転章 《悲劇の始まり》
「メラちゃ~ん!チョーひさしぶり、あの時以来だね」
「百貨屋…何しに来たの?」
「頼むから何も問題を起こさないでくれよ。絶対にだ!」
僕とメラは今三人の人に囲まれている。ダークエルフの女性、ライオンと虎の混血であるライガーの顔をした獣人の男性、そしてドワーフの老人だ。彼らはそれぞれの種族の長老である。
ダークエルフが口を開く
「メラちゃんが弟子をとるなんてなんの風の吹き回しなの?」
メラがキレる
「うるさいぞ!フェル…そんなことはどうでもいい」
フェルと呼ばれたダークエルフが僕をちらりと見てにやにやしながら言う
「それにしても彼、大丈夫?さっきからあたしの胸とおしりを物凄く凝視
してるのだけれど…まぁ、あたしとしては見てもらっても結構なんだけどね。なんならサービスしちゃうぞ」
メラがため息をつく
「実年齢を考えろ。おい、クロウィン、いつまで見てやがる。このクソビッチで淫乱なメス豚の種族はいつもこんな感じだ。ダークエルフはビッチ、エルフはむっつり淫乱、ハイエルフは無知だが一度性の喜びを知ると淫乱ビッチになる。だからこいつはビッチ!ゆえにこんな服を着てる。町に行けばビッチを見放題だぞ!」
フェルが慌てる
「ちょっと!なんてことを教えてるのよ!私達エルフは光合成のために日を浴びたり、皮膚から水分や力を摂取するために露出度高めの服を着てるためよ!」
メラがめんどくさそうに
「わかったわかった。そうやって自分が淫乱なことを隠すな。お前はどう転んでもビッチだ!」
メラは口が悪い、さっきからビッチしか言ってない
と僕は思うがいわない。なぜっかて?言ったら自分の命が危ういからだ。
フェルは泣きそうな顔をする
「何よ!あなたと何回か寝ただけで、なんでそんなことを言うのよ!」
メラはとどめを刺す
「ああ、あの時か。毎度毎度お前はいい声で啼くよな!このドМが!」
そしてフェルは壊れた
「駄目!!メラちゃん!これ以上あたしを嬲ると何かが目覚める!目覚めちゃうの!」
その時獣人族の男がキレる
「五月蠅い!!そんなの夜でやれ!」
ドワーフがあきれたように
「儂も若ければ…」
獣人族はジト目でドワーフを見る
「長老…あの世に送りますよ…」
ドワーフは黙った
獣人族はメラに聞く
「結局、百貨屋。お前は何しに来た?そこの変態を嬲るために来た訳でもなかろう…」
フェルからブーイングが鳴る。
メラはにやりとして言う
「Novyi Mir総本社に寄りたいから、ザイール入所の許可が欲しい」
三人は真顔になる
そしてドワーフが
「百貨屋…いや≪アルテイスト≫と呼ばせて貰おう。次の会場は?
メラが仰々しく言う
「聖ローマだ」
その後、メラは僕を残し、ザイールに行った。その間僕はフェルによって大人の階段を昇らされた。はっきり言おう、こいつはメラの言うとおりに駄目な人だ。
聖ローマSIDE…
聖前会議では
「教皇の名と父なる神の御名において宣言する。神の名を騙るオルデアルを強制審問に処する。東ローマがこれを断ること即ち、神敵である」
これにより聖ローマは東西ローマを統一するために戦争を起こそうと画策する。だが東ローマは帝国の一部である。ユーロピアの一国である聖ローマは勝つことが出来ない。故に帝国ではなく、オルデアル一人を狙い。オルデアルを帝国の属国であるマケドニアに引きずり降ろそうとした。だがこのままでは勝算はない。なぜなら彼は絶対的存在グレートオールドの一人であるのだ。だが秘策はある。
聖前会議に一人の男が現れた。
皆が言う
「サイラン…」
サイランが目を輝かせながらぼそりと言う
「ヒスパニア、フランク、ローマ神聖、ブリタニカ…同盟を結んだ。五国連合の完成だ」
その時会議は歓声によって爆発した
皆が叫ぶ
「この戦勝てるぞ!!」
その愚かに酔う人々を三つの視線が静かに見ていた。教皇とサイランと…メラである。
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