第14話 幸せなひととき


曹操は琥珀につられ暫く寝ていた。

夕刻に目が覚めると琥珀はまだ曹操に抱き寝たままだった。


曹操

(なんて幸せなんだ・・・このままで居てくれ琥珀よ・・・・・・・・・。)


外から夏侯惇の声がするのだった


夏侯惇

「曹操様よろしいでしょうか?」


曹操

「ああ、かまわぬぞ」


夏侯惇が部屋に入ってくると・・・・・・・・・・。


夏侯惇

「あっ!失礼しました。」


曹操

「よい、我も今起きたばかりだ。

急ぎの話か?」


夏侯惇

「暫し厄介な事がおきまして。」


曹操

「着替えてくる、それまで待て。」


夏侯惇

「はっ!!」


場所を変え話しだす夏侯惇


夏侯惇

「兵士たちが感染病にかかり次々と倒れています。

多分風土病かと・・・・・・・・・?」


曹操

「そうか・・・あまり休んでは居られぬということか・・・・・・。

夏侯惇、3日後に攻め込むとする。」


夏侯惇

「琥珀様の件はどうされますか?」


曹操

「琥珀しだいなのだが・・・我は明日にでも祝言を挙げたい。」


夏侯惇

「ではその方向で進めます。」


曹操

「それと賈挧を呼べ、軍議を開く」


夏侯惇

「ハッ!!」


そのころ琥珀は起き上がり服を来ていた。


琥珀

「こんな綺麗な服?幽州に居た以来だわ・・・・・・・・。」

(!!曹操から貰った笛は・・・・・・・どこ?)


棚や下などを見ながら探すか見あたらずうろちょろとしていると後ろから掛けられた。


???

「なにをお探しですか?」


琥珀

「曹操から貰った大切な笛がないの・・・・・・・・・。

どこかに落としたのかしら。」


???

「先ほど曹操殿が綺麗に手入れされていましたが?」


琥珀

「本当?張遼!?」


張遼

「ええ、本当ですよ。」


琥珀

「張遼有難う、曹操は何処にいますか?」


張遼

「多分、広間だと思いますが?」


琥珀

「有難う。」


琥珀は広間に歩き出すと張遼も後ろから付いて来た。


曹操の姿を見た琥珀は声を掛けるのだが。


琥珀

「曹操・・・!?」


皆が振り向いた。


曹操

「琥珀、まだ起きては・・・・・・・」


琥珀

「あ・・・軍議中でしたのね。

ごめんなさい。」


曹操

「どうした?」


琥珀

「いえ、大した用事ではないので後で。」


張遼

「大切な笛がないと探してらしゃいましたよ。」


琥珀

「張遼、駄目よ、軍議中なのよ。」


張遼

「ですが・・・・・・・・・。」


賈詡

「ほぉ〜噂の琥珀様ですかな?」


琥珀

「お初にお目にします。賈詡殿。」


賈詡

「これはこれは私の名を知ってらっしゃるのですね。

光栄ですよ。」


琥珀

「いえ、では曹操また、後で。」


曹操

「待て。」


曹操は笛を懐から取り出し琥珀に渡すのだった。


琥珀

「ごめんなさ・・・軍議中なのに。」


曹操

「良い。調子が良くなったからとあまりうごくでない。」


琥珀

「うん・・・」


曹操

「後でな。」


琥珀

「はい。待ってます。」


琥珀が歩き出すと張遼が後から付いてくるのだった。


琥珀

「張遼、何故付いてくるの?」


張遼

「曹操殿の言い付けですからそれに由妃からもお願いされています。」


琥珀

「護衛というの?」


張遼

「そうですね。

それとお一人では寂しかろうと曹操殿が言ってましたので。」


琥珀

「そう・・・なの?」


張遼

「お茶でもしましょうか琥珀様?」


琥珀

「ええ、あの花が咲くお茶ある?」


張遼

「はい、ありますよ。

入れてまいりますね。」


琥珀

「有難う張遼」


琥珀は部屋に戻るのだった。


張遼と色々と話していると・・・・・・・


張遼

「琥珀様少し向こうの部屋にいきませんか?」


琥珀

「どうして?」


張遼

「行けば分かります。」


張遼と琥珀は移動した。


琥珀

「綺麗・・・これは婚礼衣装ね。」


張遼

「はい、延期になっていらっしゃるのでこのままですがいくつか曹操殿が選んできた物なのです」


琥珀

「曹操が私の為に?」


張遼

「如何されましたか?」


琥珀

「嬉しくて涙が出ちゃたの。

本当に綺麗ね。」


張遼

「ええ、みな琥珀様にお似合いになると思いますよ。」


琥珀

「でも、私はこれが良いわ。他のは少し派手だもの。」


張遼

「曹操殿も言ってらしゃいました。

これが一番貴女に似合うと」


琥珀

「クスクス、曹操は私の好みも分かるのね、なんだか嬉しいわ。

私がこの衣装なら曹操はこの衣装ね。」


張遼

「そうですね。

琥珀様は曹操殿の何処がお好きなのですか?」


琥珀

「そうね〜落ち着いた面持ちでなんでも受け止めてくれるとろとかな。

たまに見せる驚いたような顔もう好き。

でも一番好きなのは優しく微笑んでくれるあの顔が好き。

それに曹操の香の香りも好きとても幸せを感じるの。」


張遼

「琥珀様も曹操殿を愛してらっしゃるのですね。」


琥珀

「ええ、誰よりも愛しているわ。」


張遼

「少し羽織られてみては?」


琥珀

「本当!?嬉しいわ!!」


羽織っていると曹操の香の香りが漂う。


琥珀

「曹操?」


曹操

「よく似合っているぞ。」


琥珀

「有難う。

嬉しいわ。」


曹操が琥珀を抱き寄せると張遼は部屋から出て行くのだった。


曹操

「お前と夫婦になるのが待ち遠しいぞ」


琥珀

「私もよ」


曹操は口付けをするのだった。


曹操

「あまり無理をすると明日にひびく・・・」


琥珀

「うん、これを片ずけてから部屋に戻るわ。」


曹操

「良い、張遼。

これを片ずけておいてくれ。」


張遼

「畏まりました。」


琥珀

「あっ、でも・・・・・・・」


曹操は既に琥珀を抱き上げていた。


曹操

「我は早くお前と過ごしたい。」


琥珀

「嬉しいわ。

張遼お願いします。」


張遼

「はい。」


曹操に身を委ねる琥珀。


琥珀

「曹操?私の部屋は向こうじゃない?」


曹操

「そうだな。ここは私の部屋だ。」


琥珀

「駄目よ。」


曹操

「お前が悪いのだ。

もう一人では眠れぬ。」


琥珀

「クスクス、子供みたいなこと言うんだから。」


二人抱き締め合い眠るのだった。


由妃

「孫権殿少しお願いがあるのですが?」


孫権

「なんだ、由妃殿」


由妃

「少し服と装飾品をお借りしたいのですが?」


孫権

「遠慮せず色々と使うと良い。」


由妃

「有難う。」


孫権は軍議に忙しく何に使うか聞くなかった。


翌日


張遼

「琥珀様、朝です。」


張遼に起こされる。


琥珀

「!?何故貴方が?」


張遼

「申し訳ありません。もう起きて頂けないと準備がありますので。」


琥珀

「準備?ええ・・・今起きるわ。」


張遼

「では此方へ。」


琥珀

「張遼?これは昨日見た婚礼衣装よね。」


張遼

「はい、今日はその日でございます。」


琥珀

「えっ!」


張遼

「さあ、早くしないといけませんので失礼します。」


順番に着ていくのだった。


琥珀

「結構重いのね・・・うっ・・・」


張遼

「曹操殿はもう準備が出来てらっしゃいましたので。」


琥珀

「曹操たら、起こしてくれたら良いのに。

でも、張遼て、器用なのね。なんでも出来るから感心するわ。」


張遼

「呂布様が生きている時あれこれと扱き使われていましたので。」


琥珀

「そう・・・・・・・張遼は今、幸せ?」


張遼

「はい、曹操殿と貴女様に仕えていますので。

由妃もいずれ此処に来ます。」


すると部屋の外から曹操の声が聞こえた。


曹操

「準備は出来たか?」


琥珀

「あと少し待って。」


琥珀が紅をさしおえた時に曹操が入って来た。


曹操

「おお、なんと美しい。」


琥珀

「クスクス、何言っているの貴方も素敵よ。」


曹操はてを差し伸べ琥珀はその手を取り立ち上がるのだった。


曹操

「行こうか。」


琥珀

「ええ」


曹操

「我は幸せだぞ。」


琥珀

「私もよ。」


式が始まるが・・・・・・・・・・・。


琥珀

「曹操・・・皆んなが居ないわ?」


曹操

「!?・・・それがいきなりであったので来れないらしい・・・・・・・・・。」


琥珀

「そうね、私が悪いものね・・・皆んなにも用事はあるもの。」


すると由妃が姿を現わすのだった、


琥珀

「姉さん!!」


由妃は張遼の横に並び微笑み手を振るのだった。


曹操

「由妃・・・・・・・・・

許都に帰ったら又皆んなのために式は挙げてやる。」

(式を邪魔しに来たのではないのだな・・・・・・・・・・。)


琥珀

「本当!?嬉しいわ曹操有難う。」


微笑む琥珀だった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


劉備

「曹操と琥珀が祝言を挙げた!!」


間者

「はい、今、その最中でございます。」


諸葛亮

「劉備様、琥珀は必ず時間を稼ぐと言ってました。

これも一つの策なのでしょう。

あと2〜3日もすれば勝利が目前です。」


劉備

「無理になのであろう。

可哀想に・・・。」


劉備達は心を痛めるが孫権が由妃の姿が無いのに気付く。


孫権

「由妃殿は何処へ?」


間者

「由妃殿も参列されていました。」


孫権

「なっ!!婚儀をしっていたと?」


諸葛亮

「多分由妃殿の策でもあるのでしょう?」


孫権

「寝返ったわけでは無いのだな?」


劉備

「由妃殿が寝返るはずがない。」


趙雲

「そうだ、妹の婚儀だから参列しないと何やら策もあると俺も思う。」


孫権

「なら良いのだが・・・・・・・・・。」


婚儀後曹操軍に囲まれる由妃だが・・・・・・・・・。


夏侯惇

「何故婚儀を知っている!!」


由妃

「妹の晴れ姿を見に来たら駄目なの?」


夏侯淵

「なっ!!今の状況お前はわかっているのか?」


由妃

「あらっ!曹操様の婚儀台無しにしていいわけ?」


夏侯惇

「それは!!」


夏侯淵

「何を考えている!?」


由妃

「何も考えてないわ、ただ妹の婚儀に参列したまでよ。

もう帰るから通して、それとも暴れて欲しいの?ね張遼。」


張遼

「もう帰られるのですか?」


由妃

「あまり長居出来ないのよ。」


張遼

「ではお気を付けて。」


由妃

「ええ。

琥珀におめでとうだけ言付けお願いしますね、周りが煩いから。

それに今の曹操も私に会うと気まずいでしょう。」


由妃は帰って行くのだった。


夏侯惇

「これでいいのか?」


張遼

「はい、良いのです。」


一波乱ありの曹操軍陣営だった。


由妃

「ただいま〜」


孫権

「てっきり寝返ったのだと思ったぞ。」


由妃

「寝返る?クスクス、寝返るなら貴方の首引っさげて行くわよ。」


孫権

「なっ!!」


由妃

「寝返るはずないわよ。

本当に冗談が通じないんだから孫権様は。

私は妹も大切だけどそれ以上に劉備様や趙雲、関羽の鬼の一族が大切よ。

どんな形であれ無茶な事はするけど信じていて欲しい。」


劉備

「由妃殿・・・・・・・・。」


孫権

「なら良い。」


孫権は部屋から出て行くのだった。


晴れて婚儀も済ませ婚礼衣装を脱ぐ琥珀。


琥珀

「ふぅ〜なかなかしんどいわね。

由妃姉さんは?」


張遼

「今は忙しく参列だけでごめんなさいとそれにおめでとうと言付けを受けています。


琥珀

「そう・・・・・・・・・

忙しいのね、張遼有難う。」


張遼

「この後は湯浴みをして曹操殿のお部屋へ」


琥珀

「ええ」


男性に抱かれるのは初めてでドキドキする琥珀であったが曹操の部屋の前で深呼吸して入る。


曹操

「どうしたのだ?入り口で立ち止まって?」


曹操は直ぐに分かったわ、琥珀が緊張をしているのが曹操は優しく微笑んで手を差し伸べてた。


曹操

「この日がやっと来たのだな。」


琥珀

「曹操・・・・・・・・。」


寝台に倒れ込むように何度も口付けをしお互いを感じる二人。


曹操

「琥珀・・・お前はもう我のものだ、誰にも渡すぬ。」


琥珀

「嬉しいわ。愛してる。」


抱かれる琥珀も又幸せにみたされるのだった。


翌朝早く目覚めた曹操。


曹操

(本当に、本当に、幸せだぞ琥珀。)


琥珀の髪を手で梳きながら幸せを実感する曹操。


諸葛亮の火計まで稼ぐ時間3日だった。


諸葛亮

「由妃!!少し無謀過ぎるぞ!!」


由妃

「何よ、私はちゃんと孫権殿から衣装を借りたわ。

それを何に使うか聞かなかった孫権殿も悪いでしょ。」


諸葛亮

「だが!少し何をするか私にでも言ってくれ。

策が台無しになっては困る。

言い訳を考える私達の身にもなってくれ!?」


由妃

「分かったわよ。

今後は何処に行くとかは貴方に言うわ。」


諸葛亮

「そうしてくれ。

由妃・・・あまり無茶はするな。」


諸葛亮が抱きしめてきたのだった。


由妃

「諸葛亮・・・・・・・・・。」


諸葛亮

「すまない、私が混乱している。

どうやらお前を好きになりかけているようだ。

すまない、今の言葉は忘れてくれ。」


部屋から出て行くのだった。



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