第2話 異世界の扉


三国志展の入り口で人々がレミリア達を見て少し騒いでいるのだった。


きゃーカッコイイ!!


あの人そっくり!!


なんて綺麗なんだ!!


男女関わらず声が聞こえた。

その光景を見たケンは少し薄笑いを浮かべた様にも見えるリーナ、レミリアはヒロに手を引かれながら歩く。


ヒロ

「どうしたんだろう?」


ケン

「皆さん私達をみて騒いでいますね〜?」


ジン

「わからん?気にすんな、行くぞ!」


会場に入ると凄い人集りで蝋人形やら凄い設定で観客達はその蝋人形の完璧さに魅了されるのだった。


ジン

「此処は幽州か〜なっ!!

この蝋人形・・・お前そっくりだな・・・」


ヒロ

「そうか?

趙雲か〜でも変ながじだよな」


レミリア

「本当ですね。

ヒロさん趙雲そっくりですよ!」


ヒロ

「あははは・・・・・・・・・

でも似ていると言われると親近感わくな〜

じゃ、さっき騒いでいたのもこのせい?」


ケン

「そうですね、それにヒロはイケメンだから騒がれているのですよ。」


リーナ

「クスクス、そうね。

趙雲かっこいいじゃない。

猛将の一人でしょ。」


ケン

「ええ、大らかで誠実な性格だった様ですよ。

でも戦となれば冷静沈着で負けかけている陣を立て直し勝利へと導くせつもささやかれていますね。」


リーナ

「やけに詳しいわね。」


ケン

「読んだだけですよ。」


パネルを指差すケンだった。


ジン

「そうだよな・・・・・・・・・。

それにしてもこの蝋人形スゲ〜出来が良いというか生きているみたいで少し気持ち悪いな。」


キャロライン

「ジン・・・あれ見て!」


キャロラインが指差す先に立つ蝋人形は呉の陣だった。


ジン

「俺に似てる!!」


ヒロ

「それも呉の周瑜じゃんか!」


ケン

「今回の三国志展イケメン揃いですね。」


リーナ

「凄いわね・・・・・・・・・」


ジン

「キャロライン、お前も・・・・・・・・」


キャロライン

「小喬って!なんなの?」


ヒロ

「ドッキリみたいだな・・・・・・・・。」


レミリア

「そうですね。」


ケン

「カメラでも仕掛けてあるのですかね?」


リーナ

「たまたまよ、そんなテレビ局がこんなにお金かけて一般人をドッキリにかけるくらいにそっくりの蝋人形作らないでしょう?」


ヒロ

「そうだよな・・・・・・・・・。

君に似ている蝋人形もあったりして?」


レミリア

「そんなことは・・・!!」


ジン

「曹操の横の・・・・・・・・・」


ヒロ

「曹操の妻!!」


ケン

「琥珀って名前は書いてありますよ。

それにリーナさんもほらっ!?」


リーナ

「なっ!!本当にドッキリ!?

でもこの蝋人形若いわね。」


レミリア

「なんだか不気味ですね・・・」


リーナ

「ええ・・・・・・・・

張遼の妻だなんて・・・・・・・・?」

(由妃と書いてある・・・

なんだかこの展示会変だわ・・・・・・・・・

張遼の恋話なんて聞いたことないし。)


ヒロ

「ケンもいるぜ!

張遼にそっくりじゃん!?」


ケンはリーナの手を握り微笑むのだった。


ケン

「貴女は昔から私のものです。」


リーナ

「!!!!」

(ケン・・・何か知っているの?)


ケン

(勘がいいですねリーナ。

私は貴女をもう離さない。)

「行きましょうか」


動揺するリーナにケンは御構い無しで歩きだす

辺りの観客達もまたレミリア達に気付き始めていた。

レミリアは苦笑いしながら曹操の蝋人形の前で立ち止まると皆そこで話し出す。


ヒロ

「凄いこの中で一番の美形だよな〜」


レミリア

「そうですね、蝋人形作った方が曹操が好きだったのかもですね〜」


ケン

「凛として立派ですね。」


リーナ

「ええ・・・・・・・・・・

でも曹操は横着武人な武将で人妻を好む人だったと聞くわ。」


ケン

「たまたま好きになったのが人妻だったのでは?」


リーナ

「でも側室も十二人居たとかという説もあるわ。

呉の周瑜の妻、小喬欲しさに赤壁の戦いを起こしたのもそのせいでしょう?

私なら嫌だな〜嫉妬なんてしたくないもん。

一途な人がいいわ。」


レミリア

「後漢時代は子供を育てるのが大変だから沢山側室を抱えないと跡取りが出来なかったのではないでしょうか?」


ヒロ

「そうだよな・・・・・・・・・。

親殺し、子殺し、暗殺が当たり前の時代だったんだろだから沢山子孫は残さないといけなかったのだろう?」


ケン

「リーナ、私は貴女一途ですよ。」


リーナ

「もう、ケンたらみんなの前で恥ずかしくないの。」


ケン

「良いじゃないですか。」


ジン

「そうだな・・・って!!

じゃ俺らに似ているのはどうなん?」


キャロライン

「たまたまじゃないの?」


レミリア

「クスクス、そうですね。

たまたま似ていたで良いんじゃないですか。」


レミリアが言うとまた声が聞こえて来た。


似ているのではない・・・・・・・・・

お前らそのものだ・・・・・・・・・

愛しい人よ・・・・・・・・・

我もお前だけだぞ・・・・・・・・・


声の後に頬を撫でられるレミリアは驚く


ビクッ!!


ヒロ

「どうしたんだい?」


レミリア

「いえ、な、なんでも・・・・・・・・・」

(頬を何かに撫でられたわ!!)


リーナ

「ケン、ごめん手を離して?室内暖房がきいてて暑いの。」


ケン

「如何してですか?」


リーナ

「だから、手の平に汗かいて拭きたいのよ・・・?」


ケン

「私はそのままでも構いませんよ?」


リーナ

「気持ち悪いじゃない・・・・・・・・・」


ケン

「逃げないなら離しますが?」


リーナ

「逃る?皆んなと居るのにどうして逃げるのよ?」


ケン

「・・・・・・・・・いえ。

手を拭くなら車内に戻ってからで」


リーナ

「・・・・・・・・・貴方、なんだか変よ?」

(ケン、三国志展来てから様が少し変だわ!?

でも、私の思い過ごしかな?)


ケン

「いつもと変わりませんよ。」


出口辺りで人集りが出来ていてレミリア達は注目の的だった。


リーナ

「何かしら?」


ケン

「さあ?」


恥ずかしそうに女性が声を掛けてきた。


女性

「あの、あの蝋人形のモデルさん達ですよね。

握手して下さい。」


ヒロ

「えっ?」


ジン

「ああ、いいよ」


ヒロ

「ジン!?」


ジン

「良いじゃないか?

早く握手をして出よう。」


ヒロ

「ああ・・・・・・・・・。」


老若男女問わずに握手求めてきてまるで芸能人の握手会のようだった。


レミリア

「あんなに沢山の人、驚きです。」


ケン

「まるで芸能人みたいでしたね皆さん。」


ジン

「何言ってんだよ。

一番モテていたのはお前だろ。」


ケン

「そんなことないですよ。

それだけ三国志ファンが多いということですよ。」


美術館から出てドライブするが皆だが


レミリア

「これから何処に行くんですか?」


ヒロ

「ジンが前から行きたがっている場所に行くんだとかなんとか?だから運転も変わったんだ。」


ケン

「何処行くんでしょうか?」


リーナ

「そうね、夜景の綺麗な場所だといいけど?」


ケン

「そうですね。」


優しくリーナに微笑むケンだがリーナとレミリアは少し嫌な予感がした

暫く話していたがいつの間にか目的地に着いたようだった。


ジンがニコニコしながら懐中電灯をダッシュボードがら取り、もう片手にはホームビデオを持ち外に出る。


レミリアは外を見渡すと真っ暗な中に大きな建物が目に入った瞬間気分が悪くなる。


辺りは木々に覆われ灯すら無い建物、強大な渦が巻いているのに気付くリーナ。


ヒロ

「なんだ!?ここは・・・・・・・・・」


キャロライン

「廃墟になった有名な幽霊ホテルよ〜一年前に殺人事件が有ったとかで評判が下がり倒産した。」


ヒロ

「お前等の趣味には付き合いきれん!

俺達は車で待っている。」


ケン

「面白そうじゃないですか?」


リーナ

「!!!!私も車で待つわ、こう言うの駄目なのよ・・・・・・・・・。」

(幽霊ホテルなんて!!

ジンは何考えてんのよ!!

それにもうこんなに霊達が集まっている・・・・・・・・・。)


ジン

「お前等も行こうぜ!?

どうせ見えないんだしさ〜大丈夫だよ。

それにここは神隠しや異世界の扉があるとかなんとかで面白いじゃんか?」


ケン

「面白そうですね。

異次元の扉ですか〜リーナも行きましょう?」


キャロライン

「そうよ、幽霊ホテルと言っても見たと言う人居ないんだから!」


レミリア

「・・・・・・・・・。

行かない方がいいですよ。

恐いし・・・・・・・・・・」

(此方はもう見えてんですけど・・・・・・・・・)


キャロライン

「そのスリルがたまらないんじゃない

!!」


レミリアの手を引いて無理矢理車からおろすキャロライン。


ヒロ

「俺もそう言うの苦手なんだよ!

嫌になるな・・・・・・・・・」

(レミリアが行くなら仕方ないか・・・。)


ケン

「私が守って差し上げますので大丈夫ですよ。」


リーナ

「守る?何からよ、もう今日のケンは変よ!?」

(ケンも霊がみえるのかしら?)


言いつつも引き寄せられるがまま幽霊ホテルに足を踏み入れてしまったレミリア達。


レミリアとリーナには既に幽霊が見えていたが幸いレミリアとリーナの守護霊が強いらしく幽霊達が近寄れないのだった。


辺りからは妙な音が聞こえるがリーナとレミリアにしか聞こえないのか皆は平然と歩き出すのだった。


キャロライン

「凄い荒れようね・・・・・・・・・・

廃墟になってそんなに経ってないのに?」


ヒロ

「立物は使わなきゃ老朽化が早く進むんだよ。

レミリア俺の手を掴んで。」


レミリア

「有難う」


ヒロ

「ごめん、まさかこんな場所来るなんて思わなくてさ」


レミリア

「良いんですヒロがいるから。」


廃墟ホテルを探索しているとケンがリーナを引っ張る様に歩く。


リーナ

「ケン!!

そんなに手を引っ張らないでなんだか変よ?

皆んなと歩調を合わせて!逸れたら大変よ!

それに転んでしまうわ。」


ケン

「大丈夫です、ジンを追い掛けているんですよ。」

(早くあの部屋に行かなくては・・・。)


急に空気が冷たくなり皆感じるのだっだ。


ヒロ

「そろそろ帰ろう。

なんだか空気が冷たいんだここら辺・・・・・・・・・」


ジン

「怖がりだな〜ヒロは!

じゃあそこの部屋まで見たら帰ろう。」


キャロライン

「そうね!」


リーナには一瞬ケンがニット笑った様に見えた。


リーナ

「!!!!待って!!私行かない!!」


ケン

「どうしたんですか?」


リーナ

「ケン!!貴方・・・・・・・・・

何か知っているわね!!」


ケン

「おやっ?怖いですか?」


リーナ

「当たり前じゃない!!

怖いわ、それ以上に貴方も私は怖い!!」


リーナはケンの手を振りほどくのだった。


ケン

「あっ!?」

(流石ですね、勘がよすぎて焦ってしまいます。)


その様子を見ている何者かが薄笑いを浮かべながら今か今かと待ち受けるのだっだ。


フフフフフ・・・・・・・・・

早く来い!!

あの部屋に入ればお前は我の物だ!!

ククククク・・・・・・・・・・。


ジンが奥の部屋の扉を開こうとした時勝手に扉が開くのだった。


ギイィィィ・・・・・・・・・


ジン

「ハッ!!勝手に開きやがった。」


ヒロ

「ヤバイじゃないか?帰ろう!!」


キャロライン

「そ、そうね・・・

こんなの初めてヤバイかも!?」


出口に歩き出そうとした時だった


レミリア

「ヒロ!!足が動かない!!」


ヒロ

「なっ!」


リーナ

「レミリア私の手を!!」


ケン

「駄目です!!」


リーナ

「ケン!!なぜ駄目なの!?」

(やはりケンは何かを知っている!!)


レミリア

(おかしい・・・・・・・・・・。

足が動かないなんて?)


ジン

「マジかよ!?」


男性2人に引かれてもビクともしないレミリア

まるで床に足が貼り付いているようだった。


レミリア

「うっ!腕が抜けそう・・・・・・・・・」


ヒロ

「ジン、やめてくれ。レミリアが痛がっている。」


ジン

「だけど、どうする?このままではヤバイぞ!?」


レミリア

「このままではみんなも危なくなります。

私を置いて行ってください。」


ヒロ

「なっ!何を言うんだ!!俺も残る!」


すると反対側から強い風が吹いたと思えばレミリアは宙に浮き部屋に引きずり込まれるのだった。


レミリア

「きゃっ!!」

(信じられない!!体が浮くなんて!!)


ヒロ

「レミリア!!」


ヒロ達は自分の目を疑う。


ジン

「なっ!なんだよあれは!!」


ヒロ

「レミリアを離せ!!」


レミリアを抱き寄せる黒い影、ヒロ達も部屋に入ろうとした時見えない壁に阻まれるのだった。


ドン!!


ヒロ

「なつ!!入れないレミリア大丈夫か!!」


レミリア

「ヒロ・・・たす・・けて・・・。」

(変だわ・・・

なんだか身体が温かくて・・・

意識が保てない・・・・・・・・・。)


何処からともなく聞こえてくる声


ククククク・・・

お前らが悪いんだぞ!!

レミリアをここに連れてきたのだからな。

この者は我が頂いていく!!


渦巻く黒い影がレミリアを飲み込んでいくのだった。


ヒロ

「や、やめろ!!!!」


リーナ

「ケン!!レミリアを助けて!!」


ケンが少し悲しげに微笑みリーナの手を引きヒロとジンが弾かれたはずの部屋に入るのだった。


リーナ

「!!!!

レミリア!?」


リーナがレミリアに手を伸ばそうとした時にケンがその手を阻む。


ケン

「いけません!リーナも私と行くのです。」


リーナ

「えっ?」


ケンの姿が黒い影にかわるとレミリアと同じく黒い影に包まれリーナも消えたのだった。


ジン

「な、なんて事だ・・・・・・・・・・」


キャロライン

「嘘!!レミリア、リーナが消えたわ!?

それにケンまで黒い影に?どうなってんの!!如何するのよ!!」


騒いでいると部屋があったはずの場所には部屋もなく壁だけになっていた。


ヒロ

「!!部屋がなくなっている・・・・・・・・・」


ジン

「異次元の扉でもあったと言うのか・・・・・・・・・?

嘘だろ!!」


ヒロ

「信じられない・・・・・・・・・」


警察に連絡をして捜索をしてもらうがレミリア、リーナ、ケンの姿は見つからないのだった。











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