第4話 とびうお進化

 人の背中につばさが生えていないのは、とびうおの責任だ。

 とびうおがもっとがんばって進化していたら、人の背中にはつばさが生えていた。

 人が空を飛べないのは、とびうおの責任だ。


 そもそも、神さまの予定では、すべての陸上生物にはねが生えていることになっていたと思う。

 そのときの進化はだいたい次のようになる。

 単細胞生物 → 魚 → とびうお → 有翼両生類 → 有翼爬虫類 → つばさのある人


 天使は、とびうおの子孫なのであって、ちゃんと進化したとびうおである。

 われわれは進化をさぼったとびうおの子孫なのであって、つまりはとびうおの子孫ではないのである。

 われわれがちゃんととびうおから進化していれば、われわれは天使のように優しいやつらだったにちがいない。


 新しく見つかった水の惑星で、地球の生物を進化させるっていうなら、おれはとびうおを進化させろと主張するね。

 とびうおはそのうち人に進化する。

 みんな空を飛べるね。

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