第2話 金の鳥

始まりの国から凍える国の王シンと王妃リン、勇者リューンが帰ってきてからだった。


シン

「リューン、遺跡に行くぞ。」


リューン

「ハッ!!」


まだ意識の戻らないリンを連れシンはリューンと遺跡に向かう。


シン

「リューン、祭壇にこれを履いてくれ。」


綺麗な布地を出しその上にリンを寝かせるのだった。


リューン

「シン様何を?」


シン

「祈るんだよ、お前も一緒にお願いしたい。」


リューン

「はい!!」


シン

「我この地を治めるシン、この地を護りし金の鳥よ!!王妃リンを助けたまえ!!」


シンとリューンは長らく祈りを捧げると遺跡の石が光り出し一つに集まり空へと飛んで消えるのだった。


金の鳥


しかと願いを聞き入れた王シンよ・・・


シュン!!!!


シン

「!?」


リューン

「シン様!?」


シン

「なんだったのだ今の光は?

祈りがとどいたというのか?」


リューン

「そうだと良いのですが・・・・・・・・・」


リューン達には金の鳥の声が聞こえてなかったのである。


翌日には翡翠からの手紙が来ていた。


使者

「翡翠王からの手紙です。」


シン

「有難う。」


心の友シンへ。

シン、体の異変はないか?

灰は事を調べたところドール博士が作った細菌兵器だっだ。

お前にもしもの事があれば私はなんと謝罪して良いものかと・・・・・・・・。

此方の研究室でワクチンの開発を進めているのででき次第其方にも送る。

当分はお互い会わないほうが良いと思う。

それとリンも感染している恐れがある。

出来れば今回の求婚なかった事にしてリンを帰してくれ。

お前の国に病気でも流行ったら大変だからな。

ではまた手紙を書く。


翡翠より。


シン

「何てことだ・・・・・・・・・

細菌兵器だと・・・・・・・・・」


少しシンは考えたすえ手紙を書き出した。


シン

「誰か居るか?」


執事

「はい此処に。」


シン

「これを始まりの国へお願いしたい。」


執事

「分かりました。」


シンは翡翠に手紙の返事を返した後にリンが目覚めた。


リン

「シン様・・・・・・・・。」


シン

「リンよ、お前は私の妻なのだから。

様付けはしなくていいんだ。」


リン

「ですが・・・」


涙を流すリン


シン

「翡翠から聞いているドールの事は辛い思いをさせたな。

お前も好きであったのであろ・・・?」


リン

「はい、好きでした。

ですが私も一国の姫です。

こういう事がある事は覚悟していましたので」


シン

「お前は美しく優しいのだな。

では求婚を断る事も出来たであろう?」


リン

「凍える国は軍事国家で、あの勇者リューンも居ます。

求婚を断れば何かあった時助けて貰えないと兄は判断したのでしょう。」


シン

「そうであったか・・・友というのにそんな見捨てる事はしないぞ私は。

だが暫く穏やかに過ごし此処でも結婚式をする。

いいか?」


リン

「でも、私はドールに祭り開催前日に何か飲ませれています。

もしそれが生物兵器なら私はこの国を去るべきです。」


シン

「お前はもう私の妻だ、お前が生物兵器であろうと私は見捨てぬ。

最後まで看取ってやる。」


リン

「シン・・・

貴方は私を好きでいたのですか?」


シン

「ああ、小さい時から共に翡翠と付いて歩くお前が可愛いく愛らしかった。

私はお前が好きだ、だから求婚もした。

少しずつでいいから私の事も好きになってくれ。」


シンはリンの頬にキスをして部屋から出て行くのだった。


リン

「シン・・・・・・・・・・。」


シンの早い返事に驚く翡翠。


執事

「翡翠様、シン様からの手紙です。」


翡翠

「分かった。」


翡翠も手紙を読みだす。


心の友翡翠へ

細菌兵器の事は承知した。

だがリンはもう私の妻だ、帰す事は出来ない。

どうあれ感染していても私が最後まで看取る。

これは了承してくれ。

この凍える国で感染が流行ろうとお前を責めたりはしない。

ではな、ワクチンができ次第頼む。

それとこの手紙の返事はいらないから国の再建を頑張ってくれ。

シンより。


翡翠

「シン・・・有難う。」


翡翠は街の視察やあれこれで大変だったがそれから2年がたった今まだワクチンが出来ず

龍達が研究に息詰まる一方である噂でもちきりだった


拓也

「龍聞いたか」


「何をだ?」


拓也

「北の凍える国の遺跡辺りに金の鳥が出没しているそうだぜ!!」


「それが?」


拓也

「はぁ・・・お前な~少しは迷信とか伝説とか関心を持てよな」


「拓也・・・今の俺には伝説や迷信に興味を持つ余裕なんてない、研究の邪魔をしないでくれ!!」


拓也

「だからだよ、少しは息抜きも大切だぞ、明日にでも凍える国に行ってみないか?」


「俺はいいよ・・・研究が大切だ」


拓也

「そうもいかないんだよな~」


「なんだ?その意味深な言い草は?」


拓也

「休暇届けを出してきた、俺とお前のな!!」


「!!拓哉・・・分かったよ、行けばいいんだろ」


拓也

「そうそう息抜きもいいもんだぜ~」


親友の拓哉は龍の肩を叩きながらデスクについた


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


シン

「リューン、頑張っているようだな」


リューン

「はい、シン様」


シン

「お前が居てくれるだけでこの凍える国も安泰だ」


リューン

「身に余るお言葉有難うございます」


シン

「ところで最近噂になっている金の鳥の事だが何か分かったか?」


リューン

「いえ、遺跡に現れるのは確かなのですがすぐに消えてしまうありさまで調査は平行線のままです」


シン

「そうか・・・何かわかり次第報告を頼むぞ」


リューン

「はい、あの・・・リン様の体調はどうでしょうか?」


シン

「気遣い済まないな・・・リンも寝たきりが続いている・・・・・・・」


リューン

「そうですか・・・・・・・・」


シン

「近いうちにリンが顔を見たいと言っていたぞリューン」


リューン

「はい、近いうちに・・・・・・・・・」


シンは去っていくのだったリューンは遺跡を調べるが何も分からなかった。


リューン

「本当に金の鳥は現れるのだろうか・・・」


翌日、龍と拓哉は北の凍える国に向かうが・・・・・・・・・・・・。


「なんだこの人の多さは・・・・・・・・」


龍は沢山の人々に驚くのだった


拓也

「金の鳥のせいだよ」


「こんなに・・・・・・・・・」


拓也

「皆、神にも縋りたい気持ちなんだよ」


「そうか・・・・・・・・・・」

(早くワクチンを完成させなくては・・・)


龍は早くワクチンの完成をと思う


シン

「リューン居るか!!」


リューン

「はい、ここに」


シン

「ここ数日、他所からの者たちが増えてきた感染病が増えると困る、この国に他所者を入れないようにしてくれ」


リューン

「ハッ!!おおせのままに」


シンはリンの事もありこれ以上ドール病患者を増やしてはいけないと思い検問所を作り他所者を入れない事を決断した。


外れに行くリューン


リューン

「此処で良いだろう。」


家臣

「ハッ!!」


リューンは国外れに向かい検問所を作り他所者を追い返すのだった。


金の鳥

勇者リューンよお前に女神を託そう・・・・・・・・・・。


又消えるのだった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る