第4話


 お風呂に入って、サッパリした後、日課の今日撮った写真を、デジタルカメラの液晶モニターで一番最後に撮ったものから逆に見てゆく啓は、最後の写真――つまり、最初に撮った写真を見て、頭を抱えた。

「げ、俺、こんなの撮ってたっけ?」

 まじまじと写真を眺めて、啓はベッドの上に転がった。

 その写真は、中心に女生徒のお尻が写っている。スカートからは白い太腿と脹ら脛が覗く。お尻のラインは実に滑らかで、プリッとしており、細めの足も柔らかな曲線を描いており、紺色のハイソックスが実に似合う。

「俺、端から見たら、変態かも」

 と言いながら、啓は青少年に有り勝ちな、エッチな妄想を少々してしまったのだ。

「ぎゃああ!」

 そんな自分に居た堪れなくなり、妄想を打ち消すかのように、ゴロゴロとベッドに転がる。

「女子高生の生足写真……」

 口に出すと益々犯罪めいている。

 普通はチラ見して目に焼き付けるはずの所を、撮ってしまった。

「ひょおおおお!」

 啓は再び叫んで、なんだか妙なテンションでベッドの上で勢いよく転がった。

 そして、思い出したかのように、おもむろに起き上がり、件の写真をプリントアウトし、ファイルに入れ、鞄に忍び込ませた。

 その日は、妙にドキドキと胸が騒いで、なかなか啓は寝付けなかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る