おいしい牛乳

第1話 冷蔵庫の中身は

　8月13日土曜日。天気は晴れ。いつもより早く目が覚めた。昨晩からつけっぱなしの空調設備からは絶えず冷たい風が吹き出されている。直接当たると寒いので、夏用の薄い羽毛布団を肩まで被った状態で朝を迎えた。

「うおっしゃー、今日も良い天気だわ。なんか目覚めが良いし体操でもしよっ」

　リモコンの「切」ボタンを押してから早足で1階の冷蔵庫まで駆け下りた。

「まだまだあるな」

　左手で掴んだ牛乳パックはひんやり冷たかった。戸棚から200mlも入らないガラス製のコップを取り出して勢いよく注ぎ入れた。