蒼緋双刃

おとぎ話: 原初の十種

原初の獣

 ここに十の獣あり。

 人を喰らいて、大地を汚す、我ら人とは相容れられぬ獣なり。

 幾千の地を鮮血で染め、幾万の街を灰燼へと帰す、我らの祖先が築き上げし文明を破壊し尽くす獣なり。

 しかし我ら獣の餌にあらず、抗う力、遂に得たり。

 空を走り、岩を砕き、海を裂く——この力こそ獣の闇を斬り払い、未来に光をもたらす刃なり。

 我ら、ここに誓う。

 昨日倒れし戦友のため、今日朽ちし己のため、そして何より明日を生きし我らの子らが希望の道を歩けるよう。

 友の骸を背負いし我ら、剣となりて、今日をより良き昨日とせんことを。

 我ら、ここに願う。

 我らが屍を越えし者達よ、笑いながら明日へ行け。


 さすれば、明日はきっと————。


(『戦士達の歌』 作者不明)


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