第45話 忍者撃破
5人同時に相手するのは無理だ。数を減らしたいが、どうするか……。暗闇は現在6つ出しており、もう限界だ。どれか一つでも解除すれば魔法が途切れ、避けている忍者まで戦力として相手側に加わるのでそれは出来ない。
他に分ける方法は……ないな。自分が持っているスキルを思い出してみても特にいい方法が思いつかない。こういう時考えるのはあっち担当なんだが……。まだ寝てるみたいだな。
さて、どうするか。こう考えてる間にも色々魔法が飛んできてるんだよな。しょうがない。さっさとやるか。
先程と同じように透明球で1人、俺で2人を相手取り、黒球を数用意し、狙いを緩めに飛ばしていく。今度は忍者にトドメを刺すのは狙わない。魔法を放ってきていた忍者も俺がトドメを狙わないからか魔法を使ってこない。魔力温存か、何か狙っているのか。まあ、使ってこないならこっちはこっちでやるだけなんだけどな。
暗闇から出る魔法に気を配りながら着々と準備を進める。少しずつ、少しずつだが透明球で足止めしている忍者が透明球を捕捉してきている。
よし。
もう一度距離をとる。最後に血を纏わせた短剣1つを投げ、地面に設置する。これで完成だ。
「これで、お前達は終わりだな」
短剣の血を柄の部分から移動させていく。柄に巻き付けた糸へと。糸から先程の戦闘の中ずっと準備していた黒球へ。黒球にはずっと極細の糸を付けて飛ばしていた。その糸はもう忍者の周りに張り巡らせてある。今はその糸を切られないように血を流したのだ。
糸は5人の忍者をそれぞれ分断するように配置した。少しでも動けば相手が切れるなんて感じにしてみたかったが、さすがに厳しかった。見つからないように極細の糸にした結果、簡単に切れるようになっていた。そんな糸じゃやろうとしても糸が先に切られてしまう。なので、今回は分断する形にしたのだ。
「先に言っとくが、この糸に魔法を撃ち込んでも切れないからな」
1人の忍者が火魔法を糸に撃ち込んできたが、燃えはしない。血の防御力を舐めないでほしい。何度か体験してわかった事だが、血は物理防御力より魔法防御力の方が断然高いのだ。
「お前ら、覚悟はいいか?」
短剣に血を纏わせ、1対1で相手をしていく。糸は隙間があるため、他の忍者が魔法や重力場で援護をしようとしてくるが、全て当たらない。当たらなければどうということはないのだ。まあ、当たってもどうということはないだろうが。
1人、また1人と血で倒していき、あと3人。ここで、忍者が糸に対して重力場を使用してきた。血では堪えられなかったようで、糸ごとぺしゃんこになる。前回俺が受けた重力場や他の忍者が使う重力場よりも重力のかかりが大きい気がした。
「お前が大将か」
「………」
おや。今までの奴らは何かしら返してきたってのに……。こいつが糸をどうにかしたせいで、他2人も同じように糸を片付けてしまった。あのまま1対1が出来ていたら楽だったんだがな……。
魔法が飛び交う中、俺と忍者の大将(俺の中で)の戦いは激化している。俺の今の速さにある程度ついてこれているからだ。そこに他2人の魔法支援があって対等なくらいである。罠を張っている時に相手していた忍者達は、このような強さを持っていなかった。透明球の相手をしていたのだろう。
こいつはめんどくさいな。早く依頼を達成させたいのだが……。しょうがない。少し反動が来るかもしれないが、一瞬だけ上げるか。
ノーモーションからの短剣で首を斬り落とす。すぐさま雷纒の出力を下げる。さ、これであと2人か。その2人もリーダーが殺られたからか呆然と立ち尽くしている。
血針を2人に放つと避けることもなく当たってしまい、拍子抜けした。最初からリーダー探してやればよかったのか。無駄に時間かけちまったな。
忍者達の血を全て吸い、まだ魔法を避け続けていた忍者を血でサクサクと殺していく。ほんの数分で全ての忍者を殺した。トータルで10分くらいか。結構長い間忍者に足止めされたな。さて、スキルでも見てみるか。
鉄条 零 『人族(吸血鬼)』
男 レベル65
スキル:『吸血』『自己再生』『血液譲渡』『血液操作』『隠蔽』『魔力把握』『土魔法』『雷纒(大)』『怪力』『短剣』『危険感知』『気配感知』『鑑定の魔眼(大)』『雷魔法』『糸』『毒糸』『鍛冶』『雷歩』『クイック』『スロウ』『闇』『透明球生成』『透明球操作』『黒球生成』『黒球操作』『浮遊』『遠視』『風魔法』『氷魔法』『炎纒』『土纒』『炎天土天』『忍者』『重力場(小)』『暗殺技』
称号:『転移者』『目醒めし者』『吸血鬼』『真祖』『血を操る者』『群潰し』『雷人』『力持ち』『強化種殺し』『闇に紛れる者』『糸使い』『魔法道具作製者』『韋駄天』『魔族殺し』『竜殺し』
ふむ。忍者から取れるのは全部取れてるな。よかったよかった。重力場が小なのがあれだが……。忍者のスキルは気配遮断、気配感知、忍術、隠密の4つが一緒になったものみたいだ。4つとはなかなか凄いスキルだと思う。
さて、スキルを確認し終えたし、さっさと下に行くか。忍者がいたからこの3つ目の階段が正規ルートなはずだ。
そろそろ目を覚ましてほしいもんだな。依頼受けたのあっちなんだし。
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