第8話
「・・・・・。」
寝覚めは最悪だった。粘膜がボロボロと崩れんばかりの喉の渇きと、胃からこみ上げるアルコールの不快な匂い。冷たい水を流し込み一息つかねば始まらない。
そんな目覚め。
ゆっくりと身を起こした所でこめかみに鈍い痛み。それを皮切りに頭の中でデスメタルのシャウトがこだまし、カルノは頭を抱えてうずくまった。
『俺は昨日何してた?』
アルコールを多量に摂取しことは間違いない。この例えようもない、脳の奥から響く痛みが証拠だ。
とここで、更なる疑問が浮上する。ベッドがあるのにソファーで横になっていた。それはつまり、ベットが使えなかった状況であったという事だ。
「・・・・・」
しきりに痛む頭の奥で、記憶の糸を紐解いていく。
そんな時、キッチンの近くにあったシャワー室から、水の流れる音が聞こえてきた。
「・・・ああ」
ここでようやく思い出す。
不愉快な思いしか出来なかった二人での買い物。偽警官とエレメンターの騒動。そして、深夜に繰り返された炎の惨劇。
脳裏を過ぎ去る闘争の色にカルノは微かに苦笑した。と言っても、頭の中の大合唱によって苦笑から苦痛に切り替わる。
「さすがに飲みすぎたか」
あの人ほど酒に強くはない。そう悔やみながらも立ち上がる。途端に頭の奥の痛みが増したような気がした。
胃の辺りに違和感があるし、いざ歩き出してみれば、アルコールが抜けているはずなのに千鳥足である。一歩歩くたびに胃の奥から何かがこみ上げかけるし頭蓋を貫く痛みが走る。
だが、それでもキッチンの流しに辿り着く事が出来た。並べてあった金属製のコップを乱暴な手付きで取って水道水を注ぐ。そして、それを一息で飲み干し、同じ動作を繰り返す。
喉を鳴らしながら奥の渇きを癒していく。しかし、それでもアルコール特有の渇きは残っている。
「・・・・・」
相変わらずシャワーの音は止まらない。女の長風呂という奴だろう、と漠然と思う。唯一知ってる女性が一度入ったら何時間も出てこないからだ。
と考えていた所でシャワー音が止み、二重ドアになっている内の奥が開く。長風呂は知り合いだけの趣味のようだ。そんなことを考えている間に曇りガラスに小柄な影が映り、その小さな影の肌の色が曖昧に映った所でカルノは視線を逸らした。
どうでもいい。それが抱いた感想だ。女性に興味がないといったら嘘になるが、そんなことよりも先にする事があるから、次第とその優先順位は下がっていく。
だから、近くに備え付けられた冷蔵庫を開きベーコンと青野菜にきのこを取り出す。
身体の調子が悪くても、食事は必要最低限取らねばならない。そして、自分以外の誰かがいるなら、その人物の分も用意するというのが常識であろう。
常識という物がすとんと抜け落ちたカルノでもわかる最低限の常識だ。もっとも、招かざる客という感が抜けきれないが。
「・・・・・」
フライパンをコンロに置いて着火。街の中央部ならともかく、完全に整地されていない区画では料理をするのも湯を沸かすのもガスが中心だ。
ガスの青白い炎にさらされるフライパンが充分熱せられると、カルノは「サバイバルナイフ」でベーコンを等間隔で刻んでフライパンに放り込む。途端に香ばしい音と香りが上がる。
次に、ベーコンが程よく焦げるまでに、きのこと青野菜を刻み、頃合を見計らってフライパンに移す。重要なのはここからだ。
青野菜というのは充分に火を通さないと独特の匂いが残りとても食べられたものではない。とはいえ、火を通しすぎると野菜特有の歯ざわりが無くなり味気の無い野菜炒めが出来上がる。だから、火の通り具合を的確に見切り、手元の塩と胡椒を適量振る。塩胡椒が最後なのは野菜は塩を振ると水分が出て仕上がりがべしゃべしゃとし、香ばしさがなくなるからである。
そして、出来上がった料理は一枚の大皿に盛られてテーブルを飾る。その動きに独身男性特有のぎこちなさは無く、むしろ手馴れているように見えた。
『そういえば、さんざん練習したからな』
一人で小さく苦笑し、インスタントのコンソメスープに湯を注ぐ。
『エレメントに慣れるには、まず近しい物から接していって属性の本質を掴まなければならない』
左手を腰に当てた細長いシルエットはそう言った。その人物は炎のエレメントを扱わせたら右に出るものはいない・・・とまで言われる人物であったので、そういうものなのか。カルノは漠然とそう思った。
『つまり、火のエレメントを扱うには火を知らなければならない。それはつまり料理!』
明らかに胡散臭い。しかし、その時のカルノは疑わなかった。結果、
『不味い作り直し。昼休憩は短いんだから、さっさと動く』
『火力が弱い。中華は火力が命だ!』
もう無茶苦茶だった。
言っていた事が間違っていると気付いたのは、航空訓練時、一万メートル上空で機体トラブルが発生し荷物を落とせという声を聴いた時だった。
窓に映るのは青いというよりも白い空。
あらゆる機材を落とした機体は、それでも緩やかに降下していた。落とす物はこれ以上無いにも関わらず。
『・・・そういえばお前は、私専任のコックもとい火の訓練しかつんでなかったな。それじゃあ今日は風と大地の特訓だ』
ちなみにこの軍用機に乗っているのはカルノを含めて十人だが、上司の視線は自分にだけ注がれていた。そして、上司は緊急用のパラシュートを押し付けると満面の笑みで言い放った。
『空からの降下で風の流れを知り、100キロの道程で大地に何が根ざすのかを知ってきな』
もはや、苛めと言いがかり以外のなにものでもない。カルノは反論に口を開こうとしたが、問答無用のやくざ蹴りが彼を開かれた戸口の外へと放り出した。
浮遊感は一瞬。続くのは重力に引かれて落下する声にならない叫び。
『達者でなぁぁーーー!』
そう言った上司の姿はあっという間に点へ変わった。その分自分が落下しているのだから悪態をつく暇も無かった。なんとか展開したパラシュートが気流に振り回され叩きつけられるようにして荒野に降り立った時、周りに広がるのは地平線。太陽の位置は真上。
東西南北の方向すらわからない半砂漠の荒野。無論、コンパスは持っていたが、大昔の地殻変動のため、ここ一体の地下には溶岩の冷え固まった地層が堆積している。つまり、コンパスの針は常に回転しており当てにならない。
『・・・・・。』
しばらく呆然と立ち歩き始めるが水も食料もなし。わずかに傾いた太陽から方向を、おぼろげながら理解する。ただし、あっているとは限らない。
つまり、絶望的ということである。そして、何より救助はありえない。
それから不安だけを胸に抱き歩き続け、自分の選択が間違っていなかった事を理解する。
歩き始めて五十キロ付近で最初に遭遇したのは自分と似たような服装をした行き倒れだった。
頬を叩いて目覚めさせた所、機の降下が止まらなくなったらしく、次のスケープゴートとして選ばれたらしい。哀れといえば哀れだが、カルノはもっと辛い仕打ちを受けている。とりあえず、後で救助にくると言っておいて更に10キロ歩く。
『・・・・・』
また一人倒れていた。聞けばエンジンが火を吹きもう一人下りなければならなかったらしい。結果、彼も蹴落とされたそうだ。
そこから更に、更に10キロ。またまた誰かが倒れていた。そうして最後の最後まで歩いた所、飛行機のパイロットを含めた総計九人があの上司に蹴り落とされていた。ちなみに、あの飛行機に乗っていたのは全部で十人だ。
『おっ、帰ってこれたのはお前だけか』
訓練所に辿り着いた時『彼女』はクーラーの利いたオフィスで缶ビールを片手にそう言った。もし、銃器を持っていたら安全装置を解除していたであろう。
『まあいいじゃないか。とりあえずお前だけ合格』
「・・・今になっても納得が行かないな」
料理から始まったエレメントの訓練の回想に一人カルノは苦笑する。
「あーー、いいお湯だった」
その時、バスルームのドアが開いた。そして、出てきたのは首にタオルを巻いたベージュのハーフパンツに黒のタンクトップ姿のシーラである。どちらもカルノが情報屋を介して購入した物だ。一応防弾繊維である。
とここでキッチンに立つカルノに気付き、笑みを浮かべおはようと右手を上げる。
「よく寝れたみたいだな」
湯上りのためか微かに上気した頬も眼下も健康そのもの。あんな事があっただけに落ち込んでいるかと思ったのだが杞憂であったらしい。
「あれ? これカルノが作ったんだ」
食卓を飾る料理に驚いたような視線を注ぐシーラにカルノは頷く。
「作ったばかりだ。冷めないうちに食べてくれ」
言うなり自分はコンソメスープを口に含む。
その様子を窺いながら、シーラはフォークを使って湯気の上がる野菜炒めを口に運ぶ。
「・・・・・」
口の中で一噛み二噛み。出来るだけ音を立てないように咀嚼する。そして、口を開いた時飛び出した言葉は、
「っ、おいしい!」
「そうか」
驚いたような少女の言葉に、短いながらも返事する。そして、その唇はわずかながら弧を描いていた。
「お世辞抜きで美味しいよ。一体いつ練習したの?」
その質問に、カルノの表情が不機嫌なものに変わる。
「話したくない」
言うなりトーストを乱暴に食い千切り、苛立たしげな様子で飲み込む。どうやら複雑な事情が絡み合っているらしいと勝手に思い話しを逸らす。
「でも、こんなに料理が上手なのに、どうして毎日あたしの店に来てたの?」
内心「君に会いに行くためさ」なんて言う答えを期待する自分がいたが、カルノが何の気なしに言った言葉は、
「面倒だから」
やる気の無いたった一言だけの呟き。
『カルノの面倒臭がり屋さん・・・って、あたしの存在ってなによ!』
「へ、へぇぇ。それ以外に理由はないの?」
頬の辺りが微妙に引きつっているのだが、カルノは気付いた様子も無く一言。
「ないな」
フォークを持つ手に力がこもる。もう一言でこれが料理以外に向けられるかもしれない事を、心の底で自覚した。だから、今度こそ別の話題を振る。
「ま、まあ、一人暮らしだから仕方ないよね。だけど、男の人の一人暮らしにしては片付いてるよね」
「料理はあまりしないが、洗濯と掃除は得意だしな」
顔や服装からは想像できない家庭的な一面を持っているらしい。ちなみにシーラは掃除も洗濯も苦手だ。
「昔、いい婿さんになれると言われたものさ」
どこか遠くを見詰めるような目線で呟くようにして言う。
「誰に?」
「パン、まだ焼くか?」
「ちょっと、誰が言ったのよ?」
明らかに話しを逸らそうとするカルノに、シーラが半眼で迫る。
「・・・・・」
「ねぇってば!」
二人の視線がしばしの間交わり火花を散らす。しかし、最初に目を逸らしたのはカルノの方だった。そして、苦みばしった表情で一言。
「上司だ」
その一言に首をかしげると、思い出すだけでも苦痛といわんばかりに口元が歪む。
「軍事部門の訓練生時代の上司がそう言ったんだ」
訓練と称した雑用などで、散々こき使った後に言い放ったのだ。あの時の記憶は、今でも鮮明に思い浮かべる事が出来る。青筋と共に。
「ふーん」
カルノの答えに満足したのか、気の抜けた返事を返して食事を再開する。
それから、しばらくフォークと食器だけが音を立てる時間が続き、先に食事を終えたシーラが歯を磨くといって席を立つ。その隙に煙草と灰皿を取り出し火を灯す。やはり、未成年の前で堂々吸うのは気が引けるからである。
苦い紫煙を味わいながらコーヒーを入れようとたった時、コンコンと扉を叩く音が小さく響いた。
「・・・・・っ」
煙草を揉み消し右手を懐のホルスターに。
「もう追っ手がかかったか?」
口の中だけで呟きながら、ドアの横に寄って背を預ける。
「誰だ?」
「飲み屋のオヤジだよ」
帰ってきたのは聞き覚えのあるしゃがれ声。
しかし、それでも緊張は緩めず抜いた拳銃の安全装置を解除し左手に持ち変える。こうする事でドアをあけた時、半身のままの射撃を可能にし被弾率も下がる。
「わかった。今開ける」
残った右手で滑らすようにノブを回す。そして、微かに開いた隙間から映るのは例の酒場のマスターであった。周りに姿と気配が無いことを確認してから、手早く扉を開いて老人を引き込み、閉じる。
「相変わらず用心深いね。まあ、こんな所に住んでりゃ当然か」
「そんなことは聞いていない。それよりも情報の方は?」
初老のマスターは言われた通りに数枚の用紙をカルノに差し出す。
「これで全部か?」
用紙いっぱいに記された文字列を流し読みしながら問い掛けると彼は頷く。しかし、老眼鏡に覆われた瞳はカルノの向こう。シーラのいるバスルームに向けられていた。そして、ベット脇に脱ぎ散らかされた服を見て得心が言ったように頷く。
「彼女かい?」
その一言に、曇りガラスの向こうの影が硬直するのをカルノは背中越しに感じる。ここで否定するのは簡単だが、この好奇心の強い老人に自分の知らないところで色々調べられるのは都合が悪い。従って肯定。
「ああ、恋人以上同棲未満って奴だ」
『っ!』
分かりやすいシルエットの反応に老人は笑みを浮かべる。
「兄さんも興味ありませんって顔しながら、やるこたやってるんじゃないか。出会いはどこで・・・」
「悪いけどこれからデートなんだ。その話しは今度飲みに行った時ってことで」
「……ああ、わかったよ。それじゃ毎度あり」
まだ何か聞きたそうな顔をしていたが、結局ドアを開けて出て行くことを選んだらしい。
しかし、これでいよいよもって時間が限られてきた。ページをめくって嘆息する。あの老人なら、カルノが毎日のように「サバート」
つまりシーラの店に通っていた事を知るだろう。そして、普段から来客も女っ気もない自分の自宅にすすで汚れた女物の衣服(・・・・・・・・・・・)があれば、辿り着く結論は一つしかない。
ちなみに先程から視線を走らせる用紙の一部に、こう記してあった。
『バートン社社員ウィリアム・ハーキンスの殺害容疑でシーラ・ディファインスを指名手配。容疑者を生きたまま捕縛しバートン社に連れて来た者には報奨金として・・・』
記されている金額は庶民であろうと裕福な者であろうと一生目にかかる事がないようなゼロの羅列。有益な情報提供者も同様だ。酒場の老人が店をたたんで豪遊するのもそう遠くないかもしれない。
「それなりどころか支社長クラスの命令でもなければこんな金額はありえない。・・・好都合だ」
幽鬼じみた暗い笑みが表情を彩る。
しかし同時に、たった二人・・・実質一人の戦力では多には勝てない。逆立ちしても目的を達する事は出来ないだろう。だから、一方的なゲームをひっくり返すワイルドカードが必要だ。
「カ~ルノ♪」
妙に陽気な少女の声。振り返れば満面の笑みを浮かべたシーラが、後ろに手を組み見上げている。
「なんだ?」
「べっつに~。それより誰だったの?」
一瞬、考えるように視線が泳ぐ。どう誤魔化せばいいのか迷ったのだ。そして、結局上手い言い訳が思いつかず、そのまま口にする。
「バーのマスターだ。頼み事があってね。それより、やけに嬉しそうだな」
「乙女心は複雑なの」
バーのマスターの素性は素直に信じたらしい。元々単純に出来ている上に嘘は言っていない。本当の事と全てを語ったわけでもないが。
「そういうものか。まあいい、準備しろ」
「準備?」
カルノは頷き、自分も準備を開始する。主に武器類のようである。壁にかけられた突撃銃に、強化ガラスに守られたケースの中から回転式の大口径拳銃と十八口径のハンドガンを二丁。それに大量の弾薬を、やはりケースから取り出した黒の軍用リュックに放り込む。
「ちょっ・・何しに行くつもりなのよ」
「身の安全のためだ。お前は流しの下にあるレーションをこれに詰めろ」
「レーション?」
カルノが放った黒のショルダーバックを受取り首を傾げる。
「軍隊御用達しの食料だ。最低限の量で最大限の栄養が詰め込まれてる。保存場所も期間も問わない優れ物」
カルノの言った通り、流しの下の引き出しを引けば、迷彩カラーの缶詰のような物が大量に入っていた。
缶まで迷彩カラーにする意味があるのだろうか? 思わず突っ込みそうになりながらショルダーバックに詰めていく。
「もっとも、食わないで済むのが理想だけどな」
「なんで?」
詰め終わったバックはずしりと重たい。肩に紐が食い込む感触に眉をしかめる。
「栄養があって保存が楽でも、味の部分が桁違いに不味い。遭難時想定演習の時、一週間そいつを食わなければならない時があって・・・」
そういえば、あの時上司はビールを煽りながらビーフジャーキーを食べていたなぁ・・と、何気なく思い出す。
「ねぇ、続きは?」
「ああ、演習終了後、三分の一があんな物を食わせられるぐらいならやめてやるって言って部隊を去ったな。訓練時の食事と言ったらいつもそれだったから」
「・・・そんなの持ってくの?」
明らかに嫌そうなシーラ。あんなゴムのような歯ごたえのツナヌードルもどきなんぞカルノだって口にしたくはない。とはいえ、他に保存が利きそうな食料など用意してないのも事実。
「嫌なら飢えろ。買出しにいってるような暇もないしな」
防弾耐熱コートはやめた代わりに黒の特殊ジャケットに袖を通す。これも軍隊の払い下げで各箇所に銃器を下げるハードポイントや、特殊ワイヤー・小型ナイフ等が仕込んである。
「よし。こっちも準備は終わった。移動するぞ」
「って、だから、どこに行くのよ」
「ついてくればわかる」
言いながら例の用紙に視線を落とす。そこにはとある人物の情報が記されていた。
「・・・・・」
「どうしたの?」
自分の手元を覗き込もうとするシーラを肩で遮り握り潰す。
「たいしたことじゃない」
あり得る筈の無い真実。心に生まれた動揺を顔には出さず心の中で反芻する。
「たいしたことじゃない」
繰り返す。そう思いたいがために。
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