ひらひら・・・・・・・・・
青い月
第1話 闇と声
大きな空間・・・・・・・・・・・。
真っ暗な闇が広がる中に更に渦巻く闇
その中に目覚めをまだかと待ち受ける魂があった
我は何時まで此処にいれば良いのだ・・・・・・・・・・
何処からともなく光の滴が闇の渦巻く中に落ちるのだった。
ピカン!!
ククククク・・・・・・・・・
そろそろ目覚める時が近いのだな・・・
あと少し眠るとする・・・・・・・・・
そう・・・・・・・・・
その暗闇の者を目覚めさせる一つの生命が誕生したのだった。
女
「レミリア、強く賢い子になるのよ。」
我が子の誕生に喜ぶ母が此処にいたのだった。
幼きこの子レミリアは闇の中の者に成長過程から全て見守られながら美しい女性に育つのだった。
レミリアの家は有名な武闘家一家でレミリアも武に(体術、剣術)関しては優れており跡取りの兄を抜く程の実力者だった。
そうだ・・・・・・・・・・
強くなるんだ・・・・・・・・・
我の所に来る頃には美しく強い女となれ。
また眠りに入る黒い闇・・・・・・・・・。
レミリアが短大を卒業し就職をして一年が過ぎ様とした頃だった。
慌ただしくすぎる日々・・・・・・・・・
私の家は有名な武闘家一家で父が道場も営んでいる。
小さい時から私は父の血を多く受け継いだのか武に関して達人並みで色々特殊免許も取得しているので独立して道場も開けるが私は社会人一年目で今の仕事場が好きだった。
でも最近声が聞こえるような・・・?
霊感も母から受け継いだのか強く霊能者並みに払ったりも出来る。
《そこんところは人には言えないけどね》
見えるとか言うと変な目で見る人もいるし、怖がる人もいる。
ただ特殊な能力に目覚めただけで特別な扱いや
避けられたりする。
それはそれで別に構わない、人それぞれだもの
私は誰かに見られているような気がするが仕事に励むのだった。
レミリアに新たな出会いがあった。
リーナ
「今日から一緒に此処で働く事になりましたリーナと申します、よろしくお願いします。」
レミリア達とは違い年齢がかなり上の女性が入社して来たのだった。
レミリア
「リーナさん今日の夜リーナさんの歓迎会を予定しているのですがお時間大丈夫ですか?」
リーナ
「歓迎会なんてやらなくてもいいわよ、こんなおばさん相手にするのも大変でしょう?」
レミリア
「おばさんなんて、とんでもない!!
リーナさん綺麗でまだまだ若いじゃないですか?」
このリーナ、とても綺麗な女性で業務の男性社員が一目惚れをし採用したのだった。
リーナ
「プッ!!お世辞はいいわよ。
もう私44歳なのよ。」
ケン
「リーナさ〜ん年齢は関係ないですよ。
今日の夜は近くの居酒屋で歓迎会です。
逃げないで下さいよ。」
このケンがリーナを採用した本人だった。
リーナ
「わ、分かったわよ、そんなに押さないで転んじゃうじゃない。」
ケン
「早くしないと部長が呼んでいます。」
リーナは業務部の社員となった。
夜になり居酒屋で楽しくみんなで食事をしてお酒を呑んでいると・・・・・・・・・
レミリア
「リーナさんは結婚していますか?」
リーナ
「一度したけど今は独身よ。」
レミリア
「ごめんなさい・・・・・・・・・・」
リーナ
「気にすることないわよ!
イチバツのおばちゃんてとこよ。」
レミリア
「そうですか・・・・・・・・・。」
リーナ
「レミリアさんてあの有名な武闘家の御嬢さん?」
レミリア
「えっ!?そんな有名じゃないですよ。」
リーナ
「クスクス、私の顔見て思い出さない?」
レミリア
「えっ?」
リーナ
「今年の夏の剣道個人戦の決勝でお手合わせしたと思うけど?」
レミリア
「ええ!!
あれリーナさんだったんですか!!
本音私負けそうでした!!」
リーナ
「そうだったの?とても余裕って感じだったわよ貴女いい腕していたわ!
今後も頑張ってね。」
レミリア
「でも、年明けに試合がありますよ?」
リーナ
「私はあれが引退試合だったのよ。
流石にこの歳でキツイわ〜」
リーナは心広く穏やかな女性だった。
リーナとはプライベートの付き合いもあり充実した生活をおくるレミリアだったがまた一つ暗闇の中で囁く声が聞こえる。
やっと見つけた・・・・・・・・・
私の愛する人よ・・・・・・・・・
リーナを見詰める黒い渦。
このリーナもレミリアと似ていて武術、霊感が強くレミリアと意気投合するのだった。
12月に入りやっと仕事納め、仕事も終わり帰り支度をする私に先輩が声を掛けて来た。
ヒロ
「レミリアちゃん、この後の予定は?」
このヒロ性格も良く女子社員から人気でやりてのイケメン男子。
最近やたらと絡んで来るのだった。
レミリア
「予定と言われても〜リーナさんと夕食食べて家に帰るだけですが?」
ジン
「じゃ俺等に付き合ってよ?」
ヒロとは幼馴染で同僚、クールガイだが女性には優しい。
レミリア
「えっ?ジン先輩はキャロライン先輩とのデートじゃないんですか?それに私はリーナさんと予定があってお邪魔しても・・・・・・・・・?」
ヒロ
「今頃リーナさんは業務のケンに追いかけ回されているよ!それに俺も居るからなんだ」
ヒロは苦笑いしながらなんとかレミリアを必死に誘っているのだった。
リーナ
「レミリア!?ヤバイわ!」
レミリアの後ろに隠れるリーナ
レミリア
「リーナさん慌ててどうしたの?」
リーナ
「ケンが昨日からやたらと誘ってくるのよ!」
ジン
「リーナさんいいんじゃないのか?
食事ぐらい行ってやれよ。」
リーナ
「何言っているの!
ケンて私より20歳も年下なのよ!!
私、そこまでロリコンじゃない!!
私に子がいたら息子ぐらいの歳の子なのよ!!」
いつの間にかケンが立っていた。
ケン
「私は構いませんよ。
歳なんて関係ないと思っていますので。」
後退りするリーナ、ケンも何か格闘技をしているのか間合を詰めてくるのだった。
リーナ
「今日はレミリアと予定があるの!!」
ヒロ
「じゃ、ケンとリーナさんも一緒でどうかな?
レミリアちゃん?」
レミリア
「リーナさんがいいなら構わないけど・・・・・・・・・・」
ジン
「ケン!そんなに押すと逃げちゃうぞ。
リーナさん困っているじゃないか?
とにかく此処の6人で食事に行こう。
リーナさんもそれでいいね?」
リーナ
「ええ・・・・・・・・・・」
ケン
「やった〜!!」
ヒロ
「下で車回して待っているからキャロラインさんと2人は降りてきてくれよ。
ケン、ジン行くぞ!」
ジン
「そんなに慌てなくてもいいじゃんか?
ありがとな。」
ケン
「リーナさん有難うございます。」
ジンはレミリアとリーナの肩を軽くポンと触りケンとヒロと会社を出て行くのだった。
キャロライン
「クスクス、お2人さん大変だったわね。
リーナさんケンはああ見えて貴女をとても大切に思っているわよ。」
この会社で一番の美女で少しきつめに見えるが心優しいキャロラインが入ってきた。
レミリア
「そうですよ、歳なんて関係ないと思いますよ。」
リーナ
「そう言うけどあんなイケメン何考えているか分からないし怖いわ!?」
キャロライン
「ケンは震災で全ての家族、親戚を失っている孤独な男よ絶対騙したりしないわよ。」
リーナ
「!?
そうなんだ・・・・・・・・・。」
(私と同じなんだ・・・・・・・・・・)
レミリア
「でもケンさん本当に優しく気がきく方ですよね。」
キャロライン
「貴女達を見ていると初々しくて羨ましいわ。」
レミリア
「キャロライン先輩こそジン先輩と上手くいっているんでしょう?」
キャロライン
「相変わらずというところよ。
あまり待たせるといけないから行きましょ2人とも。」
レミリア
「はい。」
リーナ
「ええ・・・」
会社を出ると外はイルミネーション一色で何処もかしこもカップルや家族連れの人集りだった。
私達の会社はアパレル関係の会社でクリスマス当日に仕事納めで少し変わった会社だった。
会社の社長さんが良い人で・・・・・・・・・
「やはり記念日やこう言う祭り事は休むべし!!」
だとかなんとかで始めたそうだった。
私いわく単なる社長さんが遊びたいだけなのかもと・・・・・・・・・。
誘われるがまま先輩達の車に乗り移動するレミリア達
ジン
「ヒロ、これから何処行くんだ?」
ヒロ
「例のレストラン予約出来たからさ、夕食にしないか?」
ケン
「例のレストラン?」
ジン
「お前!凄いな〜中々予約取れない有名なレストランの一つだろ?」
ヒロ
「まぁ、着いてからにしない?」
暫く走っているとキャロラインが話し出した。
キャロライン
「ここ有名なレストランで予約無しでは入れないんだって!」
レミリア
「分かります。
予約も今や五年待ちとか?」
リーナ
「そんなに美味しいの?」
レミリア
「行ったことないので美味しいのか美味しくないのか知りませんが・・・・・・・・・?」
ジン
「予約がきれないのだから美味いんだろう?」
キャロライン
「そうね〜、有名なシェフやらで味は5つ星とか言っていたわよ。」
ケン
「詳しいんですね。」
キャロライン
「クスクス、このガイドブックに載ってたのよ。」
リーナ
「流石ね、キャロラインさん!!」
車内で盛り上がりながらヒロはそのレストランの駐車場に入って行くのだった。
ジン
「おい、ここは予約無しでは入れんぞ?
お前の予約したレストランじゃないだろ?」
ヒロ
「良いから行こうよ!」
ジン・ケン・レミリア・キャロライン・リーナ
「???」
ヒロの後ろを付いて行くとレストランに入るなりウェイターがヒロに言う。
ウェイター
「お待ちしていました。
シェフから話しは聞いていますよ。」
ヒロ
「ああ、頼むよ。」
ジン
「なんだ?お前シェフと友人なのか?」
ヒロ
「そんなところだよ。」
このレストランで一番良い場所に案内され腰掛けると長身でイケメンの男性が声を掛けて来た。
シェフ
「久しいなヒロ。」
ヒロ
「ああ、兄貴も元気で何よりだよ。」
ジン
「兄弟なのか?」
シェフ
「ああ、弟が可愛い彼女を連れて来るからと、どうしても予約入れたいと言ってきたからな!」
ヒロ
「兄貴!その話は無しで。」
ヒロは顔を赤くしながらレミリアに目線を向けるのだった。
だがレミリアとリーナとヒロの兄が目線を合わせた時にお互い驚くのだった。
シェフ
「レミリアさんとリーナさんじゃないか?」
レミリア
「ご無沙汰しています。
もう道場は行かれていないみたいですね?」
リーナ
「大会以来ですね。」
ヒロ
「兄貴、知り合い?」
シェフ
「ああ、俺が通っていた道場の娘さんとリーナさんは他所の道場の人でこの2人凄い強いんだ。
俺も武では彼女達には敵わない。
まさかレミリアさんとリーナさん連れてくるとはな〜
レミリアさんは道場は継がないのかい?」
レミリア
「あははは・・・兄が居ますので。
あくまでも私は予備軍ですよ。」
シェフ
「リーナさんは引退試合お疲れ様だったね。
まぁ、今日は美味しいもの出すから楽しんで行ってくれよ。」
苦笑いする3人にヒロとケンは少し戸惑うのだった。
ヒロ
「兄貴とはもう付き合い長いの?」
レミリア
「えっ?
まあ〜色々大会やらでお世話になりましたが色恋ごとはありませんよ。」
ヒロ
「そうなの・・・・・・・・・。
あ、その・・・・・・・・・。」
レミリア
「私の姉とお付き合いしていましたのでその辺は聞かないでください。
私は分からないです。」
ヒロ
「お姉さんと?」
レミリア
「学生時代からのお付き合いみたいですよ。
近い内に親戚になると思いますが?」
ヒロ
「なっ!?
そんな話し兄貴から聞いていない!」
何やら焦っているヒロを御構い無しに料理は出てくるのだった。
ヒロ
(兄貴・・・・・・・・・。
そんな話し俺に全くだからな・・・親戚になっても大丈夫だよな?)
ケン
「私もその大会出ていたんですよ。」
リーナ
「知ってる。男子個人戦で1位だったわよね。」
ケン
「まぐれです。でもリーナさんもあの大会では一番に輝いてましたよ。」
リーナ
「クスクス、なんだかずっと見ていた様な言い方ね。」
ケン
「はい、私は貴女のファンで今も貴女に夢中です。」
リーナ
「ケンは口が上手いのね。」
ケンはリーナに微笑むが・・・・・・・
ジン
「美味しい!!」
キャロライン
「今日は素敵なクリスマスね〜ジン。」
周り御構い無しに自分達の世界に入るこの2人。
レミリア・・・・・・・・
レミリア
「!?」
ヒロ
「どうしたの?」
レミリア
「いえ、なんでもないです。」
(誰かに呼ばれたような?)
食事をしながらヒロとも楽しく話していると又声がするのだった。
レミリア何処に居る・・・・・・・・・
レミリア
「!?
ヒロさん今声聞こえなかったですか?」
ヒロ
「いや、何も?」
レミリア
「そっ、そうですか・・・・・・・・・」
(声だけ?おまけに私の名を呼んでいた?)
レミリアはかなりの霊感の持ち主だが声だけなのは初めてだった。
リーナ
「レミリア落ち着いて、声だけだから大丈夫よ」
レミリア
「リーナさんも聞こえたのですか?」
リーナ
「ええ、先程からね。」
動揺するレミリアをニコッと笑い落ち着かすリーナ。
ヒロが少し席を外して戻って来るといきなり花束を差し出され驚くレミリア。
レミリア
「!!」
ヒロは周りを気にせずに告白してきた。
ヒロ
「君が好きなんだ!
出来ればお付き合いして欲しいんだ!!」
レミリア
「私で良いんですか?
か弱く可愛い女性なら他にも沢山居ますよ?」
ヒロ
「俺は君が良いんだ。」
レミリア
「後悔しますよ?」
ヒロ
「君とならどんな困難も超えられる。」
レミリア
「クスクス、まるでプロポーズみたいですよ。」
ヒロ
「!?い、いずれはプロポーズもする。」
レミリア
「では、楽しみにしていますね。」
レミリアはヒロから花束を受け取り笑うと周りからも祝福する様に拍手が聞こえ照れくさそうにヒロは席に腰掛けるのだった。
お前は・・・・・・・・・
我のものだ・・・・・・・・・
レミリア
(何処から聞こえて来るのかしら?
確かに私にだけ声が聞こえているわ。)
ケン
「リーナさん私もいいですか?」
リーナ
「えっ?」
ケン
「これを受け取って下さい。」
驚きな事にケンは片膝をつき指輪を差し出していた。
リーナ
「ええぇぇぇぇ!貴方、気は確か!?
まだお付き合いもしてないのに!!」
ケン
「はい、気は確かですよ。
私は貴女だけのものです。」
リーナは唖然とするがケンは至って冷静だった。
ケン
「受け取ってくれますよね?」
リーナ
「受け取る、受け取らない以前に本当に私で大丈夫なの?」
ケン
「はい。」
ケンはリーナの指に指輪をはめるのだった。
するとレストランで流れている曲が結婚式ソングに変わり従業員がクラッカーを鳴らすのだった。
おめでとうございます〜!!
ケンはリーナをお姫様抱っこをし皆にいうのだった。
リーナ
「きゃっ!!」
ケン
「私はこの人と結婚します!!」
リーナ
「ケン!!
恥ずかしわ、下ろして!」
ケン
「駄目です。
もう貴女は私のものです。
離しません。」
リーナ御構い無しのケンだった。
ヒロ
「ケンお熱いのもそこまでにしてくれ。
食事が冷めるぞ!?」
ケン
「そうでしたね。」
顔を真っ赤にしながらもリーナも席に腰掛けた
レストランで楽しく過ごし出るが暫くドライブしていると美術館が見えて来た。
ジン
「ここの美術館クリスマスと言うのに三国志展なんだってよ。」
レミリア
「なんでも大ブレイクしたみたいで今年いっぱい?来年の春までは三国志展みたいですよ。」
ケン
「皆さん三国志は興味ありますか?」
リーナ
「あると言えばあるけど大ブレイクする程展示会も凄いのかしら?」
ヒロ
「行ってみる?まだ入場出来るみたいだよ?」
キャロライン
「見てみたい、行こうよ。
どうせ暇なんだしさ。」
美術館に行くのだった。
車を出てからケンがリーナの横に立ち腰に手を回しエスコートするのだった。
リーナ
「ケン!!恥ずかしいじゃない。」
ケン
「もう私たちは夫婦になるのです良いんじゃないですか?」
リーナ
「でも・・・・・・・・・」
ケン
「私は貴女を愛してます。
信じて下さい。」
穏やかに微笑まれ愛の言葉を言われると困るリーナだった。
リーナ
「ええ、信じてみるわ・・・・・・・・・」
(どうしたら良いのかしら、愛していると言われても・・・・・・・・・)
その一方戸惑いもあるリーナ。
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