1章2話

「長くなりますが、大丈夫ですか?」

「ああ、問題ない」

「では…」

彼女はゆっくり口を開いた。


「まずは自己紹介から失礼します。私はこの店の店主のりんです。よろしくお願いします。

では、人生堂の説明をします。人生堂では、先程言った通り自殺した方、自ら人生を売った方の人生を売っています。

人生は買い手の人生を売ることで人生を買うことができます。

例えば、売り手Aが23歳で人生を売り、商品Aとなります。商品Aを買う人は、売り手Aの24歳目からの人生を送る、ということになります。

ここまでで、何か質問はありますか?」

「質問っていうか、色々と話が複雑だな……」

「……ここまでの話を聞いて、人生を買う気になりましたか?」

そんな質問をされたってわかるわけない。複雑だが理解できないわけじゃない。が、正直この空間自体半信半疑なのだから……。

「正直信じる気はない。が、人生を買えるということについては少し興味が湧いた。」

「でしたら、買うということでよろしいですね?」

「あぁ」

「ありがとうございます」

凛と名乗った少女は嬉しそうに少しだけ笑った。

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