第十話・宣戦布告~もう、止まらないというのか…~
確かにまだ案はあった。金銭取引による停戦協定、中立国の「
だが、何故だ。軍備縮小以外に道などありはしない。それ以外の手段として考えられるのは、やはり地球の資源くらいである。
「
思わず叫んだ。しかし聞かねばならない。何故、こんな戦争回避を否定する事を宣言するんだ。
「ふむ、誤解があるようだな。私は別に戦いを避けたいとは思っていない」
おかしい。そんな筈はない。
「それでは、それでは何故?」
「あ、お父さん!それは!」
娘が何かを口に出そうとしている。後にしてくれ。まず、この事を問いたださなければならない。
「何故、お前はこの会談を受けたのだ⁉」
「それを言っては、もう止まらない!」
娘が叫ぶ。何を、何を言っているのだ。
何だ?私は何をしてしまったのだ?これは当然の疑問ではないのか?戦いを避ける以外にこの会談を受ける意味があるのか?本当に、私はいったい何をしてしまったのだ?
「知りたいか?私が会談を受けた意味を!」
どうして?どうして
「教えてやるよ、私がこの会談に来た意味を!」
意図があったのか?娘はそれに気が付いている。いったいそれはなんなのだ。
「貴様の国『
馬鹿な!それこそ有り得ない。それは、自分達の為に回避しようと思った事である。しかし、それこそ「
「お前は正気なのか?今、この場で宣戦布告をするという事は、将来必ず攻め込まれると分かっている『
だからこそ、すぐに宣戦布告をせずに、戦争回避の為この会談に参加した。そう思っていた。だが、
「三国?二国の間違いじゃないか?なあ!『
「今この場で私が『
「いいえ。その程度の事で、『
思わぬ言葉が、
「なんでなん!将来必ず、『
「将来戦争が起こると分かっていながら、何故今しないのですか?私達がやられた後、貴方の国は孤立してしまいます!」
「それがどうしたのですか?」
そんな事、当然だろうと言い放つ。この人は一体、何を考えている?この会談ではそんな感想ばかりである。私がおかしいのだろうか?
「今戦おうが、貴方達が倒れてから戦おうが、結果は同じ。我々の国『
当たり前のように宣言する。『
「だったら、今戦わない方がお得でしょ。貴方達二国で決着がつくかもしれません。そうなれば、私達が戦う事はありません。この会談に参加したのも戦争を避けるため。我々『
狂っている。これではまるで非戦信仰だ。自分達が非戦の道を進む為ならば他はどうでもいいという事だ。
「こいつ!うちらを当て馬にする気なんか!ふざけ…」
「おっと、私の話もまだ終わっていない。もう一度、こっちを注目してもらおうか」
「今度は二国から一国になってもらおうか」
「うちが、こいつみたいに攻め込まないと思っとるんか?そんな事ないやろ!二国で攻めた方が有利に決まっとる!」
そうだ。『
「有利、か。本当にそうなのか?」
「なん、やて?」
「貴様の国『
「…あ」
私と
「例えば、私達が『
「そ、それは…」
「何を
「堪忍な、お二人さん…」
嵌められた!最初からこうする予定だったのだ!すぐに宣戦布告せず会談に参加したのも、そうすれば私達が『
『
『
『
もう既に、みな納得できる結果を得ている。『
「それじゃあ、改めて宣言しようじゃないか!」
「我が国『
やめてくれ!その絶望的な戦場に、私は息子を送り込まなければならないのだぞ!やめろ!やめろ!
「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「
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