第9話 募る想いと夜襲


2人が姿を消してからも曹操は琥珀への想いを募らせるのだった。


曹操

(なぜ、我の元に来ぬ・・・・・・・・。まだ我が琥珀に相応しい男ではないということか?)


いつの間にか徐州に足を運ぶ曹操


趙雲

「曹操・・・すまないが琥珀は姿を現していない。」


曹操

「そうか、今日は他の用事でも来ている。

黄巾賊の残党がまだ蔓っている、お前らの手も借りたい。」


趙雲

「それなら、いくらでも貸す」


趙雲と関羽、張飛で曹操軍の加勢に出るが・・・・・・・・・・。


人のいい劉備は袁紹の口車にそそのかされ囚われてしまった。


袁紹

「くくくくくく・・・。

これで鬼の力も我のもの〜後は忌々しい曹操を滅ぼすだけだな。」


曹操の間者からの連絡で動揺を隠せない関羽と張飛だが至って曹操は冷静だった。


曹操

「袁紹の元へと下るか?」


趙雲

「・・・・・・・・・・そうなるな。」


関羽

「曹操・・・・・・・・劉備は私たちの大切な家族だからごめんなさい。」


曹操

「ふっ、良いだろう。戦えるものだけ連れていけ。女、子供は足でまといになるぞ。」


趙雲

「だが、次あったら・・・・・・・・。」


曹操

「敵でも構わぬ。鬼の弱いもの達には手は出さん。」


夏侯惇

「ですが!それでは分が合いません。」


曹操

「黙れ夏侯惇よ。我が良いというのだ。聞けぬか!!」


夏侯惇

「・・・・・・・言葉が過ぎました。」


曹操は去って行くのだった。


袁紹は鬼の力を手に入れ曹操に揺さぶりをかけ始めるのだったが曹操も黙っておらず袁家殲滅を初めた。


初めに袁術を侵攻すると袁紹が怒り狂い官渡の戦いに突入、中原の第二勢力袁紹と曹操の因縁の戦いの火蓋が切って落とされたのだった。


その頃、趙雲と鬼達は劉備を人質に取られているせいか良い様に袁紹に使われていた。


袁紹

「ククク、今回の戦、あなた方鬼の力を使わせてもらいますよ。先陣を切り曹操軍をたたくのです。」


趙雲

「・・・・・・・・・承知した。」


言うがままにするしかなかった趙雲


琥珀

「相変わらず卑怯ね袁紹は・・・・・・・・」


由妃

「そう言う男なのよ、自分の手は汚さない主義的な奴よ、鬼の女、子供達が居ないという事は曹操も良い人ね琥珀。」


琥珀

「うん・・・・・・・・・」


2人は趙雲及び鬼達が駐屯している場所に忍び込む。


趙雲

「誰だ!」


琥珀

「静かに!」


関羽

「琥珀、由妃・・・・・・・・・。」


由妃

「久しいな、趙雲、関羽。相変わらず良い様に使われているようね。」


趙雲

「仕方あるまい劉備殿が人質なのだから・・・。」


琥珀

「もう少し利口になりなさい趙雲!この調子だと先々貴方に鬼の一族を任せられないわ!?」


趙雲

「だが・・・・・・・・・。」


由妃

「はぁ・・・なんの為に私達がここに来たかわかる?」


趙雲

「それは・・・・・・・・・。」


琥珀

「可愛い姪、いや今や姉妹みたいな存在になりつつある関羽が苦しむところを見たくないからよ。これで本当に関羽を守れるの?」


関羽

「趙雲は頑張っているわ2人とも」


由妃

「お黙り、関羽!!」


関羽

「っ・・・・・・・・・。」


琥珀

「私は無能な家臣を叱っているのよ。これでは父があの世で泣くわ。」


趙雲

「だが、この状況では手の施しようがないんだ!?」


由妃

「鬼が下るとき貴方まで行かずに曹操と組み劉備殿を救えばよかった話じゃない?」


趙雲

「くっ・・・・・・・・・。」


琥珀

「目先の関羽ばかり守っていては駄目なのよ趙雲!?」


趙雲

「すまない・・・・・・・・・・。」


琥珀

「これから私達が曹操に話してくるから。あなた方は夜明けと共に曹操軍に下りなさい、いいわね!」


趙雲

「だが、劉備殿が・・・・・・・・・。」


由妃

「私達が劉備殿を救ってくるから心配なく。

この官渡の戦い曹操に味方なさい!」


趙雲と関羽は頷く、それを見た2人は一度微笑み消えるのだった。


曹操は官渡城で夏侯惇と軍議最中だった。


曹操

「!?」

(この香の香り・・・・・・・・)


夏侯惇

「どうされましたか曹操様?」


曹操

「夏侯惇そばし休憩を取ろう。席を外してくれるか?」


夏侯惇

「ハッ、失礼します。」


曹操の部屋から出る夏侯惇。


曹操

「久しいな琥珀いるのであろう?」


琥珀

「流石ね曹操殿」


曹操は琥珀を抱き寄せるのだった。


琥珀

「曹操!?」


曹操

「お前が姿を消してから我は淋しいぞ・・・早く我のものとなれ。」


琥珀

「まだ貴方のものにはなれない。」


曹操の腕を解き立つ。


曹操

「ふっ、こう口説いても靡かないか、大方鬼の事で来たのであろう?」


琥珀

「御名答よ、察しが早くて助かるわ。」


曹操

「我に何をさせたいのだ?」


琥珀

「明朝鬼の一族は貴方にくだるわ、だから受け入れて欲しいの?」


曹操

「ふっ、相変わらず良いように我を使うな琥珀。それで我に利はあるのか?」


琥珀

「あるわ、貴方は袁紹に勝利しこの中原の王になるわ。」


曹操

「なるほど〜では、お前もその後は我の元に来るのだな?」


琥珀

「なぜ?私は鬼の一族と暮らすわ?」


曹操

「!?お前、我がこんなにお前を欲していると言うのに・・・・・・・・。」


琥珀

「曹操・・・愛は与えるだけではなく与えられてこそ愛なの!今の貴方は私にその想いだけを押し付けているだけ。」


曹操

「ククククク、ではまだ我がお前に相応しい男ではないと言うか?」


琥珀

「そうね。もっと良い男になったら考えるわ」


曹操

「あははは、相変わらず賢いな、ここまで来たらズル賢いと言うべきだな。」


曹操は再び琥珀を抱き寄せた。


曹操

「なら口付けをさせろ。お前の願い聞き入れてやる。」


曹操は琥珀に深い口付けをするのだった。


琥珀

「これで満足?」


曹操

「フッ、満足ではないがな。この後お前と由妃は劉備を救いに行くのだな」


由妃

「くすっ、そうよ。」


由妃が現れた。


曹操

「本当に鬼の一族には嫉妬してしまうぞ!?

袁紹の屋敷の近くに夏侯淵が居るはずだ。

夏侯淵達もお前等に使わすぞ!この書簡を持って行け。」


琥珀

「有難う曹操殿」


曹操

「琥珀、もう呼び捨てで構わぬ。」


琥珀

「曹操有難う。」


琥珀は曹操の頬に口付けを落とし消えるのだった。


曹操

「愛しい奴め、我が喜ぶ事よく知っておるな。」


曹操は薄笑いをするのだった。


2人は夏侯淵の元に行くのだった。


琥珀

「夏侯淵殿、戦況はいかかですか?」


夏侯淵

「ど、どこから来た!?」


由妃

「クスクス、そのままこの道からですが?」


2人は夏侯淵に曹操の書簡を渡すのだった。


夏侯淵

「なっ!・・・・・・・・。女、どう曹操様をそそのかした!?」


2人はマントを取ると夏侯淵は驚くのだった。


夏侯淵

「公孫賛の娘達・・・・・・・・・。

仕方あるまい。」


琥珀

「袁紹の屋敷を囲んでいるけど中はどうなっていますの?」


夏侯淵

「これが袁紹の屋敷の地図だ。ここに劉備がいる。」


由妃

「そう、で曹操は貴方になんと命令を出したの?」


夏侯淵

「劉備を救いでせと言うだけだ。」


琥珀

「なるほど・・・では夜襲をかけるの?」


夏侯淵

「そうだ」


由妃

「では、私達が屋敷に入り劉備殿を救ってくるから貴方は私達が屋敷に入り込んで少ししたら矢で四方八方から射ってくれるかしら?」


夏侯淵

「承知!!後は俺に任せろ!」


琥珀

「ええ。期待しているわ」


2人が屋敷に忍び込むのを見届けてから夏侯淵は部下たちに支持を出し夜襲を開始するのだった。


夏侯淵

「いくぞー!!矢を射ろ!!!!」


曹操軍

「おー!!」


袁紹軍兵士

「夜襲だー!!」


思ったより袁紹の屋敷は手薄で見張りの兵や警備の兵など皆夏侯淵の夜襲に気を取られ劉備の牢の警備まで居なく2人は劉備を容易く助け出すのだった。


琥珀

「劉備殿早く!」


劉備

「その声は琥珀殿・・・・・・・。」


由妃

「急いで!!」


劉備

「ああ。」


夏侯淵の陣に戻る三人


琥珀

「戦況は?」


曹操軍兵士

「容易くいきました。そろそろ夏侯淵殿が戻る頃かと?」


夏侯淵

「もう戻っていたのか・・・早いな。」


由妃

「ええ、では私達はこの辺りで失礼するわ」


夏侯淵

「一緒に戻らないのか?」


琥珀

「私達はまだやる事があるので劉備殿は夏侯淵殿が曹操の所に連れて行ってね。」


夏侯淵

「ああ・・・・・・・・・。」


由妃

「劉備殿は丁重に扱ってくださいね。

でないと曹操から厳重な処罰が下るわよ。」


夏侯淵

「わっ、わかっているよ・・・・・・。」


琥珀は愛馬の炎龍に由妃は黒龍に乗り去るのだった。


夏侯淵

「なんて女達だ、まるで風のようだな・・・・・・・・・・。

おい、曹操様に急ぎ報告をするのだ。」


曹操軍兵士

「ハッ!!」


袁紹の屋敷を落とした夏侯淵は劉備を連れ官渡城へ向かうのだったが夜明けと共に早馬が曹操の所に着くのだった。


曹操

「おとしたか?」


曹操軍兵士

「ハッ!!ただいま劉備と共に夏侯淵様もここへ向かっております。」


曹操

「そうか、なら良い。皆の者聞け!これより袁紹を打つ、ただし、鬼の一族及び趙雲には手を出すな。」


夏侯惇

「なっ!!どうしてですか曹操様?」


曹操

「袁紹のところから間者がきた。鬼達および趙雲は我に寝返るそうだ。」


夏侯惇

「だから劉備を・・・・・・・・。」


曹操

「そうだ分かったなら出陣せい!!」


夏侯惇

「ハッ!!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


琥珀

「趙雲!」


趙雲

「由妃!琥珀!」


由妃

「劉備を無事救ってきたから後は手はず通りにね。」


趙雲

「ああ・・・2人はこれからどうするのだ?」


琥珀

「この戦いを見届けるだけよ。」


趙雲

「・・・・・・・・・そうか。」


由妃

「袁紹軍12万ねえ~袁紹もよほど曹操を憎んでいるのね。」


趙雲

「12万!?・・・・・・・・。ところで曹操軍はどれだけ出るのだ?勝機はあるのか?」


由妃

「クスクス、曹操は僅か3万よ。」


趙雲

「3万!!勝てるのか・・・・・・・・?」


琥珀

「曹操は頭のいい人よ貴方たちの加勢で勝機はある。じゃ、私達はこれでかんばって!?」


趙雲

「由妃!!琥珀!!」


2人は陣から抜け出すのだった。


由妃

「琥珀、この後だけど少しいい?」


琥珀

「何?」


由妃

「この後袁紹軍の中から幽州兵を少し捜してみない?」


琥珀

「捕まったら元もこうもないわよ!?」


由妃

「大丈夫よ、いい情報が入るかもしれないじゃない?貴女、曹操の事勝たせたいのでしょう?」


琥珀

「それはそうだけど・・・・・・・・・」


由妃

「素直じゃないんだから!」


琥珀

「なっ!!姉さん私で遊んでる!?」


由妃

「あらっ!妹の恋路を応援してあげてんじゃない!そろそろ行くわよ!!」


琥珀

「もう、上手く誤魔化すのだから!」


移動する2人だった


由妃

「矢張り袁紹も頭が良いわね。」


琥珀

「ええ、あんなに補給物資が沢山・・・・・・・・・。

曹操大丈夫かしら?」


由妃

「沢山なのは当たり前でしょ、軍勢12万なのだから」


琥珀

「そうだけど・・・・・・・・・」


由妃

「曹操を信じてあげなさい。」


琥珀

「分かっているわよ」


由妃

「あそこの塊幽州兵じゃない?」


琥珀

「本当だわ!!」


由妃

「行きましょう。」


琥珀

「ええ」


隠れながら移動する2人だった。









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