Ⅰ:
たった今初めて、私は私を認めた。私という存在があることを、理解できた。
私のいる場所は、何もない世界だった。私以外の全てが存在しない世界。ただ、私が存在するためにだけ、存在する世界。
なんて意味がないのだろう。そもそも意味などないのかもしれない。後から気づいたが、このとき、初めて私は意味というものを追求したのだった。
私は考えた。この世界は、なぜ在るのだろうか。なぜ私だけが在るのか。私は考えた。考え続けた。後から気づいたが、このとき、初めて私は思考というものを追求したのだった。
私は欲した。世界の変化を。変わらない世界からの脱却を。変わらない世界を変えることを。後から気づいたが、このとき、初めて私は欲望というものを追求したのだった。
しかし、この欲望という『気づき』は、もっともっと、先の話である。
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