かに、オリジナルUVDの一柱一柱に特有な、表面にらせん状に掘られた謎の紋様の形状が一致していなかった。
「つまり今ある主機関室のオリジナルUVDは、オリジナルUVDには違いありませんが、元々あったオリジナルUVDとは別の個体と考えるしかありません。
状況から考えて【ウォール・メイカー】を動かしていたオリジナルUVDと考えるのが、最も妥当なのです」
シズは当然の帰結とばかりに答えた。
確かに【ウォール・メイカー】は、【ザ・ウォール】などという天体クラスの物体を生み出し維持することを可能としていることから、その動力にはオリジナルUVDが使われてるのではないか? と推測されていた。
だからシズの推測は極めて妥当なのだが、ユリノが驚いたのはその事実についてでは無かった。
ユリノが驚いていたのは、己の主動力源を提供してくれた【ウォール・メイカー】の異星AIの判断に対してであった。
――気前が良いっ! ――
ユリノはそこまで異星AIにしてもらって本当に良いのか若干不安になったが、今はその疑問は脇に置くことにした。
〈じんりゅう〉は〈アクシヲン三世〉に譲ったはずのオリジナルUVDさえも含めて再生復活した。
つまり墜落以前の〈じんりゅう〉と同じレベルでUV出力を使えるのだ。
本来であれば、手放しで喜ぶ前に、この艦が本当に〈じんりゅう〉であると信じていいのかを考えるべきであった。
だが、目の前の人類存亡の危機を考えれば、余計なことに悩んではいられない。
奇跡ともいえる〈じんりゅう〉と、その他のSSDF航宙艦の復活の事実をもってしても、グォイド本拠地に殴り込みをかけるのは無茶で無謀には違いないのだ。
「艦長! 間もなく実体弾集団第一波が艦首前方30キロを通過しますデス! 予想通り分裂して【ザ・ウォール】残骸の排除を試みる模様」
[アマリ効果ハ無サソウダケドナ、破片が細カクナルダケデ]
ルジーナの報告に、エクスプリカが私見を述べた。
その直後に、メインビュワーの彼方で、前方を漂う【ザ・ウォール】の膜の破片が、突如生き物のようにうねうねと動き出し、そして分裂した。
実体弾の【ザ・ウォール】破片への命中がそう見えさせたのだ。
実体弾は散弾のように分裂することで、【ザ・ウォール】破片の排除を試みたようだが、結果はエクスプリカの予見通りだったらしい。
破片は細かく刻まれたが、消えてなくなったわけではなかった。
「実体弾による本艦への被害、影響は無し」
「ですが今の実体弾砲撃で、だいぶ【ザ・ウォール】破片による索敵妨害が緩和されましたデス。
おおよそではありますが、敵が我々の位置や陣容を把握しやすくなったと思われるのデス」
副長およびルジーナからの報告に、ユリノは実体弾の被害が無かったことへの束の間の安堵を覚えると同時に、間もなく到来するであろう危機に、猛烈なプレッシャーを感じた。
今、人類の命運は自分たちに握られているのだ。
同時に自分たちは多くの無垢なる命を満載した〈アクシヲン三世〉も守らねばならない。
望外の奇跡によって、生まれ変わった〈じんりゅう〉と沈んだはずのSSDF航宙艦艦隊という仲間を得たが、その使い方を間違えれば、全ては無駄になる。
「フィニィ、艦を敵に察知されないようゆっくり加速させて、〈アクシヲン三世〉の前方10キロの位置につけて〈アクシヲン三世〉の盾にして!」
「了解、遷移開始します!」
「他のSSDF航宙艦は、〈じんりゅう〉を先頭に円錐陣形を形成!
〈アクシヲン三世〉を守る位置について!」
ユリノはとりあえず今できることを指示すると、
再生〈じんりゅう〉を戦闘としたSSDF航宙艦艦隊は、間もなく土星の環の端の下に達しようとしている。
悩む時間はあまり残されていない。
否応も無く秒速約1000キロで慣性航行している結果、どうあがこうと土星の向かって右側、【ダークタワー】の東側の赤道南を掠めることは避けられないのが、悩ましさをプラスさせていた。
残念ながら【ANESYS】の再使用までにはまだ40分以上ある。
【ANESYS】が使えたならば、論理的に算出可能に最良な手段を見出せたかもしれなかったが、再使用可能になる頃には、【ダークタワー】を巡る戦いはこの艦隊の慣性速度的に考えて、微妙な時間差でもう終わっていることだろう。
今は【ANESYS】に頼ることは無理だ。
どっちみち、【ANESYS】の力は可能な限り温存したいとユリノは思っていた。
だから今からどう行動するかは、自分達で考えねばならない。
実をいえば、戦術的な意味での作戦草案ならば、すでに頭の中では出来上がっていた。
しかし、それには相応のリスクもあった。
はたしてそのリスクを背負ってまで行うべき作戦かを、ユリノは悩んでいたのだ。
が、悩む必要は間もなく無くなった。
「ユリノ艦長、〈アクシヲン三世〉より圧縮データを受信、今エクスプリカが解凍中です!
スキッパーによれば、周囲の元・グォイド土星本拠地殴りこみ艦隊航宙艦の戦術AIからの作戦提案データだそうです」
「なんですって!」
直後、ユリノはエクスプリカによってビュワーに投影された、土星近傍を映した
土星圏グォイド本拠地のグォイド総合意思は、崩壊し土星に向かって落下する【ザ・ウォール】破片群の中に、ようやく潜入した人類の艦艇と思しきUV噴射炎を多数観測した。
いったいどうやって土星圏まで自分らに気づかれずにたどり着き、【ザ・ウォール】を崩壊させたのかは皆目わからなかったが、発見した以上は殲滅するだけであった。
観測した敵光点群は土星の環の下部を通過しつつ、盛大に噴射炎を煌めかせながら【ダークタワー】方向へと変針を試みていた。
もともと土星の【ダークタワー】の東側の大気表層を掠めて通過する進路であったのを、進路右前方へと盛大に推力噴射をすることによって、無理やり【ダークタワー】に向かおうとしているのだ。
その噴射炎の輝きはあまりにも目立ち、土星本拠地のグォイドに対して隠れようという意思があまりにも欠如しているようにも見えた。
が、その慣性とベクトルからの変針には、どうしても必要な輝きらしい。
グォイドはそう結論を下し、土星本拠地の全迎撃設備を起動させた。
目標と進路が分かっているのであれば、土星本拠地の設備をもってすれば迎撃は容易なはずであった。
「土星
「フォムフォム……
【ダークタワー】およびその周囲より実体弾の発射とUVミサイルの発射を確認した! 陽動部隊到達まで最短でヨンマル秒!」
ルジーナに続きフォムフォムが叫んだ。
同時に
「やはりあったな……」
「ええ……」
「まだまだあると考えるべきです、きっと……」
同じく
「ですがお陰で【ダーク・タワー】の防衛機構の詳細が分かったのです」
シズが
「陽動第一波のシグナル消失! 対宙実体弾により撃墜された模様!」
ルジーナの報告と同時に、
……必要な犠牲であった。
これで土星
ユリノはせっかく復活したSSDF航宙艦を、陽動として撃破されること前提で使うことに胸が痛んだ。
が、これは復活したSSDF航宙艦艦内のメインコンピュータAI達が、僚艦とネットワーク化して話し合った結果、自ら導き出し具申した作戦行動であった。
【ダーク・タワー】破壊作戦を成功させるには、陽動および【ダーク・タワー】防衛設備の把握が必須であり、その為に復活した我々を使えと言ってきたのだ。
陽動は、まず復活したSSDF航宙艦の中でも、驚くべきことに搭載艦載機ごと復活した〈ペガサス級空母〉三隻によって行われた。
秒速1000キロで慣性航行している現状から、艦隊の進行方向左舷前方に見える土星赤道上の【ダーク・タワー】に向かって、航宙艦の針路を急激に変更することは極めて困難だ。
だが空母のカタパルトを用いた無人飛宙艦載機であれば、それは不可能ではなかった。
復活した三隻のSSDF航宙空母は、直ちに【ダーク・タワー】方向へカタパルトを向け、仮に有人であった場合はパイロットが圧死するレベルで、艦載機を猛加速し射出したのであった。
空母からのカタパルト加速によって、秒速1000キロの速度をいくらかキャンセルに成功した飛宙艦載機60機からなる編隊は、さらに猛烈な推進噴射を行い【ザ・ウォール】の破片を回避しつつ、通信ネットワークを形成し、〈じんりゅう〉へのデータ通信ラインを形成しつつ【ダーク・タワー】へと向かい続けた。
結果、猛烈な推進噴射光を察知したグォイドの実体弾砲撃を受けてしまったのだ。
だがお陰で多くの得るものがった。
少なくとも、普通に【ダーク・タワー】に向かっても、防衛設備である実体弾投射砲やUVミサイルに撃ち落とされるだけだと分かった。
そして〈じんりゅう〉と〈アクシヲン三世〉を始めとした再生SSDF航宙艦艦隊の存在はまだ知られていない。
ならば自分たちは次にどうするべきか?
ユリノの答えはすでに出ていた。
そして実行する以上はもう躊躇わない、決して。
「【ダーク・タワー】破壊作戦、フェイズ2に移行!」
ユリノの指示と共に、再生SSDF航宙艦艦隊は二手に分かれていった。
防衛設備から放った実体弾とUV弾頭ミサイルにより、【ダーク・タワー】接近中の人類の噴射光源は、容易く撃破することができた。
しかし、グォイド総合意思は、その撃破に伴う爆発光に、即座に違和感を覚えた。
爆発光は数はそこそこにあるが、光自体が小規模過ぎる。
その爆発は、明らかにUVD非搭載機……すなわちUVキャパシタ搭載機の爆発であった。
つまり、撃破したのは
そして当然のことながら、UVD無しで内太陽系人類圏から土星圏まで来ることなど、限りなく不可能だ。
故に、今破壊した機あるいは艇の母艦が土星圏には存在し、【ダーク・タワー】を狙っている可能性が高い。
グォイド総合意識は論理的思考からその結論に達し、引き続き【ダーク・タワー】の防衛設備で周囲を警戒し続けた。
何に警戒すれば良いかはすでに分かっていた。
土星
敵はまだその中に紛れてる可能性が高い。
そしてグォイド総合意識は己の判断が間違っていなかったことを、すぐに確信した。
土星
今回観測された光は、前回観測した光と比べてあきらかに明るさが増しており、機や艇ではなく、UVD搭載の艦と考えられた。
これこそが敵の主力たる攻撃艦隊に違いなかった。
ただ前回と違い、観測した光のベクトルはすでに【ダーク・タワー】方向を向いてはいなかった。
すでに通りすぎてしまった為に、向かいたくても不可能だったといった方が良いのかもしれない。
そのUV噴射光群には、UVD由来の光だけでなく、土星大気圏への接触に伴う断熱圧縮によるプラズマ光も混じって観測されていた。
元からそのような光が観測されることは予測はされていた。
土星に向け【ザ・ウォール】破片群は落下しており、それに混じって観測された哨戒艦隊の破壊時の光から敵艦隊位置とベクトルを計算すれば、敵は土星の大気圏を掠めることになっていたからだ。
そこへさらに盛大なUV噴射光が観測されたということは、敵艦隊は噴射と大気との接触により、減速と同時にベクトル変更を行い、土星をスイングバイするつもりなのだ。
敵は通過してしまった【ダーク・タワー】を再び攻撃圏に納めるべく、土星を一周することで、再び【ダーク・タワー】に向かうつもりに違いない。
グォイド総合意識はそう判断した。
そしてすでに対策はうってあった。
迎撃艦隊が土星を西方向から周り込んで迎撃に向かわせているし、
土星
敵艦隊は、土星大気に接触することでブレーキをかけつつ、土星の丸みに沿ってカーブしようとしている。
そうせねば目標に接近できないからだが、それは狙う側のグォイドにとっては減速しコースも分かっている分、攻撃が容易となっていた。
しかもそれまで紛れていた【ザ・ウォール】の破片群は、【ザ・ウォール】があったのとは反対の、土星の昼の面にはもう降り注がない。
【ザ・ウォール】の破片に紛れることなく、盛大な大気との断熱圧縮のプラズマ光だけが、グォイド総合意識の観測器官を激しく染める。
それだけ【ザ・ウォール】崩壊時に飛び出した慣性速度が速かったからだ。
だが、正確に狙う必要などグォイドにはなかった。
正確に狙わずとも敵艦隊の撃破に十分な数の、実体弾とUVミサイルによる攻撃が可能だったからだ。
しかもここではグォイドは敵艦隊の正面から攻撃が可能だ。
敵にとって前方から飛来する実体弾とUV弾頭ミサイルは、その相対速度差により威力が倍増する。
グォイド総合意識はその最適タイミングが到来し次第、直ちに攻撃を開始した。
土星
その直後から、敵艦隊から放たれる対宙レーザーの光刃が閃き、次々とUV弾頭ミサイルが引き裂かれ、爆発の輝きが【ダーク・タワー】の反対側、土星の真昼の面の赤道上に、無数の火球を生み出しては消えていく。
しかし、いくらかのUV弾頭ミサイルが撃ち落とされはしても、撃ち落とされた数の倍のUV弾頭ミサイルがはなたれていた。
そして正面から放たれた実体弾は、対宙レーザーで気化蒸発する前に敵艦に到達する。
敵艦隊は迎撃行動も空しく、UV弾頭ミサイルと実体弾の餌食となっていった。
UV弾頭ミサイルの爆発をはるかに上回る大爆発が、一瞬の閃光のあとに土星のガス雲表面を照らしたかと思うと、それでも消え去るわけでは無い慣性により、赤道に西から東へと続く爆炎を長く引いていった。
あるいはダメージを受け、土星の雲海へと降下していった敵艦が、思い出したように爆発しては、赤道上のガス雲を下から長く東へ伸びる壁のように持ち上げる。
土星の赤道上、【ダーク・タワー】の反対側の真昼の面から、東へ東へ、少しでも再び【ダーク・タワー】に近づかんとするように、敵艦の爆発が爆炎が、赤道上に長い長い傷跡と残していく。
グォイド総合意識はほんの一瞬だけ、人間の言葉でいうところの“焦り”のような感覚を覚えた。
もしかしたら敵艦は【ダーク・タワー】に届くのではないか、と。
そしてその感覚を打ち払うかのように、過剰に攻撃をし続け、それが【ダーク・タワー】に続くガス雲赤道上の爆炎のバルジをさらに増やしていった。
それほどまでに敵艦隊は粘り、しつこく、執念深かった、理屈ではありえないほどに。
グォイド総合意識は恐怖したのだ。
だが、多少際どかったが、グォイド総合意識は土星圏に潜入した敵艦隊の殲滅を確信した。
これほどの攻撃を潜り抜けることなど不可能だからだ。
あとは時間の経過と共に、カオスとなった土星赤道上ガス雲は静けさを取り戻すに違いない。
その後は、今覚えた感覚など忘れて、ただグォイドの増援の到着を待てば良かった。
焦りも恐怖も、もう味わう必要はない。
そう判断していた。
………………が、しかし、
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