起章 《再会と初会》



彼女は急に来た…

突如目の前で魔法陣が開き、そこからシュルヴィアが出てきた…


シュルヴィアが壮絶な笑みを浮かべて

「お待ちしておりました…お坊っちゃま、今お迎えに参ります」


僕らはすぐに臨戦態勢にはいる


メラは心底嫌そうに

「まーた、テメェかぁー、メンドクセェなぁ」


シュルヴィアはメラに対しても感情を露わにして

「百貨屋、お坊っちゃまを返させていただきます!」



「断る!!」



シュルヴィアから魔力が溢れる

「では、力ずくで…」



メラは中指をたてて言葉を放つ

「やれるもんならやってみろ、ドカスがッ」



メラの頭上に巨大な魔法陣が開く、そこから超巨大な氷塊が現れる


「ふーん、なかなかじゃねぇか、けどデカイってだけはただのでかい的に等しい」


シュルヴィアは止まらない

「まだです…」


今度は周囲の地面から氷の鎖が出て縛る


「こんなもの、ッ、オッ」

鎖が出る前にメラの足を凍らせる

体と足を縛られたメラに氷塊を避けるすべはない…


メラは嗤う

「無駄だな…」

メラにあたる直前全てが砕けた…


シュルヴィアはしれっと

「想定内です」


とメラへタイムラグなしに新たな術式を構築する

出てきたのは炎、ただの炎ではない地獄からよびだした炎だ



「これも無駄だな」

炎が弾け飛び、周囲に被害を与える


「想定内です」

メラの体がまた凍った、


メラがキレる

「だから無駄なんだヨォ!」


メラが氷を砕く前に、シュルヴィアは手に氷で出来た剣を顕現させ距離を詰め、メラの首を斬ろうと腕を振るがメラは剣を歯で受け止め、首の力だけで吹き飛ばす。


シュルヴィアが嗤う

「これも想定内です、次は砕いて殴りに来ますね」


メラはその通りに動く…

「だからなんなんだよォ」


目に写らない早さで殴る拳が突如、赤い華を咲かせた…砕けたのだ

虚をつかれ、一瞬硬直したメラをシュルヴィアは逃がさない



「これが結果でございます」


メラの後ろに鏡が顕れ、吸い込まれた!


「意外と知られていませんが、氷は温度が低いほど硬度が増します。では絶対零度ではどうなるのか?誰にも破れません。出現は一瞬、厚さは、目に見えないほどに薄いですが、タイミングさえ合えば至高の盾となる」

シュルヴィアは勝利宣言を行う

「この鏡は、主に封印用です。これを割れば、中の世界が崩壊し、死ぬでしょう。ほらこんな感じに」


シュルヴィアが鏡を砕く


そして慈愛の笑みを浮かべて

「お待たせしました、お坊っちゃま、さぁ家に帰りましょッ」


シュルヴィアが吹き飛ぶ


割れた鏡の欠片から

「あっぶねぇーなぁ!オイ!今マジ死にかけたぞォ」



シュルヴィアは動揺し体が硬直する

それを見逃すほどメラは耄碌してない


一瞬で距離を詰め、シュルヴィアの首を掴み地面に叩きつけ、反動で跳ね返った体を今度は壁に叩きつける。シュルヴィアは反撃しようとするが、する前に首の頸骨をへし折られる。それでも死なないシュルヴィアは再度反撃しようとするが、今度は頭を掴まれ、一瞬で十回壁に叩きつけられる。その後投げ飛ばされ、シュルヴィアが受け身をとり体勢を整えようとしたら、踏まれる。そこからは一方的な暴力の嵐であった。止まらない、メラは決して止まらない、シュルヴィアは弱くない、むしろムチャクチャ強い、相手が違い過ぎるのだ、反撃すらさせてもらえない。


突如メラの体が吹き飛ぶ


とても懐かしい声がした

「シュルヴィア、枷をしてる君では、憂鬱には勝てない…しかし枷を外すことは許可しない。、初めまして憂鬱、いや今は百貨屋らしいね。そこの弟であり息子であるウィン君を還して貰おう。久し振り…ウィン君、君の名付け親の、アリアーデ、よろしくね」


メラは静かにキレていた

「憂鬱っていったい何千年前の名前だよ…よく知っていたなぁ…なるほどあの日記帳はお前のか…」


アリアーデは緊張感のない姿勢で

「うん、私の。取り敢えず死んでね」


シュルヴィアのドロドロした魔力とは違う、綺麗すぎる・・・・・魔力が周囲を支配する



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