第33話
近年、その中でもボス的存在に位置する鳥が巨獣鳥である。他の鳥に比べ遥かにデカく、そして強い。もはや恐竜と言っても差し支えないほどの大きさになっていると聞く。
農家の住民はそれが襲ってきたらなすすべもなく、自分の身を守るのが精一杯で畑を荒らされるのを黙って見ていることしか出来ないそう……。
まずはその被害の受けた農家の住民に話を聞くこととなった。
その被害の受けた家に向かうと、ガタイのいい三十代の男性が迎えてくれた。毎日の畑仕事で筋肉が隆起しているのがわかった。これでも悩ませるのだ。巨獣鳥は相当なものだと想像がついた。
中に招いてもらった。
「それでお前さんが巨獣鳥を退治してくれるって?その身体でいけんのか?」
不審がるのも無理はない。彼よりも細身の体を目の前にしているのだから。ただ彼と違うのは剣を持っていることくらい。
「魔法は知ってるか?」
「おお、名前だけはな。でも見たことねぇからな……。それで退治してくれんのか?」
ガタイのいい男は腕を組み俺を凝視した。見た目では何も特徴などない俺にさらに疑問符を浮かべていた。
「信じてくれとは言わない。最近知れ渡ったことだろうし、俺もあまり詮索されたくはない」
そう断ると彼は声を出して笑った。
「別に実際に見せてくりゃ、普通に信じると思うぜ。特に
そう言って頭を下げてきた。
もうすでに信頼されている……それほどまでに困窮しているのは大いに伝わった。
「分かった。じゃあ、現れやすい時間帯とか実際に現れた時のことを聞かせてくれ」
俺もそこまで言われて邪険にできるほどのメンタルは持ち合わせていなかった。
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