第十二話・二人の会議~絶望の中の光を求めて~
「
ここで、
「やあ、
「うん。
ここにいない昔馴染みについて聞いてみた。
「
「しょうがないよ。でも、胡桃ねえは?学生じゃないよ」
「ああ、あの子はねえ…その、出撃命令がないと家から出てこないから」
そして、引きこもりである。
「まあ、
ちょっと複雑な事情がある。
「んじゃ、今回出撃出来るの、俺と
「そういう事になるね…」
4人ともかなり強力な戦力である。それが来れないのはかなり痛手だ。
「まあ、来れない戦力を惜しんでも仕方ないか。
「かなり悪いよ。今、
俺の携帯端末は軍からの情報を直接貰える特別製である。許可さえ取れれば、軍上層部でしか知りえない情報も見れる事が出来るようになる。
「うわ、『
「『
「残りは、他二国の牽制かな?それとも温存?どちらにしても、四百の時点で過剰投入だと思うけど」
「
「
ちなみに、今現在一番早いとされている戦繰用の輸送機は十一万二千キロ。科学的にはもっと早く出来るとされているが、コスト費を考えるとこれが一番現実的らしい。これだと直線距離だと一時間もかからない。だが、十機ちょっとしか詰め込めない。『
「まあ、どうせどこかの採掘衛星の裏に中間基地を設置。会議が終わり次第、出撃したんだろう。『
会談終了と同時に叩き潰す気満々である。「
「こちらの戦力は?」
「量産機『
「まあ、そんなもんか」
やはり戦力差は圧倒的である。さらに良くない情報が届く。
「げ、映像に映ってるこの武器、
「それって、先週発表された射程が凄く伸びたやつ?」
「従来の射程、四百七十メートルから千二十メートルまで伸びたその新型」
「倍以上じゃないか!」
「よく昔の映画なんかに出てくる、スナイパーライフルとハンドガンくらい違うのかい?」
「いや、
スナイパーライフルの射程は千~三千メートル、ハンドガンの射程は百メートル。こちらは十倍~三十倍である。しかし、これは極端な例だったが、射程の違いの怖さを想像させやすい。自分の攻撃出来ないところから一方的に狙われる恐怖。しかも、比率的に四対一。単純に考えて四問の砲がこちらを狙ってくる。
「じゃあ、遮蔽物に隠れながら戦わないと勝負にならないか」
「
昔の地球周りは、綺麗だったと記録にある。しかし、今はもの凄く散らかっている。様々な所から持ってきた資源衛星その欠片。戦闘によって放置された艦船や
今、「
「本当に相手は何から何まで計算しているんだね」
どうにか、対策を考える。
「そういえば
「あそこは近距離武器専門で、それ以外は『
「一門じゃ、どうにもならないね。
「あれは、準備、積み込み、散布で案外時間が掛かる。これも時間的に無理だね」
「衛星用ブースターを点火させて逃げる、も無理か」
「移動可能になるまで時間が掛かる。これも時間的問題で駄目」
「
「
考えろ。思考しろ。捻り出せ。全ての脳細胞を活性化させろ。シナプスを繋げ。脳みそを回転させ続けろ。焼き切れたって構わない。
神に願って天啓を得るなのな、俺は神にだって祈る。
悪魔に魂を差し出せば知識を得られるなら、俺は悪魔とだって契約する。
だが、そんな事は起きはしない。自分の力で辿り着かなければならない。全ての資料に目を通せ。全ての知識を導入しろ。答えは必ずあるはずだ。
考えろ。
父の期待に応える為に!
もう動いているであろう妹の努力を無駄にしない為に!
支えてきてくれた使用人達の為に!
友人との日々を守る為に!
国民に涙を流させない為に!
帰って
そして何よりも。母の想いを成す為に!
考えろ!考え続けろ!
…そして俺は、一つの答えを得た。
見つけた。道筋を。これなら。或いは。
「おっと
「なんというか、これは良い作戦と言えないんじゃないか?まあ、僕もこれ以上の作戦は考えつかないけど。
「これじゃあ、駄目だと思う」
そうだ、この作戦では。
「そうだね、余りに成功率が低すぎる」
「いや、そうじゃない。成功率はゼロではないんだ。でも、この作戦じゃ成功したとしても味方の犠牲が多すぎる。それじゃあ、駄目なんだ」
守らないと。出来るだけ、味方全員。
「その様子じゃ何か思いついたようだね」
「うん。遮蔽物がないなら、こっちで用意すればいいんだ」
「ん?そんな遮蔽物になるようなものこの国にあったっけ?」
「あるじゃないか、一つだけ」
「なるほど、確かにそれならいけるかもしれない」
「でも、まだ穴があるかもしれないから、
「分かった。もう少し資料を送ってくれ」
策の骨子は出来た。後はこれを研磨するだけだ。
「それじゃあ、
一息入れる。
「ここからさらに詰めるよ!」
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