第14話 無限蛇箱ー固有世界

目を開くとそこは病室の様な場所だった

大きな城が有り、店には人が多く居て賑わっている

俺はこの場所を知っている、と言うか何回も行った事のある第二の故郷みたいな所だ

「ここは『ソジェルニー』か?つまりかなり飛ばされたって事か」

全身がまだ痛む、つまり強制的な転移で飛ばされたのか

上半身を起こすと自分の体が長い事に気がつく

それは冗談としてシーツを剥がすとさっきの少女が眠っていた

コイツの力によって俺等は飛ばされた、それだけの力を保持していたのか

それに周りを見ても俺以外の人物がどこにもいない

俺が動くとベットに揺れが伝わり、振動で起こしてしまう

「おはよう、それでさっきの説明をして欲しいのだけど」

俺の言葉に少し怯えているようでシーツで顔を隠した

こいつの性だが意識的じゃないって事は分かるな

「とりあえず名前が無いと色々と支障があるな、俺の名前は凱斗だ」

「かい・・と?」

「か・い・と」

「かい・・・凱斗」

「よく出来ました、そして問題は君の名前か」

記憶喪失みたいだから名前くらい思い出してくれるとありがたい

だけど思い出せられなくて泣きそうになっている

「じゃあ君は銀ね」

「ぎん?」

「あぁ、銀色の髪の毛の女の子だから」

意味はそれだけじゃないが気に入ったのか表情が良くなった

いつまでのそんなボロボロな物を着せている訳にもいかず、白いブレザー型の制服の様な服を買ってあげる

お腹が空いたから近くのカフェで食事を取る

「それにしてもどうやって戻ろうか」

「ここは、さっきの所とは違う」

「君が飛ばしたんだけどね」

連絡しようとしても衝撃で壊れたのかまったく起動しない

無闇に動いても逆に探している奴もいるかもしれないから時間をおいた方がいいだろう

『あぁ~もう、いたいた!!』

懐かしい声を聞いて振り返ってみると視界が白く覆われた

そして柔らかく、いい匂いが充満する

離れさせるとその正体が分かった

胸を強調したような黒色の服を着た少女、そして七泉と共に俺の昔からの幼馴染だ

「久しぶり、凱斗」

目の前に現れた少女を見た瞬間に黒炎を展開した手を差し出す

多分俺の顔は信じられない物を見るような目をしているだろう

「お前誰だ!!何でそいつの格好をしている!」

「何で?私だよ!?忘れちゃったの?」

「シエロだろ?でもあいつは死んでいる筈だ!」

でもこうしてシエロはここにいる

つまりそれは生きていたって事になる、なら少し試してみるか

「シエロ、お前が死に掛けたのって何年前だっけ?」

「えっ、それは・・・」

俺の記憶では確かこいつは5年前に亡くなっている

それも協会にいた時に地震が起きてその下敷きになってな

「5年前、地震で協会が崩れてそのまま・・・」

思い出したくないのか表情が暗くなる

俺の記憶と一緒か、ならもう答えは決まっている

銀の目を隠し、アイアンクローをするとそのまま黒炎を燃やし尽くす

いくら暴れてもその手は離す事はなかった

「はいざんね~ん、あいつはまだ生きているよ。それにあいつが死ぬ訳がない」

どうやらここは心像風景が具現化された世界みたいだな

術式で作られているからよく燃えることだ

だが『何もない』彼女はあそこまで美人になっているのなら少し心は動くかもな

「どうして分かったの?」

「俺とシエロは冗談しか言い合わないからな」

「好きな人?」

「なんでそうなる?」

「男の人は好きな子を、からかうから」

「まぁ本当の所は、あいつは俺の事を『凱斗』とは呼ばないからな」

子供には凱という字は難しかった

だから覚えるために何回も書いて呼ばれた為にシエロは俺の事を『カイ』と呼ぶ

燃やし尽くすとそれに連動してか、周りの風景もパズルの様に崩れて見慣れた所に出てくる

周りを見渡すと笛木兄妹は戻ってきていた

「あっ、戻ってきた」

「凱斗さんですから大丈夫だと思いましたけど、少し心配しました」

「よかった、俺一人だとどうしようかと思った」

「あの世界は術式で構成されていたからね、抜け出すのは簡単だよ」

「残っているのは麻里奈ちゃんだけですね」

そんな時に銀は裂け目をじっと見ていた

俺等以外には空間が裂けている様な切れ目が一つだけある、残っている人物は一人

「ん?どうした銀」

「その子、銀ちゃんって言うんですか?」

「俺が名前なかったから銀髪って事で付けた」

「凱斗くんは直球だね」

「あれ!あの中に青いお姉ちゃんの魔力を感じます」

「青という事は麻里奈ちゃんか、子供の時から『術眼』を使えるとは驚きだね」

「一人一人で皆違います、でも凱斗は二種類の物が混ざっています」

「まぁ二人分の魔力を持っているからな」

そっと近くにあった窓を鏡替わりにして自分の姿を見る

「でも私は色んな魔力を均等に持っているみたいなんです」

「多くの魔力、そして均等的な魔力か」

一つだけ思い当たる節がある、不可能のそれがもし可能となれば全ての事に説明が付く

無限蛇箱、莫大なエネルギー、均等的魔力、そしてこの固有世界

いや、正確には現代最難題術式の一つ『心造的な空想術式』だ。未完成だけどな

こんな少女が何でそんな物を完成させて使うことが出来たのか全部出来る

まぁ今は完全に切り離されて、もう一回使ってと言っても使えないだろう

「銀は銀だからな、まぁマルチに使える魔力を持っていると言うのはかなり凄い事だぞ」

「そうなの?」

「はい、将来きっと強い使用者になれますよ」

それが出来るだけの才能を持っている、完成出来たのだから頭も良い筈だ

「それよりも裂け目はかなり不安定になっているよ」

「なら、早く助けに行かないと」

「全員で行きますか?」

「じゃあ俺一人で行くよ」

銀を二人に任せて裂け目の中に飛び込む

捻じ曲げられる様な感覚の後、鈍痛が少し走り視界が真っ暗から白く光に包まれる

目を開けるとそこはお花畑の中心だった

一面お花畑で少し先には黒い教会の様な物が立っていた

教会の話の後で本物の教会を見ることになるとは、運命ってあるのかもな

歩いているとオープンカーで教会に向かって行く人がいるから多分麻里奈はあの教会にいるのだろう

教会の一室、そこで純白のドレスを着ながら私は座っている

手には花束を持ってそわそわとしていた

周りには誰もいなく、しかしその静かさが逆に心地いい

そんな時にお兄ちゃんが大きな音を立ててドアを開ける

「遅い!!」

「ごめん、仕事がなかなか片付かなくって」

「もうすぐ式の時間だというのに家族よりも仕事を優先して」

「緊張している?」

「少しね、でもそれよりも嬉しい感情がいい」

「それで彼は?」

「別室だよ、次会う時は会場内」

じゃあ僕は彼の様子を見てくるよと言って出て行ってまた静けさが包み込んだ

結婚、お嫁さんになるって子供の時の夢だったけど今なってみると違うものを感じる

好きな人と永遠を誓い合う、それは術式を使うように神秘的だ

・・・ん?術、式?

なんだっけ?術式って、どこかで聞いたことのある言葉だ

一瞬頭痛がしたがその瞬間に思っていた事が無くなった

今はそんな事を考えている場合じゃない

そろそろ時間となり、係りの人が会場に案内してくれる

ドアの前、このドアを開ければ彼が目の前にいる

「今日から家族が一人増えるのか」

「兄さん、彼の事結構気に入っているからね」

彼との出会いは―――――あれ?いつだっけ?

いや、どこで出会って、いつ付き合って、いつ告白されたんだっけ?

・・・そうだ!学校だよ、私はもう―――いや、私はまだ15歳だ

それに学校は行っていない、でも何で行っていないんだろう?

なんだろう・・・一番大切なものが抜け落ちている、そんな気がする

だが、扉が空いてゆっくりと新郎の元へ歩き出す

一歩一歩歩いていく内に明ける前に抱いていた疑問は無くなっていった

神父の前で向かい合わせにある

そしてシナリオ通り、誓いの言葉をお互いに言い合い最後に指輪の交換となった

彼が差し出した指輪を指に掛けた瞬間に勢い良く会場のドアが開いた

『お前の頭、この世界の様にお花畑だな』

黒いまるで服のサイズを間違えたかの様な"知らない男"の人が―――

・・・いや、彼の事はよく知っている

止めに入る警備員を簡単に倒しながら近付いて彼の所までやって来る

庇う様に彼が私の壁になる様に前に現れる

「誰だ、それ以上近づくな」

『こいつがお前の好きな奴か、目は何でか見えないがどっかで見たこと在る奴だな』

「凱斗・・・」

「思い出したか、もう気が付いていると思うがここは現実じゃないぞ」

そしてだんだんと自分の事を思い出す、好きな人はこんな人じゃない

だがその前に嘲笑しながら凱斗が彼の顔が変形する位殴っている、まるで―――

「咲夜くんが乗り移った?」

「あんなに狂ってねぇよ!?」

咲夜とはガイストメンバーに入らなかった人で凱斗の弟子のような人

自称野蛮で凶暴でサイコパスな快楽主義者と言っている本名は七術家の一つ、円従前(えんじゅうぜん)咲夜

今は世界中を回っているってシオンくんから聞いている

自分のMMDを装着すると後ろから彼を凍らせ、凱斗が黒炎で触れた瞬間に木っ端微塵に砕け散る

そして彼が消滅した瞬間に教会が地震の様に揺れて崩れ出す

「おいおい、人生で二度目の教会崩落は嫌だぞ俺!!」

そっと抱き寄せるとお姫様だっこをして教会から駆け抜ける

出口から出た瞬間に爆発の様に衝撃が走り、まるで元からそこになかった様に花しか残らなかった

花畑に寝っ転がり、何でかお互いに笑い出した

「それにしてもお前の想像って・・・」

さっきまでの自分を思い出す

自分の好きな人に似せてあった彼と結婚しようとしていた

すごく恥ずかしい

「もう・・・いっそ殺せ!!」

「えぇ!!いや、死ななくてもいいよ」

「じゃあもう変なことを言わない」

「わ、分かりました」

すごい剣幕で言われて思わず頷いてしまう

正直あいつが誰だかまでは分からなかったからそこまで言われると逆に気になる

だがそれは可哀想というものだ

「そろそろここも崩壊するからしっかり掴まっていろよ」

「えっ?キャッ」

またお姫様だっこをするとバタバタとして落ち着きがなくなる

「暴れるなよ、落としちまう」

「いや、だってこの格好おかしいじゃん」

「今は姫様なんだから良い子にじっとしてなさい」

俺の言葉を素直に聞いて大人しくなる

入って来た所にあった裂け目から元の世界に戻ってくる

「「「かっ、かわいい~~」」」

生徒会室に戻ると俺の腰元に隠れている奴に向けて須賀谷先輩以外の女子生徒会メンバーが寄ってくる

完全に勢いがあったから完全にビビって服を離そうとしない

心造空間で作られた服は出た瞬間になくなるかと思ったらそのまま維持し続けている

勿論お花畑から出てきた人もあの格好のままだ、着ていた服はご丁寧にハンガーが付いたまま畳まれて出てきた

「凱斗くん、名前なんて言うんですか?」

「ほら名前だって、口があるんだから自分で言って」

少し顔を出すがまたすぐに俺を壁にして顔を隠した

「困りものですね、すみませんね何か」

「完全に私達を警戒しているな」

「あっ、私今お菓子持っていますよ」

「いや、動物じゃないんですから」

杏明先輩が手のひらにチョコを出すと俺の所から離れた

全部食べていいですよと言われて先輩の所に寄っていった

「それで、名前はなんていうんですか?」

「銀、凱斗が名付けてくれた」

「あぁ、私もお菓子持っていた。銀ちゃん、食べるといい」

「くっ、私はダイエット中だからそんなものは持っていない」

「いや仲良くなるにはお菓子が必要という訳じゃないですからね」

銀は先輩達二人に任せて、報告しに向かった麻里奈以外の笛木兄妹を混ぜて本題に入る

「―――つまり、無限蛇箱の正体があの子ってこと?」

「そういう事になりますね、そして現行術式じゃあ彼女に傷一つ与える事が出来ない」

術式破壊ができる俺が試して見たが全く術式を壊す事が出来なかったのがいい例だ

だがそれは逆に銀の攻撃は俺等には防ぎきれないと言うものだ、勿論神久夜も含まれる

「『真理術式』揺るがないものって言う意味でそう名付けました」

「真理か、さらにビックになりそうな予感だね」

「でも、何で術式があの様な人の形になったのでしょう?」

「さっき言った通り、半永久術式は均等的魔力を作り出せる」

「それはさっき聞きました、けどそれだけじゃあ説明は付きませんよね」

「じゃあ逆にこう考えてみてよ、均等的魔力はどんな使用者のどんな術式にも使える。つまり火や水、風や雷や、それに身体的な術式にも使える」

「簡単に言えば『体温』『血流』『呼吸』『体内電気』『身体構造』などが揃えば人間と言ってもいい物になるだろ?」

「それを全て使って今銀ちゃんは存在しているという事?」

「そういう事ですね、魔力が切れることはないし普通に食事も睡眠も取るからもう人間と言っても過言じゃないです」

「でもそれ以上に面白い物がこれなんだよね」

机の上に出されたのは一枚のカルテ

最近の機械ではその人が何の術式に向いているかも検査で分かってしまう、そして出されたのがこのカルテだ

全員が覗き込むと信じられないものが書かれていた

「測定不能、つまり何も分からなかったという事ですね」

「いや、これは4人全員の術式が作用しているみたいですね」

「どういう事?凱斗くん?」

「多分爆発した時に俺と麻里奈とイズルと満奈の術式特性を得たんでしょうね」

「凱斗くんの使う『黒炎』も麻里奈ちゃんの使う『神久夜』それに僕の『九頭龍大蛇』も現行では登録されていない術式を使っているからね。可能性としては十分あり得る話だよ」

それに凱斗くんと麻里奈ちゃんは半永久術式の使い手、同じ術式を使っている影響でこんな事になったのだろう

その衝撃に近くにいる僕達までもが巻き込まれたという訳だね

でもまさか、術眼までもが劣化なく自分の物にしてしまうのは驚きを隠せない

「では次の質問だけど未完成だけど『心造的な空想術式』を使えたのはどうして?」

「それは簡単ですよ、彼女自身が術式のエネルギーその物だからですよ」

「あなたの言葉じゃなくて説明でお願い」

「現行最難題術式が出来ない理由は単体では成立しない事が強く影響しています」

『物質移動の座標転送術式』には空間干渉と反重力

『空間的干渉術式』 心造空想と座標転送

『心造的な空想術式』空間干渉と半永久

『永久的反重力によるゼログラビティ』半永久と心造空想

こうして考えてみれば半永久術式がいかに簡単でそして最も重要かが分かるだろう

だがこうして考えると使えた事に疑問が生まれるのも不思議なことじゃない

心造空間を使うには空間干渉が必要になり、それは心造空間が使えないと成り立たないという矛盾が発生する

少なくとも術式全てを使えないとこれは成り立たない

「空間を作り出すのは大量の魔力とやる気さえあれば誰でも出来るから八割は完成しているんですよね」

「彼女自身が魔力無限のエネルギー体だからその条件は十分適合しているわね」

「だから、僕と凱斗くんはこれから心造空間を研究しつつ、反重力術式の完成を目指す。後は銀ちゃんのお陰でミスイム・シンドロームの治療法が確定したからそれを実用段階まで持っていく」

「それが出来れば現行最難題術式もかなり役立ちますね」

「頑張ってね凱斗くん、イズルさん」

「はい、任せてくださいよ」

イズルさんはIKUSAへと準備を任せて俺はここで銀の回収を待つ

「そういえば銀ちゃんって誰の家で生活するんですか?」

「少なくとも3つの家のどれがだろうな」

「なら、私達が育てますよ。銀ちゃん可愛いですし、術眼の使い方は私がよく知っていますから」

「確かにな、半永久術式は自分の事だから何も説明しなくてもいいしな。でもいいのか?」

「大丈夫ですよ、ただでさえ家族が減ったのですからお父様の分の家族の補充だと思って」

「言葉にかなり毒があるぞ」

やっと先輩達に解放されて銀が寄ってくる

「銀、今日から満奈と一緒に暮らすんだぞ」

「凱斗は一緒じゃないんですか?」

「あぁ、満奈とは一緒に暮らしていないからな」

俺が説明する度にだんだんと目が涙目になっていく

「でもなぁ~、俺結構家にいない事が多いしガイストの仕事の時は夜中でも出なくちゃいけなくなるからな」

「治療法も確定されたから七泉ちゃんの所にいるっていうのも出来なくなるって言っていたしね」

「何とかするよ、それでいいか?満奈」

「良いですよ、本人が決めたことなら何も言えないんでしょ」

「じゃあ俺と一緒に暮らそうか」

「うん!」

満遍の笑みで擦り寄ってきた

俺にも新しい家族か、少し遠ざけて考えていたけどいいものなのかもな

銀が眠ってしまったので家に寝かせて、クロワガイストの本部に報告に行く

報告が終わると休んでいる麻里奈の所に向かう

ドアを開けると既にソファーで眠っている

起こす気はなかったのだが俺が来た途端に目が空いた

「おはようさん、と言ってももう夜だな」

「銀ちゃんはどうしたの?家?」

「俺が預かることにした、だがまぁ全員の使用術式を取得しているんだから4人で教育しないといけないんだけどな」

「そうなの、じゃあ私達は親みたいなものね」

「語弊がありそうだがそういう事だな」

俺がそう言うと少し嬉しそうにする、よく分からない物だ

「そういえば、着替えたんだな。あの空間から出ても服装は変わらなかったのに」

「なっ!!それは忘れるって言う約束だったじゃん」

「ごめんごめん、でも結構似合っていたじゃねぇか」

意外な事だったのか少し顔を赤くしてパニックになった、こう言う所があるから戦闘向きじゃないんだよな

すぐにパニックになる所はこの先直していかないと不利になることだってある

「凱斗も、そう思う?」

「そうだな」

「今じゃなくてちゃんとした時に」

「ここじゃあかなり人目もあるし、ドレスの後ろが長いから汚くなりそうだし」

「もう一回見たいと思う?」

「まぁ麻里奈が結婚した時にもう一回だけ見るチャンスはあるよな」

この男、分かっているのか分かっていないのか全く理解できない

だけどそこが凱斗なんだけどね・・・

思わずため息が出る、そしてそれを不思議そうに見る

「大丈夫だよ、料理さえ出来れば相手も見つかるさ。気を落とすな」

「はいはい、慰めありがとうね」

「じゃあ暫くは銀とイズルと共によろしく」

「よろしく・・・って何で?」

「聞いてなかったか?現行最難題術式の一つを完成させる為にIKUSAで研究するんだよ、それで帰るのが面倒だから少しの間お世話になるって兄から聞かされてないのか?」

「全くです」

「早速今日からだから銀の世話よろしくな」

ケースの中から白衣をを取り出すとそのまま研究所に閉じこもった

銀ちゃんの存在はまだ謎が多くあるがそんな事は家族になったのだからもうどうだっていい

今年は少し騒がしい状態で夏休みへと入っていく

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