第115話 王都到着
獣人大陸の王都に着いた。
なんか知らないスキルが勝手に増えてたけど、多分クロのせい。分身体はスキル増やした感じなかったし。
で、僕達は獣王と面会していた。獣王はライオンだった。顔が。迫力が凄まじい。
「お前がテツジョウか」
「はい、獣王様」
「そういう堅苦しいのはいらん。ここは強さだけが全てだからな。一番強いのはお前だろう?」
「まあ一応は。それよりなんで僕達は呼び出されたので?」
「そりゃあお前、そっちの国の王の娘がいんだから会わなきゃいかんだろ。こっちから無事着いたと連絡もしなきゃならん。まあ、それは体面上の話で俺は強いやつと戦いたいだけだけどな!」
うわぁ、戦闘狂ですよこの人。
「てわけで、他合わせしようぜ」
「いや、遠慮します」
何故にそんな事をしなければいけないのか。僕はダンジョン攻略とゲイル探しに来たというのに。
「では私がマスターに代わりお相手致しましょう」
いや、なんで?
所変わって闘技場。獣人大陸の王都は闘技場があった。ダンジョン3つに闘技場って国土広いよね。
獣王とクロが中央で向かい合っている。
「代わりなんだ、其れ相応の強さなんだろうな?」
「マスターと同程度には。今回は武器もマスターの物を使用させていただきますので、どうか死なないようにお願いします」
戦闘開始のゴングが鳴った。それと同時にクロがクイックドロウと呼ばれる早撃ちで先手を取る。
だが獣王はそれにしっかりと反応し、銃弾を握り潰した。
あの、銃弾の速度に反応とか、何言ってるの?
「面白い武器だ。高速で鉄の玉を撃ち出してるのか」
「マスター特製の電磁加速された物なのですが……」
「なに、同じ速度で横から掴むだけの簡単なものだぞ?」
いや、簡単じゃないから。
そこから実に30分間戦闘が続いた。クロは途中まで通常弾だけの使用だったが、特殊弾を使用し始めると獣王も対処に困るようになり、結果的に勝利を収めた。
「なかなか面白い武器じゃないか!」
「マスターの装備ですから」
「折角そちらが勝ったのだ、何かしら渡さないとな」
そう言って獣王から渡されたのは一つの紙だった。
「それをギルドに渡してみろ。きっと探し主に会えるぞ?」
「へ?」
「ゲイルという者を探していると聞いたぞ?」
「まあ、そうですけど……」
「奴なら今ダンジョンにいる。3つのうちのどれかまではわからないがな。だが、その紙さえ渡せばギルドが居場所を教えてくれるだろう」
ダンジョンかぁ。ランク大丈夫かな?
「わかりました。ありがとうございます」
こうして獣王との面会も終わり、各々が自由に行動する中、僕達はギルドに来た。
「クロ様、マスター様、ゲイル様は1番ダンジョンにございます」
……獣王、紙いらなかったよ。クロのおかげでもうここまで執事が派遣されてたよ……。
「ありがとう。ダンジョンに入るためのランクは?」
「どうやら獣人大陸ではダンジョン探索にランクは不要なようです。冒険者業は自己責任。自らの実力すら測れない愚か者はいない方がいいという価値観のようですな。一応ですが、1番は銀、2番は金、3番は黒のランクが適正と言われているそうです」
なるほど。獣王からして戦闘狂だったわけだし、力こそパワーみたいな感じなのね、獣人大陸。にしても最後に残ってるだけあって難易度は高そうだね。最低でも銀って。
情報も得たし早速ダンジョンへ、そう思った矢先だった。
「……レミナ?」
「っ……」
「レミナよね?私の愛しのレミナよね?」
レミナの事を知っている、いや、産みの親である女性に会ってしまったのは。
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