第16話 神埼という女。参
「部費っているんですか?」
「金貨など要らぬわ。我々の紡いだ物語が評価されているのでな。この一般人が通う学び舎が貢いでくれるのだ」
「部費要らないのか」
さすが中二病と言ったところだろう。彼らは妄想のプロなので小説はそれが思う存分に発揮され素晴らしい作品が作り出せるのだろう。
もしかしたら文芸という活動自体にはお金が要らないのでパソコンのために溜めたりおかしを少量買ったりするぐらししか使い道がないので部費が要らないのかもしれないが。いや、たぶんそうだな。
そんなことを考えていると自慢げに奴が賞状を突きつけてきた。その賞状には全国高等学校文芸コンクール佳作受賞、神埼 理恵と書いてある。
それに公益社団法人全国高等学校文化連盟、読売新聞社と書いてあるので大きく凄い大会であることは間違いない。本当に凄いんだな中二部。
「驚いたでしょー!」
「これは普通に驚いた。全国で佳作っていうのは本当にすごいよ」
「普通に神埼さんの姉って天才なのか?」
「もちろんわたしと姉は天才だよ」
「そ、そうか」
少なくとも姉の方は文系として優秀なんだろうな。その天才が魔方陣を書くというどちらかというと理系っぽいことをやっているのが謎である。でも天才小説家は変人が多いというのでそれだからかも知れない。
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