第13話 駆け引き
曹操は劉備達が呉の孫権と同盟を結んだ事で荊州の兵を取り込み総勢80万の軍勢で赤壁の戦いに挑む事になった。
夏侯惇
「曹操様の申し出を断り呉は愚か者としか思えません!」
曹操
「フッ、孫権が劉備を選んだのだから仕方なかろう・・・・・・・・・。」
曹操軍も呉へ向かうのだった
曹操軍は長江を埋めるほどの軍勢で烏林に陣を構えそれに対抗する劉備軍・孫権軍は陸口に陣を構えるのだった。
初陣は諸葛亮の策により八卦陣で趙雲・関羽・張飛・周瑜の活躍で大勝利だったが・・・・・・・・・・。
夏侯惇
「曹操様陸の第一陣は敗北しました。」
曹操
「よい、捨て置け。様子を見ただけだ。」
夏侯惇
「ハッ!!」
曹操
「この調子なら鳥林に陣を構える事になるな」
夏侯惇
「ハッ、奴らに陸口を押さえられてしまいましたので。」
曹操
「そうか、暫し様子を見るぞ。」
するとお互い膠着状態におちいっていくのだった。
曹操
「夏侯惇、琥珀の情報は入らぬか?」
夏侯惇
「ハッ、今だに・・・・・・・・・」
曹操
「そうか、では書簡を出そう。」
すると曹操から呉の孫権宛に書簡が届く。
孫権
「なっ、降伏せよと?許せんおのれ〜曹操!」
呉軍兵士
「それと琥珀と由妃と言う女性をよこせとも言ってきています。
2日後の夜に迎えをよこすと・・・・・・・・」
孫権
「なっ、劉備殿、あの2人はどうしたのだ?」
趙雲
「曹操もあの2人と会っていないのか?」
孫権
「居ないのだな・・・・・・・・・。」
窮地に立たされる劉備軍と孫権軍。
諸葛亮
「時間は2日あります。
それまでに何か策を考えましょう。」
その話は小喬の耳にも入った。
小喬
「旦那様、この小喬が時間を稼いで参ります。」
周瑜
「なっ、ならん!!お前を行かすぐらなら戦を始める。」
小喬
「良いのです。
旦那様の勝利をこの小喬お祈りします。」
周瑜
「あの曹操がお前に何をするかと思えば・・・・・・・・。」
苦渋の決断を迫られる周瑜だった。
小喬
「曹操とは面識もありますゆえ乱暴はされないと思います。」
周瑜
「だか、曹操がお前に触れるなどと、くっ!
私には耐えられん!!」
小喬は周瑜に抱き付き周瑜を納得させたのだった。
結局小喬が行く事になるが最後まで周瑜は反対した。
孫権
「すまない周瑜・・・・・・・・・・。」
周瑜
「くっ・・・・・・・・・・・。」
周瑜は船着場までは送ることは出来なかった。
少人数の家臣を連れ小喬は迎えの船に乗ろうとしたが・・・・・・・・・。
夏候惇
「待て!?なぜ小喬殿が?」
小喬
「あの2人は呉に居ないのです。だから私が」
夏候惇
「お前、曹操様に斬られるぞ!!」
小喬
「!!ですがあの2人は居ないのです。」
揉めていると夏侯惇の耳元でクスクスと声が聞こえた。
夏候惇
「ハッ!誰だ!!」
琥珀
「おやおや怖いですわ、夏候惇殿」
夏候惇
「琥珀様!!小喬、嘘をついたな!!」
琥珀
「あらっ、小喬?いつ見ても美しいわね。」
琥珀は小喬の前に出て庇うように立つ。
小喬
「琥珀・・・・・・・・・。」
琥珀はニコット笑い言う。
琥珀
「夏侯惇殿、私も今呉に着いたばかりなのよ。小喬は嘘は吐いてないわ。」
夏侯惇
「本当だったのか・・・・・・・・・・・。」
琥珀
「私とても疲れているのよ、曹操にお願いして来てくれる?旅で汚れているし綺麗な姿で曹操に会いたいの?」
夏侯惇
「ですが・・・約束は今日だ!?」
琥珀
「夏侯惇は頭がお堅いのね!じゃこれを曹操に渡してもう一日待ってと言ってくれるかしら?曹操なら私のために待ってくれるわ。ねっ!」
夏侯惇に琥珀の匂い袋を渡すのだった。
夏侯惇
「で、ですが俺の首が飛びます・・・・・・・・・。」
琥珀
「クスクス、大丈夫よ。ダメと言うならまた迎えに来てね。」
琥珀は小喬と呉に帰るのだった。
夏侯惇
「あっ!!はぁ・・・・・・・あの方には勝てないな・・・・・・・・・。
でも由妃様が居なかった。」
夏侯惇も渋々帰るのだった。
曹操
「夏侯惇・・・あの2人はどうした?居ないではないか?」
夏侯惇は経緯を曹操に話し琥珀から受け取った匂い袋を渡すのだった。
曹操
「ほお~確かに琥珀のものだ。
くくくくく・・・・・・・・・。
そうか、明日来るのだな我のもとに。」
夏侯惇
「曹操様、由妃様の姿が見えませんでした。」
曹操
「由妃の姿がなかったと?
・・・良い、琥珀が居るのだいずれ姿を現すはずだ。
夏侯惇伝令を出せ、琥珀あてに明日楽しみに待っておるぞと」
夏侯惇
「ハッ!!」
その頃琥珀と由妃と小喬と甘夫人を連れ孫権の屋敷の前に来ていた。
周瑜
「小喬!!」
小喬
「旦那様!!」
抱き合う二人。
琥珀
「クスクス、独り者の私には刺激が強すぎますわ周大都督殿」
由妃
「本当、お熱いのね!!」
周瑜
「!!すまない・・・・・・・。
2人共呉に来たのだな・・・。」
琥珀
「ええ、劉備に用があってね。」
由妃
「みんな窮地に立たされているようね。」
周瑜
「そうだな・・・・・・・・。その方は?」
琥珀
「劉備の妻よ」
屋敷に入るのだった。
甘夫人
「劉備!!」
劉備
「よく無事で帰って来てくれた。」
甘夫人
「由妃と琥珀が救ってくれたの。」
琥珀
「感動の再会はあとにしてくれる?長旅をしてきたというのに窮地なんて戦況はどうなっているの?」
孫権
「見ての通り曹操は総勢80万鳥林に陣を構えたいる。
対してこちらは陸口に5万だ・・・・・・・・・。」
由妃
「そうね十分に勝てる勢力ね。」
孫権
「これが勝てる勢力だと?」
琥珀
「あらっ、孫権は周喩の実力を信じていないのね。可哀想に~」
孫権
「信じておる!!だが今や80万の軍勢だ、それを前に・・・・・・・・」
由妃
「勝てる気がしない?クスクス本当に昔から孫策違い臆病ね。」
琥珀
「支える家臣たちを信じ前に出なさい孫権!!」
孫権
「くっ・・・・・・・・・。」
由妃
「お初にお目にかかります。
臥龍殿?孔明殿?それとも諸葛亮殿と及びするべきですか?」
諸葛亮
「ああ、好きに呼んでくれ・・・・・・・・。」
(美しく賢いとは本当だった・・・・・・・。なんと堂々たる面持ち感心する)
君主の前で堂々たる態度に驚く諸葛亮だった。
琥珀
「では、諸葛亮殿今後の策は?」
諸葛亮
「ああ、曹操軍に火計で対抗したいのだが・・・・・・・・」
由妃
「陣地は陸口だったわね。
この寒い時期北から南に風か吹いている。
火計では上手くいかないと?」
諸葛亮
「そうだ、だが月に1~2回この時期でも南から北に風が吹くのだ。
それを利用して火計を実行、曹操軍を壊滅したいのだ。」
琥珀
「いい策ね。その風は何時吹く?」
諸葛亮
「それがここ一週間内に吹くとみられる。」
由妃
「で、小喬が時間稼ぎに行こうとしたと?」
小喬
「そうです・・・・・・・・・。」
琥珀
「行かなくて良かったわね、あなた死んでいたわよ」
小喬
「・・・・・・・・・・・有難う琥珀。」
諸葛亮
「曹操はお前等を欲してるのはわかるな?」
琥珀
「クスクス、あらっ、私達は劉備軍でも、呉軍でもないのよ?ねえ、姉さん。」
由妃
「そうね、私達は幽州の公孫賛の娘と言うところかしら?」
諸葛亮
「なっ!何が望みだ?」
琥珀
「曹操のところに私が行って私になんの利があるの?」
諸葛亮
「お前は曹操の恋人であろう?
愛しい者の元に行けるのだそれで十分であろう?」
琥珀
「あらっ!
確かに許都で結婚すると約束したけどそれは条件付きでね。」
諸葛亮
「条件だと?」
琥珀
「ええ、曹操が大陸制覇を諦め私を取り静かに暮らすことで結婚を受けたけど大陸制覇を初めたら曹操の元から去る事になっているの。
だから私は曹操の元に帰らなかった。」
諸葛亮
「曹操はそう思っていないぞ!?」
由妃
「行くにしろ行かないにしろ私達に利はないということよね・・・・・・・・・・。」
諸葛亮
「そ、そうなるな・・・・・・・・・・。」
琥珀
「そうね、劉備達にも世話になったし。
分かったわ、今ここで私達は劉備軍に属します!!」
諸葛亮
「なっ!!」
由妃
「クスクス、劉備達は嫌かしら?」
劉備
「何を言っている、君らは私達の仲間だ。」
趙雲
「そうだ、何時だってお前等の居場所空けてある。」
由妃
「有難うみんな。
孫権、周喩、あなた方は天下二分の計をお望みなのでしょう?」
孫権・周喩
「!!・・・・・・・・・。」
由妃
「駄目よ、欲張れば身を滅ぼす。」
孫権
「ああ・・・・・・・。
お前等はなにを望む?」
琥珀
「そうね、この劉備軍、呉軍に勝利を齎したら荊州を劉備に与えたくれる?」
孫権
「!!荊州をか?」
琥珀
「ええ、天下三分の計よ。」
孫権
「条件を飲めば?」
琥珀
「南風が吹くまで私が曹操を引き止めるわ!
条件を飲まなければあすの夜ここは戦火に飲まれ呉壊滅ね。」
孫権
「本当にお前等には勝てぬ。
分かった、条件を飲むとする!」
琥珀
「有難う孫権。
それと曹操の元に行くのだから綺麗な服と装飾品は頂戴。」
孫権
「分かっておる明日選ぶとよい。」
琥珀
「じゃ、私疲れたからお風呂に入り休むわ。」
孫権
「勝手にしろ!!」
由妃
「クスクス、本当に琥珀には弱いのね孫権殿は」
孫権
「なっ、煩い!!」
由妃
「琥珀、曹操の陣に行くのは貴女だけにしてね。」
琥珀
「えっ、姉さんは行かないの?」
由妃
「当たり前じゃない、貴女達のいちゃいちゃするの見て何が楽しいのよ、私には何も利がないわ?ね、諸葛亮殿」
諸葛亮
「だが曹操は2人共所望なのだが・・・・・・・・・。」
由妃
「嫌よ、私は行かないわ、だって此処にいた方が楽しそうだものね。」
趙雲
「なっ!!」
劉備
「由妃は何を考えているの?」
由妃
「貴方達更に窮地に立たされたいの?
琥珀と私が曹操の元に行けばどれだけの戦力を失うと思う?」
孫権
「戦力を失うと?」
由妃
「そうよ、私なら此処の呉軍、劉備軍合わせて一夜で殲滅してあげるわ」
孫権・劉備
「なっ!!」
諸葛亮
「もしもの事を考えて此処に残ると言うことだな?」
由妃
「ええ」
趙雲
「どういう事だ?」
由妃
「琥珀がもし曹操に寝返ったら?」
皆
「・・・・・・・・・」
琥珀
「私はそんな事はしないわ!!」
由妃
「琥珀、もしもの保証よ、確かに貴女は寝返らない。
それでも此処の皆はそう思ってないわよ。
だから貴女だけ行きなさい。」
琥珀
「うん・・・・・・・・・。」
琥珀は部屋から出て行くのだか由妃は残っていた。
諸葛亮
「お前も部屋に戻らないのか?」
由妃
「少し話しがしたくてね。
軍議は何処まで進んでいるの?」
孫権
「この前諸葛亮殿及び劉備軍が矢を10万本調達した所までだ」
由妃
「そう、諸葛亮殿琥珀が時間を稼ぎ火計を仕掛ける時はどうなっているの?」
諸葛亮
「周瑜の船が曹操の中心の船では火計でつく、
その後各自の配置はこうなっている。」
由妃
「成る程、では私をここに置いてくれない?」
由妃がさした場所は周瑜の船の隣だった。
諸葛亮
「だか、そこは重要な役目の船だ。
船に慣れている周瑜の隊でなくては・・・・・・・・・・」
由妃
「違うわよ。
私が言っているのはこの船に乗せろということ。」
諸葛亮
「戦火が一番激しい場所にわざわざ行かなくても良いと思うのだが?」
由妃
「劉備軍として立派に仕事をしてあげるわよ。
良いでしょ周瑜殿?」
周瑜
「お前が良いと言うなら俺はないも言わないが・・・・・・・・・」
ゴホゴホ!
時より周瑜が咳をする。
小喬
「旦那様お風邪が長引いていますね。」
小喬が周瑜の背中を摩ると由妃が言う。
由妃
「周瑜殿、その咳は何時からですの?」
周瑜
「大分前からだな・・・なかなか治らないのだ。」
由妃が周瑜の胸辺りに手を当てる。
周瑜
「なっ、何を?」
由妃
「大きく息吸って、そして吐いて。」
周瑜
「ああ」
由妃
「・・・・・・・・・。」
由妃は自分の荷物から何やら取り出してきた。
由妃
「今これ飲んで。」
周瑜
「今か?」
由妃
「ええ、今。」
周瑜が飲むのだった。
由妃
「数刻すると身体が軽くなるわ。」
周瑜
「有難う。」
由妃
「後は小喬に渡しておくから当分は薬を飲み続けてね。」
周瑜
「ああ」
由妃
「じゃ、諸葛亮私の配置は決まったから失礼するわ。」
諸葛亮
「ああ・・・・・・・・・」
諸葛亮はこの時思うのだった。
諸葛亮
(なぜこうも腕利きの武将たちがこの者達には反しないのだ・・・・・・・?
いくら腕が立つ武将だとしてもたかが女2人だ?わからん!!)
「趙雲、話があるのだが後で私の部屋に来てくれ。」
趙雲
「ああ、分かった。」
諸葛亮と趙雲は話していた。
諸葛亮
「あの由妃と琥珀という者どういう存在なのだ?
何故、あの孫権が歯向かわぬ?」
趙雲
「由妃と琥珀は徐州であの鬼女および仙女の呂布を2撃で討った者だ。」
諸葛亮
「なっ!あれは曹操が討ったのではないのか?」
趙雲
「俺も見ていた。
由妃と琥珀がだ、それに官渡の戦いでも全て琥珀と由妃の策で曹操は勝利を得ているのだ。」
諸葛亮
「・・・・・・・・何者達なのだ?」
琥珀
「公孫賛と鬼の女性の間に生まれた半妖で仙女よ。」
諸葛亮
「はっ!」
琥珀
「驚かせてごめんなさい、少し諸葛亮に話があるのいいかしら?」
趙雲
「では、俺は失礼するよ。」
趙雲は出て行った。
諸葛亮
「なんのようだ?」
琥珀
「疲れているのにごめんなさい。」
諸葛亮
「よい、いつも遅くまで起きている。」
琥珀
「優しいのね。今後のことよ。」
諸葛亮
「今後のこと?」
琥珀
「劉備が荊州を治める事になった時のこと」
諸葛亮
「そこまで考えているのか・・・・・・・・・。」
琥珀
「多分、孫権は暫くは大人しいけど劉備を侵攻するわ。」
諸葛亮
「それは想定内だ。」
琥珀
「そこで、率直に貴方に尚香と結婚してほしの。」
諸葛亮
「なっ!?」
琥珀
「尚香が貴方に思いをよせているのは分かっているのでしょう?」
諸葛亮
(此奴どこまで知っているというのだ・・・・・・・・。仙女だからなのか?)
「ああ、知っておる。尚香と結婚し同盟を維持しておけば要らぬ戦いは起きぬということだな」
琥珀
「そうよ。だから頼める?」
諸葛亮
「承知した。我も尚香を好いているからな。」
琥珀
「では、私が曹操の元に行ったら話してね。
孫権も喜ぶわ。」
諸葛亮
「ああ、だがお前は本当に曹操にやるには惜しい女だな。
賢く、強く、美しい・・・・・・・。」
琥珀
「諸葛亮殿も口が上手いのね。でも全てこの策は由妃姉さんが立てたものよ。では私は。」
諸葛亮
「琥珀!一つ聞きたい。
我らは曹操を殺そうとしているのだぞ、それは承知の上だな?」
琥珀
「ええ、承知よ。」
諸葛亮
「では、今後曹操が死んだらお前は如何するのだ?」
琥珀
「そうね〜、その時にならないと分からないわ。」
諸葛亮
「お前が孫権の隣に居ればもっと劉備殿は安泰なのだがな?」
琥珀
「・・・・・・・・・諸葛亮。
これだけは言っておくわ。
私も曹操を愛している。」
諸葛亮
「では!?」
琥珀
「火計の策は成功させる。」
諸葛亮
「信じて良いのだな?」
琥珀
「ええ・・・・・。」
琥珀は出て行った後に由妃が姿を現わすのだった。
由妃
「諸葛亮、あまり妹を追い詰めないでくれる?」
諸葛亮
「!!事上話はこうなる仕方あるまい・・・・・・・・・」
由妃
「そう、もう少し優しくしてくれたら嬉しいのだけど。」
諸葛亮
「私は軍師だ、優しくして貰いたいなら曹操にしてもらえばよかろう?」
由妃
「あらっ、冷たいのね。」
諸葛亮
「お前は何故琥珀と行かない?
もしもの保証と言っても妹が心配でないのか?」
由妃
「心配だけど琥珀も馬鹿ではないわ。
もう琥珀は自分の道を歩んでいる・・・
今までは助けが必要だったけど、
もう此処まできたら曹操と琥珀の問題だもの私が居てもしょうがないじゃない?」
諸葛亮
「お前も曹操が好きなのか?」
由妃
「好きではないわ。」
諸葛亮
「思う者もいるであろう?」
由妃
「さあ〜どうかしら?」
諸葛亮
「本当にお前の心内はよめぬな?」
由妃
「お褒めの言葉有難う。」
諸葛亮
「今後はどうするのだ?」
由妃
「そうね、少し私は別行動するかも」
諸葛亮
「そうか、良い情報を頼むぞ。」
由妃
「クスクスちゃっかり頼んでいるんだから。」
諸葛亮
「それはそうだろう、使えるものはうかう。」
由妃
「あまり期待しないでね。」
由妃も部屋に戻って行くのだった。
翌日諸葛亮は琥珀を探していた。
諸葛亮
「ここに居たか。」
琥珀
「どうしたの?何か用?」
諸葛亮
「ああ、火計の策を実行する合図なのだか、
火の熱で空を飛ぶ物を作っのだ。」
諸葛亮は琥珀に見せたのだった。
琥珀
「分かったわ。これが沢山空に浮くのね。」
諸葛亮
「そうだ。これを見たらお前も曹操の元から逃げろ、いいな。」
琥珀
「ええ、分かっわ。」
微笑む琥珀を見て諸葛亮は思った。
諸葛亮
「お前は何故、そう全てを悟った様な顔する?」
琥珀
「・・・・・・・・・。」
諸葛亮
「・・・お前!!」
琥珀
「諸葛亮もう良いかしら?曹操のところに行く準備しなくちゃいけないの?」
諸葛亮
「ああ・・・お前の武運を祈ってるぞ」
琥珀
「有難う。」
琥珀は曹操の元へ行く準備を始めるのだった。
琥珀は心は浮き立つなかどう事を進めるか悩んでいた。
琥珀
(曹操は勘の良い男、容易い策では動かない。
色仕掛けなんて到底無理・・・よね。
曹操は本当に私を愛してくれているのか・・・・・・・・。
考えてもしょうがないわね。
今は会ってその場判断でいくしかないわ。)
珍しく考えるのをやめた琥珀、その判断が吉と出るか凶と出るかは曹操次第だった。
夜が更けたころ美しく着飾った姿で赤壁を見渡せる場所で笛を奏でる琥珀。
それは曹操がいる鳥林にも届くのだった。
曹操
「!?これは琥珀だな。」
曹操も又琥珀の笛の音を聴きながら琥珀との再会に心踊らせるのだった。
笛の音が止んだころ曹操は琥珀を迎えに行かせるのだった。
諸葛亮
「お前は楽も達者なのだな。曹操が惚れる訳だ・・・・・・・・・。」
琥珀
「お褒めの言葉有難う。」
諸葛亮
「さぁ、その格好では歩きにくかろう?手を」
琥珀
「お言葉に甘えさせてもらいますわ。」
諸葛亮が琥珀の手に触れた時驚くのだった。
諸葛亮
「どうした?震えているではないか?」
琥珀
「私とて女ですよ。
今の曹操が私に何をするか分からない・・・・・・・・・。
愛しているけど怖いに決まってるでしょう。」
諸葛亮
「怖いなら私が癒してやったと言うのに?」
諸葛亮が少しいたずらげな話しかたをすると琥珀は笑う。
琥珀
「クスクス、有難う。少し緊張が解れたわ。」
諸葛亮
「では、行くぞ。」
琥珀
「ええ、お願いします。」
由妃
「琥珀、綺麗ね頑張って。」
琥珀
「姉さん・・・・・・・・・・。」
由妃が抱きしめ琥珀の耳元で言う。
由妃
「絶対に一緒に死のうと考えないこと、たまには顔出すわ。」
琥珀
「うん、分かったわ。」
船着場まで諸葛亮は琥珀を送ってくれたのだった。
琥珀
「諸葛亮・・・後は貴方に鬼の一族を託したわ。」
諸葛亮
「ああ、任せろ!!」
琥珀
「では、あなた方の武運をお祈り申し上げます。」
諸葛亮
「ああ、お前もな。」
迎えの船に夏侯惇が居た。
夏侯惇
「琥珀様、手を」
琥珀
「有難う夏侯惇殿 」
乗り込んでいったのである。
諸葛亮
(お前は・・・・・・・・。
曹操と生死を共にすることを選んだのだな。
本当に惜しい女だ。)
諸葛亮も屋敷に戻っていつたのである。
曹操の元へ着いた琥珀は緊張で少し足が竦むのだったが怯む訳にも行かず曹操の陣に入って行くのだった。
曹操が腰かけている場所から3メートル位の位置で一度止まる琥珀。
曹操
「久しいな琥珀。」
相変わらず不敵な笑みを浮かべる曹操
琥珀
「わざわざお招き頂き感謝申し上げますわ曹操」
曹操
「何を言う、お前の居場所は我の横だ。
もっとこっちに来い。」
琥珀
「クスクス、御断り致しますわ。」
曹操
「!?どういう意味だ?
それに由妃は何故いない?」
琥珀
「さあ〜由妃は許都では別れたままで知らないわ、私は今や劉備軍の者。
曹操殿のものではありませんが?」
曹操
「ククククククク、あはははは。
では、何が望みなのだ?
我の首か?
それとも鬼共の命の保証か?
ズル賢いお前の扱いにはもう慣れておるぞ。」
琥珀は少し悲しげに微笑んだ、それを見た曹操は少し動揺した・・・・・・・・。
曹操
(どうしたと言うのだ・・・・・・・。
何故悲しげな目をする・・・・・・。)
琥珀
「・・・・・・・・・・・・・。
貴方は変わらないのね。」
曹操
「どういう意味だ?」
琥珀
「私の望みは鬼の一族の命の保証でも貴方の首てもない・・・・・・・。
私と穏やかに暮らしてくれる・・・・・・。
許都で結婚の約束をした時の貴方の嬉しそうな笑顔。
私に愛を囁いてくれるときのあのとろけそうな微笑みをくれる貴方・・・。
私は貴方の曹操、愛が欲しいの!」
曹操
「!?我は変わらぬ・・・・・・・。」
琥珀
「今の貴方は私が愛している曹操ではないわ!」
曹操
「くっ・・・・・・・!
何故分からぬ!
我はこんなにもお前を愛しく愛しているというのに!!
鬼のしがらみから解放してやれば我の所に帰って来るとおもっていた。
だか、お前は我どころかあの者たちの所にしか・・・・・。」
琥珀
「それは貴方がそうさせているから。
そうでしょ。
貴方の考えと私の考えは違う。
個々人考え方はそれぞれ、だけど幸せを祈るのは誰もが同じ、そして愛の形も同じ与え方は違っても愛する事は出来る・・・・・・」
曹操
「なら、ただ側に居てくれれば良い。
我はそれだけで幸せなのだ。」
琥珀
「貴方を愛せない私でも?」
曹操
「くっ、それはどういう意味だ!」
琥珀
「いまや、呉軍、劉備軍を殲滅しこの呉を手に入れようと目論む貴方、私はそんな貴方を愛してるとでも?
私は戦が嫌い。
私の母は戦の中私を庇い死んだわ!!
だから戦を起す貴方が嫌い!!
今の貴方を愛せない!!」
曹操
「くっ、我に歯向かうと言うのだな!!」
琥珀
「歯向かう?それはちがうのでは?
貴方が私にそうさせているんじゃない!!」
曹操
「我がお前に・・・そうさせていると・・・・・?」
琥珀
「許都での結婚を約束した日私は本当に貴方を愛してると分かっわ。
だけどそれを壊したのは貴方。
戦を起こさず私だけを迎えればよかった事じやない?
いずれにしろ貴方と私は結ばれないと分かったわ!
貴方は大陸制覇を諦められない男。
私はただ穏やかに平和を愛し暮らす女でいい!!
もう沢山!!
今まで戦に関わっていたのも血縁者が居たからじゃない愛しい貴方が曹操・・・・・。
貴方が居なくなるのが怖かったからよ!!
どうして私のこの想い、愛を分かってくれないのよ!!」
曹操
「それまでに我を愛してると・・・。」
琥珀
「話はこれで終わりよ。
貴方が私の望みを聞き入れてくれるならこの戦をやめ帰るか。
聞き入れてくれないのならここで戦を始め私をこの場で切り殺せば良い事。」
曹操
「我がお前を傷つけるなど出来るはずかない!!
何故分からぬ!!」
曹操は琥珀の元に駆け寄り抱きしめたのだった。
琥珀
「・・・・・・・・・。」
曹操
「琥珀!!
我はどんなうれい、どんな傷害からもお前を守る。
だから我だけを見ろ、離れず側に居ろ。」
琥珀
「愛がなくても?」
曹操
「!?・・・・・・・・。
我を愛してくれないというのか・・・・・・・・?」
(!!おかしい・・・・・・。琥珀の体が熱い。)
曹操は琥珀の体の異変に気付いた。
琥珀
「そうね、愛せない!!
戦を始めたものね、やめる事もできないわね。
貴方が私に飽きるまで側にだけはいてあげるわ曹操。」
曹操
(こんな・・・・・・・。
無理をしてまで鬼共のことを思うか・・・・・
なぜ、我のためだけに傍に居てくれぬ!!)
いきなり曹操は口付けを落とした。
琥珀
「うっ!」
(なに、この感覚・・・・・・・・。
前にも・・・・・・・。
あっ、体が痺れて・・・どうしよう・・・・・・。
意識が保てない・・・。)
意識を失う琥珀を抱き上げ曹操は・・・・・。
曹操
「私だけを愛してくれ琥珀・・・。
夏侯惇居るか?」
夏侯惇
「ハッ!此処に。」
曹操
「医者を呼べ。琥珀が熱を出し気を失った。」
夏侯惇
「ハッ!!」
張遼
(由妃が許都で別れたまま?
必ず呉に居ますね。
大方琥珀さんが寝返らないための保証で隠れているのでしょう。
私は少し抜けてもかまわないですね。)
張遼は呉に忍び込むのだった。
張遼が由妃を探していると少し寂しげに縁側に腰掛けお酒を呑んで由妃を見つけるのだった。
すると歌を歌い始めるのだった。
♬〜♪♩〜〜♫♩♪♩〜・・・・・・・・・
途中で歌が終わりその後ろから孫権が現れた。
孫権
「切なげな歌だな。」
由妃
「孫権殿どうしたの?歌が煩かったですか?」
孫権
「いや、少し眠れなかっだけだ。
私も一緒していいか?」
由妃は張遼が隠れているのは知っていたが気付かないふりをしながら孫権な酒を酌するのだった。
孫権
「美しい月だな。」
由妃
「ええ」
孫権
「由妃殿も愛した者はあるのであろう?」
由妃
「いきなりですね。
そうですね愛した者は2人居ます。
1人はもう死んで居ませんがもう1人は迎えに来ると言ったまま迎えに来ません。」
孫権
「そうであったか・・・。
その者が迎えに来なかったらどうするのだ?」
由妃
「さあ〜考えた事ありません。
彼を信じてますので。」
孫権
「そうか、もし来なかったら我の元に来い。
正室に迎えてやっても良いぞ。」
由妃
「クスクス、考えておきますわ孫権殿」
孫権
「では、私はこれで失礼する。」
孫権が去った後由妃を背後から優しく抱きしめてくる張遼が居た。
由妃
「見つかったら大変よ。」
張遼
「少しは大丈夫です。
由妃さん愛してます。」
由妃
「ええ、私も愛してるわ。」
張遼
「もう少し我慢して下さい。」
由妃
「聞き飽きたわ、でも曹操の所戻ったら琥珀に優しくしてあげて。」
張遼
「はい、分かりました。」
由妃
「もうそろそろ行った方がいいわ。」
張遼
「はい」
由妃から張遼に口付けを落とすのだった。
張遼
「由妃・・・・・・・・・・」
由妃
「たまには私も会いに行くわ。」
張遼
「愛しい人待ってます。」
由妃が笑うと張遼は去っていくのだった。
諸葛亮
(矢張り張遼か・・・・・・・・・)
「由妃良い月だな。」
由妃
「ええ」
諸葛亮
「私も呑んでいいか?」
由妃
「良いわよ。」
2人呑んでいると諸葛亮が抱き寄せる
由妃
「諸葛亮殿?」
諸葛亮
「少し歩かないか?」
由妃
「ええ、良いけど」
(ドキドキじゃうわ・・・・・・・・・
張遼とはこんなトキメキ無いのにどうして諸葛亮殿殿とは・・・・・・・・
私は張遼が好きなはず・・・・・・・・・
自分が分からなくなってきた・・・・・・・・)
池に月が映り綺麗だった。
諸葛亮
「綺麗だな。」
由妃
「本当ね。」
諸葛亮は由妃を抱き締めながら耳元で囁く。
諸葛亮
「お前も美しい・・・・・・・・・
お前が欲しい。」
由妃
「クスクス、酒にでも酔ったのですか?」
諸葛亮
「そうやもしれぬな、お前が美しく賢いから悪いのだ。」
由妃
「クスクス、私のせいですか。」
諸葛亮
「ああ」
諸葛亮は由妃の頬に口付けを落とし去っていくのだった。
琥珀は2日熱でうなされたが曹操はひと時も離れず看病をした。
琥珀
(なんだろう・・・・・・・・。
ふわふわと気持ちがいい・・・・・・。
この香の香り曹操のだわ・・・・・・・・。
だけど体が動かない・・・・・・・・・。)
「うっ・・・・・・。頭が痛い・・・・・・・。」
目を開けると酷い頭痛がするのだった。
曹操
「目覚めたか・・・・・・・・。」
琥珀
「どうして曹操がここにいるの・・・・・・・?
私は・・・・・・・・どうしてここに?」
曹操
「一昨日のことを覚えていないのか?」
琥珀
「一昨日・・・・・・・・・?
ごめんなさい・・・・・・・。
頭が痛くて思い出せない・・・・・・・・・。
どうして私は寝ているの?病気になってしまったの・・・・・?
体に力が入らないの。」
曹操
「疲れていたのだろう倒れたのだ。」
琥珀
「ここは許都のあなたの屋敷?」
曹操
「いや・・・・・・・・。
呉にある我の陣だ・・・・・・・・。」
琥珀
「呉?・・・・・・・。
曹操は呉に領地を持っていたの?」
曹操
「!!お前、我を謀っているのか?」
琥珀
「おかしいわ・・・
何も思い出せないの・・・・・・・・。
決して謀っていないわ・・・・・・。」
曹操
「!!何も覚えていないのか一昨日のことを・・・・・・・?」
琥珀
「一昨日?
何か大事な話をしたの・・・ごめんなさい。
覚えていないの・・・。」
曹操は少し悪戯心が出たのが嘘をついてみた。
曹操
「明後日祝言を挙げる話をしたら倒れたのだ。我が嫌なのか?」
琥珀
「!!倒れた日から計算すると今日でしょ・・・・・・・・。
ごめんなさい、まだ起き上がれないの。
こんな大切な日に何故私は倒れたのかしら・・・?」
琥珀は熱のせいで記憶の一部が欠落していたのだった。
曹操
「!?案ずるな元気になってからでもよい」
琥珀
「有難う、曹操。
で、皆はいるの?式を挙げるなら皆も来ているのでしょう?」
曹操
「!!そうだな、だが今は孫権の屋敷に行っているのだ。」
琥珀
「曹操?疲れているの・・・・・!?
私の看病を?」
曹操
「大丈夫だ、1~2日寝なくても平気だ。」
琥珀
「駄目よ!!」
必死に起き上がろうとする琥珀
曹操
「まだ起きては駄目だ!!」
琥珀
ビクッ!!
「怒鳴らなくても・・・・・・・。」
曹操
「す、すまない・・・つい声が出た。」
琥珀
「曹操、考えたの。」
曹操
「何をだ?」
琥珀
「貴方も休めて私の願いが叶う方法が一つあるの。」
曹操
「願いが叶うだと?」
琥珀
「ええ、寝衣に着替えてくれる?」
曹操
「!?何故寝衣に着替えなければならないのだ?」
琥珀
「いいからお願い!!」
曹操は仕方なく着替え琥珀のもとに来た。
曹操
「これで満足か?」
琥珀がとったのは曹操の手だった。
曹操
「そんなに引っ張るとお前に倒れしま!?お前!!」
琥珀
「一緒に横になって」
曹操
「だが、まだ祝言も挙げていないのだぞ!?」
琥珀
「クスクス、添い寝だけよ」
曹操は仕方なく添い寝をすると琥珀は曹操に抱きつくのだった。
曹操
「お、おい、誘っているのか!こうだと落ち着いて眠れないではないか・・・・・。」
琥珀
「クスクス、貴方に抱きしめて欲しかったの」
曹操
「!!そ、そうか・・・愛しているぞ琥珀。」
琥珀
「私も愛しているわ。」
曹操
「本当に我が喜ぶことを知っておるな琥珀」
(騙してるというのにどうしたらよいのだ・・・・・・・ばれたら傷つけてしまう。)
後に引けない曹操だった。
由妃
「周瑜、貴方は肺の病気よ。」
周瑜
「なっ!!」
由妃
「それに小喬もその病気を貴方から貰っている。」
周瑜
「では・・・・・・・・・
俺と小喬は死ぬのか?」
由妃
「そのままほっておけば血を吐き死ぬ。」
周瑜
「!?」
由妃
「でも治せないわけではない。
この薬を飲み続けたら治るわ。」
周瑜
「本当だな、信じて良いのだな?」
由妃
「周瑜はもう何度か血を吐いているのね。」
周瑜
「・・・・・・・・・・ああ。」
由妃
「諸葛亮盗み聴きは良くないわよ入って。」
周瑜
「なっ!!」
諸葛亮
「すまない、盗み聴きするつもりはなかったのだが・・・・・・・・・」
由妃
「良いわ、周瑜寝台に横になって。」
周瑜
「何をする。」
由妃
「少し治療が貴方には必要なの。」
周瑜の治療をし始める由妃。
諸葛亮
(凄い、気を送って何やらしているのか?
それに術も掛けている。)
周瑜の治療か終わり由妃が諸葛亮を呼ぶ 。
由妃
「諸葛亮殿悪いけど私を部屋まで運んでくれない。
予想以上に力を使い過ぎたから立てないのよ。」
諸葛亮
「ああ、良いぞ。」
由妃
「周瑜もそのまま数刻寝た方が良いわ。」
周瑜
「由妃殿有難う。
大分呼吸が楽にできる。」
由妃
「どういたしまして。」
諸葛亮に抱き上げられ部屋に行く由妃。
諸葛亮
「由妃よ、お前はそんなに力を使って大丈夫なのか?」
由妃
「大丈夫よ、一晩寝れば回復するから。」
諸葛亮
「噂を聞いたのだがお前は仙人朱鷺の恋人だったと?本当か?」
由妃
「ええ、本当よ。
でも私が幽州に居る時寿命で死んだわ。」
諸葛亮
「そうなのか・・・・・・・・・。
噂は本当であったか、でお前は今一人だが誰か想う人でも居るのか?」
由妃
「諸葛亮殿はなんでも知りたがりね。
想い人は居るわ、迎えに来ると言っているけどいつ来るか分からないわ?」
諸葛亮
「お前が孫権殿の正室になったら安泰なのだかな・・・・・・・・・。」
由妃
「ごめん、それは無理だと思う。
孫権殿は私にはむいてない。」
諸葛亮
「そうか・・・・・・・・・」
由妃
「私はどちらかと言えば貴方の方が孫権殿より好みよ。」
諸葛亮
「なっ!」
由妃
「クスクス、ごめんなさい。
悪戯が過ぎたかしら?」
諸葛亮
「いや、良い。
ではゆっくり休んでくれ。」
由妃
「有難う諸葛亮殿。」
諸葛亮は由妃の隣に腰掛けた。
由妃
「えっ?どうして腰掛けるの?」
諸葛亮
「寝るまで居てやる。
少し話したい事もあったのでな。」
由妃
「話しとはなに?」
諸葛亮
「お前等はなぜそう劉備殿と鬼の一族にこだわる?己の幸せを考えれば矢張り曹操を味方するべきではないか?」
由妃
「・・・・・・・・・。
父が愛した鬼の一族だからこそ劉備殿達も家族のように大切よ。」
諸葛亮
「そうか、お前は全てを知っているのだな。」
由妃
「ええ、知っている。
始まった戦は止められない事くらい分かるでしょ?」
諸葛亮
「もっと早くにお前に会っていたらお前を妻に私は迎えていただろう。」
由妃
「クスクス、そうね。
私も想い人より早くに貴方に会っていたら貴方を愛していたかもしれない。」
諸葛亮
「そうか、少し私の我が儘を許してくれ。」
由妃
「えっ?」
諸葛亮は由妃に口付けを落とした。
由妃
「諸葛亮・・・・・・・・・?」
諸葛亮
「お前ほど良い女他の男にはやりたくは無いが生きる道筋がお互い違う。
だか想い人に飽きたら我の所に来てくれ。」
優しく微笑み諸葛亮は部屋から出て行った。
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