転章 《六角》
僕とメラは現在…何故か自分の国を絶賛脱走中の不良教皇ことピウス1世とオープンジープでドライブ中である…
メラが呆れる
「おい!ペトロ!お前なんで脱出してるんだ!」
元ピウス1世ことペトロ総長はバカにしたように言う
「おいおい…やっぱり君はメスゴリラなんだね…言語だけでなく…頭の智能もゴリラだとは…君はゴリラに謝りたまえ!理解できてるぅ?ウホッウホッ!プギャ~!」
とハイテンションであるが…メラは何故か…おとなしい…間違えた…怒りをこらえてる。これはアカン、後で八つ当たりされるパターンや…えっ!なんか言葉がおかしいと思ったら、ペトロが僕の気持ちを代弁してた…
僕がそのことに気づいたことに気づいたペトロは絶賛爆笑中だ…
「メラ…この人…殺してくれない…」
ペトロは大げさに驚く…ちなみにこの車を運転しているのは…ペトロだ…前を見ようよ
「まぁ…冗談は…本当のことだがさておき…単純にあの国にはもう用がないし…いてもデメリットしかない!」
メラは真剣な顔になる
「何故お前は再び表に顔を出したのだ…あの糞忌々しいキリストから『天国の鍵』を貰ってそのあと、裏に潜っただろ?なんで今更…2000年の時を超えて表に出て且つ再び教皇に戻ったのだ」
ペトロも真剣な顔をして返す
「お前が動いたからな…<創世の結社>の下部を壊滅させたからな…俺らは…六角は…1000年から動かなかった…動かなきゃならないと思ったんだよ」
ペトロは苦笑する
「この国を捨てる理由は簡単…まず軍がいなくなった」
メラはにやりとする
「お前が消したのだろう」
「ハハハハ、教皇が蒸発すれば、権威が失墜する!そうすれば各地に司教、自由都市、貴族などの有力者は『なぜ、大聖女の小娘に頭を下げねばならんのだ』とか『中央にはもう頼れん!自分の身は自分で守らねば!』と考えてるやつがほとんどだ!見てみろ!各地は聖騎士、教会軍、傭兵などを独自で集めてるだろ!」
メラはニヤニヤが止まらない
「あの小娘が孤立したな…一つの国というよりは都市国家化してるな…」
「だろ?あの小娘はローマしか治められんよ。あと一年で消し飛ぶような国のトップにいる意味がないんだよ」
メラは呆れる
「お前はそれを一か月に縮めたがな…」
ペトロはどや顔を続けたまま…続ける
「あと表に出たのは…この装備を取り戻すためだ」
「冠、マント、鍵、杖、指輪か…」
ペトロがまた真剣になる
「<アルテイスト>…お前は神敵…いや、世界の敵だ…今回はお前に乗ったがこれが最後だ!お前に対する処刑命令は消さないぞ…次会ったら…殺すぞ…」
メラはにやりと笑う
「それは宣戦布告か?」
ペトロもにやにやとする
「勿論、1000年前の続きをしようぜ。今回は前回みたいに六角全員引き分けなんて真似はなしだ」
僕は聞く
「あなた達も六角なの?」
ペトロは何故か口をあんぐりと開ける
「おい…メラ…お前、こいつに何も教えてないのに連れまわしてるのか?」
メラは
「そうだが…あまり部外者は関わらせたくはない…」
ペトロは呆れる
「それはないぜ…こいつは巻き込まれたんだ…教える義務がある…俺が説明してやるよ」
ペトロはこっちに振り向き言う
「おいっ!坊主」
「はっ、はいっ!」
ペトロはまるで説教をするように言う
「これは他言無用です…六角はこの世の真理を目に見える形にしたものです」
「六角を構成する6勢力とは…科学を否定し、魔法を至上の物とみなす能力者による集団
メラが口を挟む
「なんであたしがキチガイ扱いされてんだよ!」
ペトロがセセラ嗤う
「事実だろう…いくらお前がシ族だとはいえ…物事には限度がある!お前は全てをものの見事無視してやがる…それをキチガイと言わずになんと言うんだ?」
僕はびっくりする!
「えっ!メラてシ族なの?だから<Novyi Mir>と仲がいいんだ?」
メラは頬を掻く
「いや?ただ同盟関係を結んでるだけだ。向こうもあたしのことうんざりしてるみたいだしな?」
「ペトロさん…最後は?」
メラが言う
「最後はお前も見ただろ…
ペトロはニコニコしたまま言う
「だな。申し訳ないが最後は言えない…さすがにあれは反則だもんな。以上が六角だ。俺らは真理を求めて戦っている」
メラが話を変える
「おい!ペトロ…サイランは確か騎士団員だよな?」
ペトロはにっこりと
「そうだな…サイランの位階は8=3で、わかりやすく言えば総長である俺は9=2で、現在10=1は空席だから…サイランは支部長クラスで最高幹部だな!大した奴だ!」
「奴につき添ってたやつは?ルナリアや4人どもは…」
ペトロは続ける
「ルナリア君は7=4で最高戦力と呼ばれる怪人クラスの一人だな。残りの4人は6=5で大隊長クラスだ。そう思うとサイランは異常なスピードで昇進したな…惜しい奴を殺したけど…アイツ、お前のスパイだもんな!お前息子守りたいんなら隠せよ!なんで堂々と俺に教えるんだよ!あいつおかげで堂々とスパイ活動してたから俺、どんな反応していいかわからなかったぞ!」
メラはしてやったりという表情をした
「だが、損失よりも利益のほうがでかかったから、生かしたんだろ?」
ペトロは呆れる
「まぁな、最後は俺らの力をそぐために勝手に自滅しやがったがな」
メラは嗤う
「10=1はどうだ?出そうか?」
ペトロはにっこりと
「もう出たよ!あとは儀式を整えるだけだ。儀式を終えるまでお前には手を出さないと約束しよう!」
そして僕らは彼らの新たな拠点フランク民主共和国アヴィニョンに着いた。そこで別れた。
その時、フランク民主共和国ルテティウムにそびえたつ高さ300メートルの
彼の名は…
「ファーザー、ご準備が出来ました」
彼の秘書らしき女性が男に声をかける。その女性は完璧な美貌、スタイル、声を全て完璧に持っていた。誰もが彼女の完璧さにひれ伏すだろう。人は彼女を女神と呼ぶ
男が振り返った瞬間、彼女はひれ伏した。その男はとても神々しかった。彼と1000年以上つき添っている彼女でさえ、未だに直視ができない。彼はカリスマを超えて畏怖と呼ばれる雰囲気を常に放っており、心からの忠誠を超えて服従したいという願望が沸くのである。彼女でさえこれなのである。凡人は彼を見た瞬間たいていは壊れ、狂える駒となる。
彼の容姿は期待に裏切らず、とても美しいを超えた超自然的な美しさを持っていた。長く伸ばした髪、鍛え抜かれた黄金比を思い浮かべる肉体。そして眼はサングラスでおおわれている。
声をかける
「ご苦労だった。バビロン。では行くか」
その声は重厚感に満ち溢れていた。彼は文字で表現するのもおこがましいぐらい現実を超えた存在である。だが、過去ペトロが見て激怒した。こう吐いて
「その姿はまるで…我らが父である神の子キリストそのものではないか!この悪魔め!我らを愚弄するな!」と
ファーザーの声をきいた瞬間バビロンは快感に震え何度も逝った。
だが、六角は彼のことを<獣>と呼ぶ
<創世の結社>では…
「今から会議を始める」
と毎度おなじみの苦労人フランベルジュ兄が始める
レイが言う
「今回の遠征を行うと言ったバカを連れて来い。殺してやる」
アリアーデが言う
「ここにいるよ」
レイがため息をつく
「もうどうでもよくなった。で?話は何だ?なぜ俺らは呼ばれたんだ?ディーアの、俺は忙しんだ」
フラン兄は頬を掻く
「ゴメン、わからない。ただチェスカが開いてくれと言ったから開いたんだが…チェスカ何だい?」
チェスカは申し訳なさそうな表情で謝る
「申し訳ございません。皆さま…死んでください…」
と持っているナイフをフラン兄の首元に添える。
それだけでなく…ミトラがミスティカの首元に氷でできた剣を添える
アムベル次男ことケインは稲妻をレイの首元に近づける
エレラルドのメイド長ことフォーゲルワイでが強大な魔力をともした手を首元に近づける
トパルスの筆頭部下である男が剣をゼノの首元に添える
セリアは巨大な魔力がともった両手をアリアとユリアの首元に添える
レイがキレる
「どういうことだ!貴様ら!誰に手をかけてるのかわかってるのか!」
フラン兄が焦る
「チェスカ、僕何かした?怒らせたのなら謝る!」
ミスティカが呆然とする
「ミトラ…何故だ…」
ナティアが空中を見てつぶやく
「ん~なんかやばいね」
ゼノとアリアは
「…」
ユリアはたじろいでいる
「セリアちゃん…なんで…私たち…姉妹だよね…どうして」
それらの反応に対し
ケインは静かに
「申し訳ございません…当主」
ミトラは冷たい声で
「お姉さま…」
フォーゲルワイデはただにっこりと
ゼノの部下も同じく沈黙
セリアは笑っていた
「シシシシ、ごめんね!ユリアちゃん、これはしょうがないことなんだよ。時代に取り残されないためだもん」
チェスカはにっこりと顔を蕩かせながらいう
「違いますよ~お兄様!ただ単に隠れ蓑がいらなくなったのですよ。雌伏の時が過ぎ去ったので、用済みの兄様たちを殺そうと思っただけですよ。ご安心ください。兄様のお体は剥製にして愛させていただきます!」
ベルジュは聞く
「お前らは何なんだ!」
チェスカは高らかに言う
「人々は私たちを<創世の結社>と呼びます。この国が出来てからずっと6家の下で生きてまいりおりました。けどあなた方は不要でッ」
その時六人の体が壁にぶつける
チェスカの首元には毒が塗られたナイフを突きつけられ
ミトラはミスティカに首を絞められ
ケインはレイに腕を捻られ、顔をミシミシと掴まれ
フォーゲルワイデは呼吸を荒くし首に手を当てながら倒れ…意識はまだある
ゼノの部下は腹を抱えたまま吐き悶え
セリアは四肢をへし折られ、顔面を蹴られている
六人が口を揃える
「「「「「「面白そうな組織だな!乗っ取らせてもらおう!」」」」」」
その日<創世の結社>が変わった
某所<Novyi Mir>総本社…
そこには7人の影がある。皆は彼らを賢人と呼ぶ。
そこでは粛々と会議が進められ…こう締めくくる
「メラッ!超ウゼェェェェェェェ!よし!ぶっ飛ばそう!!」
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