第11話 忍び寄る影と出会い


官渡の戦い後、曹操は袁一族を滅ぼし、華北を統一した。


趙雲及び鬼の一族を自分が住む許都の一角の村を与え住まわさせていたが琥珀と由妃は姿を消したままだった。

鬼たちを自分の近くに置く事で何時でも2人を受け入れる曹操の目論もあったが・・・・・・・・・。


鬼の一族にも穏やかに生活が戻ったある日、曹操が村を訪れていた。


趙雲

「珍しいな曹操直々に来るとは?」


曹操

「久しぶりに顔が見たくなっただけだ。」


関羽

「!!何か企んでいるんじゃないでしょうね?」


夏侯惇

「人聞きの悪いこと言うな!曹操様はお前らが何か不十していないかと訪れたのだ!」


趙雲

「それにしては兵やら人が多くないか?」


曹操

「これは今から烏丸の所に袁家の生き残りを殲滅しに行くための軍勢だ。」


琥珀

「あらっ、残念ね。私も久しぶりに来たと言うのに。烏丸まで?」


琥珀と由妃は曹操が心奪われる程に美しくなって現れた。


曹操

「!?何時から此処にいたのだ・・・・・・・・・」


由妃

「???何時からって最初から貴方の兵のうしろで前に行けず居たわ。」


夏侯惇

「曹操様、烏丸の袁家殲滅は我々だけで行きます。

だから曹操様は琥珀様と・・・・・・・・・」


曹操は琥珀の事も気になるが行くと言った手前後には引く事が出来なかった。


曹操

「いや、行く。我が言い出した事だ。」


夏侯惇

「ですが!?」


曹操

「琥珀、何時まで此処にいるのだ?」


琥珀

「ずっと居るわよ。私のやるべき事が無くなったから。」


曹操

「!?此処にとは我の所に来てくれると言うことなのか?」


琥珀

「違うわよ、私は鬼の一族と暮らすの。」


曹操は少しガッカリしたのうな顔をした。


由妃

「琥珀もう少し優しい声かけてあげられないの?曹操もかわいそうじゃない。」


琥珀

「姉さんは黙ってて!!」


由妃

「怖い怖い」


曹操

「そうか・・・。」


琥珀

「華北統一も大変ね。袁家の殲滅、怪我しないようにしてね。」


曹操

「お前は何時、我の所に来てくれるのだ?」


琥珀

「そうね〜、今や貴方は中原の王よ、この中原の民が静かに暮らせて争いの無い国になったら貴方の側に行ってもいいけど、まだ行けないわ!だって大陸制覇諦めていないんでしょう?」


曹操

「ククククク、あははは我に大陸制覇を諦めお前を選べと言うか?」


由妃

「そうよ、曹操、この鬼の一族達みたいに穏やかに暮らす事が出来ないかしら?」


琥珀

「暮らせるのなら私は貴方のものになるわ。」


曹操

「今の言葉本当か!?」


曹操は胸を高鳴らせる。


琥珀

「ええ、嘘は言わないわ。」


曹操

「フッ、分かった。烏丸の袁家討伐後お前を我の妻と迎える。」


曹操は抱き寄せる。


琥珀

「あっ、それと妻にしたからと言っても貴方が大陸制覇を始めたらそれで私達の仲はお終いになるわよ。」


曹操

「承知の上だ。

我が帰るまで大人しく由妃と鬼達と居てくれ。」


曹操は皆の前も有り琥珀の手の甲に口付けを落とし幽州の烏丸に向かうのだった。


余りにも機嫌が良い曹操、家臣たちも驚くのだった。


夏侯淵

「曹操様のあんなに嬉しそうな顔初めて見たよ・・・・・・・・。」


夏侯惇

「それは当たり前だ、ずっと欲しい者がやっと手に入るのだ。曹操様とて喜びになられる。」


夏侯淵

「前に会った時は暗がりでよく顔がわからなたったけどスゲー美人だよなあの2人。

羨ましいよ」


夏侯惇

「おい、夏侯淵言葉がすぎるぞ、あのお二方は美しく賢い曹操様の為に生まれてきた方だ。」


夏侯淵

「曹操様は二人共めとるのか?」


夏侯惇

「決まっているだろうが!!」


夏侯淵

「おお・・・そうだな。」


幽州に向かう曹操達、だが由妃、琥珀及び鬼たちに不穏な空気が漂い始めた。


???男1

「手はず道理にな!」


???男2

「分かっている」


そう・・・鬼の力を手に入れた曹操を羨み他の国からの間者が動き出していた。


趙雲

「・・・・・・・!?琥珀本当に曹操の妻になるのか?」


琥珀

「ええ、こんな私をもらってくれるのだからいいんじゃない?」


関羽

「まだ、いい男は沢山いるわよ、考え直した方がいいと・・・・・・・。」


由妃

「クスクス、ああ見えて曹操もいい男よ、ただ、人当たりが強いから悪く見られるだけ。

本当は家臣思いの優しい男よ。」


趙雲

「曹操が?」


琥珀

「そんな悪く思わないで。

あなた達だって今や曹操の土地で平和な暮らししてるじゃない?」


関羽

「そうだけど・・・・・・・・・」


驚く鬼たちと趙雲だった。


近くの人間が住む村が不穏な動きをする。


張飛

「世平おじさん、近くの村の様子を見てきたけどなんだか変なんだよ・・・。」


世平

「今は、曹操が不在だからな暫くは警戒した方がいい。」


張飛

「ああ」


曹操は自分の近くに鬼たちを置いたが人間たちの中には怖がったり嫌ったりと反対するものたちも多かった。


だが曹操の言うことを聞くしかできない民達だったが曹操の不在の今、民の怒りや怯えが大きくなり暴走し始めた。


関羽

「由妃!!琥珀!!た、大変!!近くの民たちがここを襲ってきたの!?」


琥珀

「えっ!それでどうなっているの?」


趙雲

「素人の人間たちが武器持っただけの軍団なんだ!」


由妃

「では、傷付けるわけにはいかないわね。」


趙雲

「とりあえずここから出て逃げるしかない!」


琥珀

「そうね・・・。」


鬼と趙雲と由妃と琥珀は人間を傷つけることができなく許都から出るのだった。


その事は曹操にも直ぐに情報が入ったのである。


曹操

「なっ、なに!!民が鬼たちを襲った・・・・・・・。」


兵士

「はい、鬼達は村から全員姿を消したそうです。」


曹操

「くっ、あの2人もか・・・・・・・・。」


兵士

「はい、琥珀様も由妃様も姿を消したそうです。」


曹操

「夏侯惇!!我は急ぎ許都に帰る。」


夏侯惇

「では。」


曹操

「烏丸には郭嘉でけで十分だろう・・・・・・・・。

あとは我と一緒に来い!!」


曹操達は慌て帰る途中思わぬ者と出会う。


夏侯惇

「あれは張遼じゃないか?」


夏侯淵

「なにしてんだ?」


夏侯惇

「わからん、張遼ここで何をしている?」


張遼

「主を失いましたので何も・・・・・・・・・

やることもなきただ彷徨っているだけです。」


曹操

「ほう〜主を失ったと言っていたな、では我に従え。」

(此奴は使える。)


張遼

「曹操殿こんにちわ。

ですが・・・私は・・・あの方に会いたいのです・・・・・・・・・。」


曹操

「あの方に?誰だその者は?」


張遼

「由妃さんです。」


夏侯惇

「曹操様がお前を家臣にしても良いと言っているのだぞ!!」


夏侯淵

「そうだ、お前何考えてんだ?

今の立場分かってんのかよ?」


曹操

「夏侯惇、夏侯淵良い、その由妃と琥珀を今から捜しに行くのだ我に付いて来い。」


張遼

「本当ですか!?では由妃さんに会えるまでご一緒いたします曹操殿。」


張遼が曹操の支配下になった。



趙雲

「許都から出たのはいいが・・・・・・・・・

これからどうする?」


関羽

「そうね・・・・・・・・。

劉備どうする?」


劉備

「琥珀と由妃は許都に帰った方が良いのではではないか?」


琥珀は暫く沈黙のすえ言う。


琥珀

「私は皆に悪いけど別行動にさせてもらうわ。」


由妃

「私もそうさせて貰うわ。」


趙雲

「では、曹操の所に帰るのか?」


琥珀

「いえ、曹操の元に帰らない・・・・・・・・民が襲ってきた事が気になるのその辺を調べて後で貴方たちと合流するわ」


関羽

「だけど、曹操は必ず追いかけてくるわ」


由妃

「分かっている・・・・・・・・趙雲、貴方たちはこれから何処に向かうの?」


趙雲

「この道だと荊州に行く事になる、もう曹操の支配下には戻れないだろうからな・・・・・・・・。」


琥珀

「当分は私は姿は現せない・・・劉表も私達の事を知っているから。」


世平

「ど、どういう事だ?」


由妃

「この件、裏で劉表が関わっているからよ」


趙雲

「劉表様が・・・・・・・・・?」


琥珀

「でも、劉表様は良い方よ良くはしてもらえるはずよ。」


世平

「でも、なぜお前等は?」


由妃

「私達は幽州の公孫賛の娘・・・」


琥珀

「それに各国の間者からは私は曹操の恋人。」


趙雲

「!!曹操にとって不利になるということだな・・・・・・・・。」


琥珀

「そう、だから一緒に行動はできないの。

それに私達は貴方達の安住地を探したいの。」


由妃

「曹操の所は駄目だったけど、必ず見つかるからそれまで頑張ってね。」


趙雲

「だが由妃、琥珀は!?」


琥珀

「みんな・・・私はもう曹操を愛しているの。ごめんね。」


琥珀が消えるのだった。


関羽

「琥珀!!」


由妃

「琥珀の事は私に任せて!

みんな元気で!!」


趙雲

「由妃!!

安住の地か・・・・・・・・・。」


世平

「あの2人は俺たちの事を考えているんだな・・・。」


張飛

「その為に曹操の元に行けないているんだよな琥珀は・・・・・・・・・。

でも由妃まで行くことないんじゃないか?」


関羽

「姉だから妹が心配なのよ!!」


皆、2人の心配をするが・・・・・・・・・

2人は劉表近辺をさぐっている頃、曹操はとんだ思い違いをしていた。


曹操

「おのれ・・・劉備。琥珀を攫いよって!?」

(だが、なぜ琥珀ほどの力を持つ者が劉備に?いや、心優しい琥珀だ。

鬼の一族のために付いていったのであろうがやはり鬼達を殲滅せねばなるまい。

でなければ何時までも琥珀は鬼共に囚われてしまう。)


夏侯惇

「曹操様、荊州の間者から情報が入りました。」


曹操

「鬼達は荊州に向かったのだな。」


夏侯惇

「はっ、そのようです。」


曹操

「くくくくく、あはははは、劉表め鬼の力に目がくらんだとみえる!夏侯惇、あの2人を取り戻す。

今から軍議を開く賈挧および他の者を集めよ!!」


夏侯惇

「はっ!!それと張遼ですか?」


曹操

「当たり前だ!

彼奴はああ見えて腕が立つ武将だ。

おまけに頭も良いぞ。

張遼及び皆を集めよ!!」


夏侯惇

「ハツ!!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


劉表

「劉琦よ、曹操の所から鬼の一族の方々がいらっしゃる。近くまでお迎えに行きなさい。」


劉琦

「どうして、鬼の一族の方々が?」


劉表

「許都で何やら騒ぎがあり鬼の一族の方々が曹操の所を出たそうだ。」


劉琦

「それで此処に向かっているのですか?」


劉表

「ああ、早くむかえてやりなさい。」


何も知らない劉琦は父である劉表の言付けで鬼の一族と趙雲と上手く合流でき荊州の襄陽城に招き入れるのだが・・・・・・・・・。


趙雲

「本当に助かる。」


劉備

「心より御礼申し上げます。」


劉表

「いいのだ。」


劉備たちはそこで新たな人物と出会う


???

「ほお・・・鬼の一族ですね?なぜこの襄陽に?」


劉表

「諸葛亮先生この者たちは曹操の所から追われ逃れて来たのだ。」


諸葛亮

「噂わ聞いてましたが本当だったとは。

で、今後はどうなさるおつもりで劉表殿?」


劉表

「この者たちを我ら荊州の新野にでも土地を与え住んでもらおうかと思うとるのだが・・・どうかな鬼の方々?」


諸葛亮

「ほお~新野にですか・・・。」


劉表

「先生は何か意があるのかな?」


諸葛亮

「いえ、私ごときが意をとなえるなどと劉表殿にお任せ致します。」


関羽には少し諸葛亮が冷たく見えるのだった。


関羽

「土地をもらえるなんて・・・・・・・。」


劉表

「どうかな喜んでくれただろうか?」


劉備

「劉表殿ありがたき幸せ。心より感謝申し上げます。」

(あの有名な臥龍・・・諸葛亮殿か・・・。)


その時劉備はいずれ自分でも国を持ちたいと考えており諸葛亮を必要とするのだった。


劉琦

「趙雲殿がいるという事は・・・あの由妃さんと琥珀さんいらっしゃるのですか?」


劉琦は今一度由妃を見たいようで鬼達を見回すのだった。


諸葛亮

「由妃さんと琥珀さん?」


劉琦

「諸葛亮先生は知らないでしょうけど幽州の公孫賛殿に娘達が居たのです。」


諸葛亮

「ほぉ〜曹操の恋人と囁かれている美しい美女達ですか?」


劉琦

「そうです。

趙雲殿由妃さんと琥珀さんはやはり居ないようですね。」


趙雲

「すまない、

許都を出た時にはぐれてしまったのだ。

多分もう、曹操に・・・・・・。」


劉琦

「そうですか・・・・・・・・・。」


諸葛亮

「私も一度は拝見してみたいものですね。

呉の周都督の奥方様より美しくと聞きましたが?真相はどうでしょう?」


劉備

「ああ、あれは誰よりも美しく賢い女だな。あの曹操すら直ぐに手に入れられなく、ジタバタしていたのだからな。」


諸葛亮

「賢い女なのですか〜少し興味が出ました。

いずれ会えるでしょう。」


劉表が開いてくれた宴を楽しむ皆だった。


翌日、劉備たちは新野に土地を貰い受け住むことに劉備は関羽、張飛、趙雲を連れ諸葛亮の住んで居るという草廬の家を訪ねるが会えなかっのである。


実は諸葛亮は劉備を試しており居留守を使うのだった。


劉備は都合三度、諸葛亮の草廬に通った。


劉備

「諸葛亮孔明先生」


劉備は諸葛亮に恭しく師弟の礼をとって呼びかけ、直截に向後の方策を問うた。

劉表の居候とは言え漢朝の血を引く歴戦の将軍が一度ならず三度までも辞を低くして茅屋を訪ねてくれた、その一事を持って諸葛亮は劉備に仕える決断をしたのだった。


その頃曹操の屋敷では・・・・・・・・。


賈挧

「ですが今や劉備もあの臥龍諸葛亮孔明を仕えています。夏侯惇が連れて行くという5万の軍勢は少ない、せめて15万は必要と思います!!」


夏侯惇

「何を臆する、たかが500の鬼の軍勢に?

5万で十分だ。」


曹操

「・・・夏侯惇10万で行け。」


夏侯惇

「曹操様!?」


曹操

「あの臥龍がいるのであろう。

荊州の劉表からも兵はもらっているはずだ。

オマケに由妃も居るぞ、彼奴は簡単に1人で5万は殲滅すると聞く。

賈挧が言う15万とお前が言う5万の中を取り10万で迎え。

鬼達を殲滅するのだ!!」


夏侯惇

「ハッ!!」


夏侯惇は荊州に向け出陣するのだった。


その頃由妃と琥珀は劉表近辺を調べあげ話し合っていた。


由妃

「確かに劉表が絡んでいたけど琥珀貴女は曹操の元に帰った方が良いのではない?」


琥珀

「私が今帰ったって戦は止まらないわ・・・・・・・・・」


由妃

「では、私が止めてくる?」


琥珀

「やめてよ姉さん!?

私は曹操に気付いて欲しいの!?」


由妃

「はあぁぁ、本当にワガママなんだから!

最後まで付き合ってあげるわ!

それに曹操に張遼が下った情報も入ったからね、私もそこの所様子を見たい。」


2人はまた移動するのだった。




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