承章 《揺れる連邦と皇女の決意》





アナの私室にはいつものメンバーがいなかった。その代り、今回で辞任したメンバー達だ。


アナはにっこりと笑う

「お疲れ様…みんな。今までよく働いてくれたわ心からお礼を言うわ。今回みたいなケースがなければ息をつくことは出来ないでしょ♪」


みんな苦笑する。みんなは今まで優秀すぎるその能力のせいで休む暇がなかったのだ


カインが代表して言う

「陛下自ら気をかけてくださるとは我々臣民は幸せですな」


その言葉にみな爆笑する


アナは再びいう

「みんな本当に今までありがとう。残りの人生はゆっくり楽しみなさい」


彼らは国から莫大な年金がもらえ、元老院入りする予定だ…






部屋の中はアナ一人だけだった…いや、もう一人…クロウィンだ


「今回で頭が一気に消えた…今回辞任した奴らが必死に育てた後任者は全員・・連座で<SECT>に天下り…これで王政府にお前の派閥が完全に消えた。皇位継承戦が荒れそうだな」


アナはフッと笑う

「エレナちゃんわね…野心がないのよ…だから野心を出してもらわないと!そのための舞台は作るわ♪」


「あの小娘は今回が最初で最後の保護を受けた。次からは誰も守ってくれない。全部自力で乗り越えないといけない」


アナが頷く

「そうなのよ。せっかく私が目を付けたんだから失望させないでね♪」


俺は一つ聞く

「もし、あの小娘が死んだら?」


アナはキョトンとする

「そんなの…適当に誰かを皇帝にして連邦を捨てるわ。私には<SECT>があるもの…」


「そうか…」

俺は窓から出る



そして

アナはクロウィンを見送った後呟く

「暇だなぁ…」




 ここで、連邦の政治体制を説明しよう。連邦は51の国と地方による連邦制を採っている。それぞれの国と地方はそれぞれ自国の軍と内政権を所有しているが外交権が無い状態である。例えば、アナスタシアが治め、中央連邦管区全土に版土を持つ、ルーシー帝国は軍として中央軍がおり、内政を主導する王政府と呼ばれる

政府を持つ、ちなみに王政府に本来存在しない外務大臣がいるが、これはルーシー帝国が連邦を代表する国であるため、特例として認められている。他の加盟国は軍として地方軍を持ち、内政は州政府が行っている。帝国(ルーシー)も他の加盟国も構造はほぼ同じだが、帝国だけ名称が違うだけだ。

 では、外交権は誰が持っているのだろうか…それは王政府や州政府の上に存在する連邦政府と呼ばれる組織である。連邦政府は名前の通りユーラシア連邦の政府である。だが、この政府は封建制をしいている連邦の政府であって、普段は活動をしていない…


連邦政府の基本的な活動は外交と連邦軍の編成などの軍事のみでその他の活動は一切行わないのである。だが、例外として連邦政府を活動させるには3つ方法がある。一つ、25年前の大戦のような国家存続にかかわる事態によって招集される緊急政府。二つ、加盟国内で財政破綻やクーデター、動乱加盟国自身が対応不可能なことが起きた場合、連邦が対応を肩代わりするために招集される特別政府。三つ、元老院の3分の1以上の議員や皇帝、選帝侯の要請によって招集される臨時政府、この政府は皇帝の罷免、各国主や領主の問責や弾劾を行うことである。



連邦政府は元老院、内閣、執政官、枢密院、皇帝、重臣会議、長老会議によって構成されている。

元老院は王政府や州政府の大臣、副大臣、補佐長官、長官、官房長などの重職歴任者、及び8つある軍管区の総司令官や副総司令官、司令官の歴任者、そして侯爵以上の国主や辺境伯、自由都市の首長の領主歴任者で構成される議会機関である。

内閣とは執政官をトップとする行政機関である。内閣の構成メンバーは総務、財務、外務、法務、軍務、広報、情報と彼らの統括をする執政官である。

枢密院は皇帝の補助機関である。皇帝が元老院の決定を拒否する拒否権を持っており、拒否権を行使するに足る証拠を集めるのが、仕事である。あと、皇帝の政敵を落とすための証拠集めも行う。

皇帝は元老院の決定の助言と承認を行う。

重臣会議は王政府のメンバーや、各軍管区の司令部のメンバーが元老院や内閣に意見申立や報告を行う場である。

長老会議は元皇帝や元選帝侯、元内閣による諮問機関であるが…ほとんど表に出ない機関である。



連邦政府の流れを25年前の大戦で説明すると…帝国が不穏な動きをしたことが内閣の情報卿の口により元老院に伝えられる。元老院の全会一致と皇帝、選帝侯の建議により緊急政府が発足する。内閣が執政官により本格に発足、外務卿は帝国と外交交渉を行う。軍務卿は連邦軍の編成命令を行う。財務卿は資金集めにいそしむ。法務卿は元老院の賛成を勝ち取るために説得力のある文言を作成する。広報卿は臣民の混乱を避けるために情報を公開する。情報卿は情報収集にいそしむ。総務卿は各卿の補佐を行い、執政官は各卿を指導し責任を追う。

その後、活動の内容を皇帝と重臣会議に提出し、修正し、承認を貰ったら、元老院に許可を求める議案を提出する。元老院で可決されればそのまま活動を続行し、否決すれば、元老院の助言の下修正するか、皇帝の拒否権を発動させるかの二通りがある。拒否権を発動させるには明確な根拠が必要であり、根拠が認められれば元老院の否決を可決にすることが出来る。この根拠を認めるか認めないかの判断を行うのが長老会議であるが、25年前の時点では発足していない。










エレオノーラことエレナは昨日の昼に起こった事件について思い出し、ため息をついていた。名前を聞いていなかったが、アリスの兄…クロード・ウィンコット、名簿でしか見たことがない…いや、今まで存在すら気にも留めない人物が殺した生徒の顔が離れない…クロードはなぜあの生徒を殺したのか…クロードは何者なのか…全くわからない…


はぁ…


今日は昨日の事件のため、休校になっている…エレナは起きてからずっと昨日のことを考えてはため息をついている。寮で振られた自分の部屋を見渡す。2人部屋…相方はユリアであるが、ユリアとユリウスは昨日の事件のことで軍本部に呼ばれている…罷免されるかもしれない…何も出来ない自分がもどかしい…


そして考えて考えた末に部屋を出る。少し歩いてとある部屋の前につく…部屋の表札にはアリシア・シェ・ウィンコットとホノリア・イルディカ・グズル


ノックすると二人の女性の声が響く


「「待っておりました(よ)」」


エレナは覚悟を決めて入る


中にはお茶を入れてるアリアと煙管でアヘンを吸っていた



アリアがにっこりと笑う

「どうぞ!大麻茶ですが健康には問題ありません」


エレナは椅子に座り茶を一口飲み、口を開く

「あなたのお兄さん…クロード・ウィンコットは何者なの…」


二人はフッと笑う

ホノリアが口を開く

「彼がここの生徒を殺したことには何も言わないんだね」

ホノリアはカラカラと笑う


エレナは表情を押し殺して言う

「はじめはそのことも言及しようと思いましたが…考えてるうちに、私には覚悟がないことがわかりました。殺される覚悟も…そして殺す覚悟も!私は迷わない!今度こそは無くさない!今度こそは仲間を殺させないのよぉぉぉ!」

最後は絶叫していた


二人はポカンとした顔をしていたが、徐々に笑いはじめ、最後は大爆笑した。


涙をにじませながらアリスは言う

「はぁ~、面白かった。ごめんなさい。悪気はありませんの。お兄様について聞きたいんですよね」


エレナは言う

「親衛隊ていうことは知っていますが…そのことだけではありません。彼が何のためにこの学園に来ているのか…そして何者なのか…」


アリスは首を傾げる

「何者ってどういうこと?」


エレナは言う

「そのままの意味です。彼のあの力は…唯の学生にしてはおかしすぎます…彼は何か目的があってここに来たのではないのですか?」


ホノリアが口を挟む

「彼の目的は流石に言えないよ。だって私も親衛隊だけど、親衛隊の任務は非公開だからね」


エレナは頷き、アリスに眼を向ける


アリスは言う

「ん~、エレナは表の人ですからね…少しでも裏に内通していたらお兄様のことが嫌でもわかると思います。敢えて言うなら、あの方はあらゆることを超越した存在ですね…いや超越が許された存在ですね。この世界の理不尽を集約した存在です」

アリスは地味に興奮している


アリスのその言葉にエレナはピンと来た

「<NonyiMir>…」


アリスはニンマリと笑う

「確かにお兄様は<NonyiMir>に名前を連なっておりますが、あの会社のメンバーではありませんよ。むしろあれと同じですから」


エレナは考える

「では…<SECT>」


アリスは首を振る

「いいえ、遠くなりましたね…<SECT>は私ですね。私はそこの社員をやっております。再び言いますが、お兄様は<NonyiMir>の名簿上に名前があり、個人のオフィスを持っていますが社員ではありませんよ。お兄様一人で<NonyiMir>と同じですから…私が今言えるのはここまでです。あとは皇女の力で調べてください。とても難しいと思いますが…」


エレナはホノリアに聞く

「彼の情報の機密ランクは?」             


機密ランクにはレベル1からレベル5まである


ホノリアが口を出す

「勿論5だよ。だから自分の権力じゃぁ~調べられないね。クスッ」



その後、エレナは学園を飛び出し、路上でタクシーを捕まえる

「行先は王城!急いで!」


タクシーは猛スピードで王城を目指す。




王城の門番はエレナの姿を見た瞬間、急いで門を開ける。

「ありがと」

といい、猛スピードで中に入り、通り過ぎる人々を次々と抜き去り、とある部屋の前につく


扉には

「ここアナちゃんの部屋だよぉ~♡」

と書いてあった


エレナはふ~と深呼吸して扉を開けようとするが…後ろから全身黒ずくめの女性が現れ、彼女が扉を開き、エレナを優しく押す



目の前にはスケスケのショールを羽織った皇帝アナスタシアがいた。

アナはこちらを見てニヤニヤする

「いらっしゃい♪エレナちゃん!ドーラありがとう」



エレナは後ろの女性を見る…どこか懐かしい臭いと優しい親近感を感じた

ドーラはアナの下へ行き、ソファーにだらしなく寝転がっているアナの傍にあるソファーに座った。


エレナは覚悟を決めて言う

「お母様…今日はお聞きしたいことがございます」


エレナは嗤う

「なぁ~にぃ~」


「親衛隊のクロード・ウィンコットについてです」


アナはポカンとする

「誰だっけ?」


隣にいたドーラがため息をつく

「クロウィン君です…」


「あ~、クロウィン君ね~、思い出した思い出した。彼、ここではクロード・ウィンコットって名乗ってるのよね~」

アナが手を叩く


エレナは険しい顔のまま聞く

「クロウィン…それが彼の本名ですか…」


アナは考える

「本名みたいなものじゃないの?だって彼平民だったもの」


エレナは確信をつく

「生まれはどこかの貴族ですか?」


それを聞いたアナが急に飛び上がりエレナに抱きつく

「よくわかったねぇ~、偉い偉い!」

アナの豊満な胸が顔に当たり鬱陶しい…エレナは母親似のため、胸がまだ成長途中のはずである…母親はあそこにいるドーラみたいな薄い胸であるが、私は違う!いずれヴィクトーリアみたいな超豊満な胸を…


ヴィクトーリアも成長途中らしく月に1センチずつ大きくなっているらしいが関係ないため割愛する



エレナは自分の考えを述べる

「私が彼を貴族だと言ったのは、お母様がクロウィンという名前を本名みたいなものというあいまいな表現をしたこととと平民だった・・・という表現です。彼はどこの生まれですか?」


アナは嗤う

「…ルベイ家…彼の生家よ。裏でもこのことを知るのはごく一部…つまり、エレナちゃん…あなたはこちらにくる勇気があるってことでいいのよね…」


エレナは頷く

「お母様…ルベイ家というのはあの魔道6家のルベイ家ですか…」


アナは頷く

「これ以上は言えないわ…彼について調べるのは構わないけど…知ったら後悔するわよ」


エレナはこれ以上訊くのをやめた


エレナが部屋を出るとき、アナが

「もし彼について何かわかったらここにきて…今日みたいにヒントをあげるから」



エレナは今度は王宮の大図書室に入り、大司書から地下閉架の鍵を貰う


沢山の本を取り出し、熟読する


「あった…」


魔道6家…古代から、ローマ帝国から2000年以上にわたってその血脈を保つユーロピア屈指の名家である。それぞれの家はユーロピアの魔法理論に大きく貢献し、現在のユーロピアの魔法を作ったといっても過言ではない。それぞれの家はそれぞれの家がそれぞれの属性を研究している。ルベイ家は火、サフォイア家は水、エレラルド家は風、アムベル家は雷、ドパルス家は土、ディーア家は闇を研究していた。


エレナは別の本を読む


10年前まで起こったユーロピア大戦では6家は参加していない…何故なら始まる前に全員、分家も含めて全員失踪したからだ。王は直ちに捜査命令を出すが、戦争が勃発したため、打ち切りになる


別の本では…


6家はローマ神聖の大貴族になる前はゲルマニスク王国の大貴族、その前はフランク王国の大貴族、その前はアルビオンの貴族、更にその前はヒスパニア王国…最終的にローマ帝国までさかのぼることが出来る。つまり、彼らは時代を変遷しても常に当時の最強国の大貴族に君臨し続けていた。


「凄い…というよりは何か裏がある…」


…そして現在は…西ユーロピア帝国の大諸侯だ…




ユーロピア西部を統一したメルランは自身の魔法で巨大な魔法陣を展開させた…その魔法陣は隷従魔法の魔法陣。統一した地域の全員に隷従紋を張り付け、全民を奴隷身分に落とした…隷従紋を解放するには1万ペニー(百万円相当)を支払えば奴隷から解放され、市民に昇格する。その後、10万ペニーを支払えば下級役人か下級騎士になれる。その後、100万ペニーを支払えば上級官僚や騎士団長などになれる。更に1000万ペニーを支払えば貴族になれる。ちなみに現在の貴族は6家だけだ。


つまり、6家はこのことを知っていた…だから事前に裏へ送り、西ユーロピアが出来た途端一気に表にで、権力を握った…いや、話がうますぎる…ユーロピア大戦自体6家によって引き起こされたのなら…


他にも不可解なことがある…最初、国民が奴隷人なった時、メルラン一人では国政を全て行うことが出来ないため、国政の多くの業務を連邦の<NonyiMir>や<SECT>が代行したが僅か1か月足らずで契約を打ち切った。そのあとはどうなったのだろう…


コンピューターで調べる…いくつものサイトをハッキングする…ハッキングの仕方は以前ユリアに教わった


今西ユーロピア帝国の国政を担当しているのは上納金上がりの役人や官僚ではなく、運営と呼ばれる組織が国政を行っている。運営のリーダーは現在女王メルランの夫であるヨハネと呼ばれる男性である。


このヨハネは何者だろうか…


ヨハネ…正式名称不明…反キリスト教団体の代表…自ら<黙示録の教団>と呼ばれる新宗教を立ち上げ教祖となる


つまり<運営>と<黙示録の教団>は全く同じもの

更に調べると6家は古来から秘密結社を立ち上げている。その名は<創世の結社>

しかも<黙示録の教団>と<創世の結社>はつながっていると思われる。


何故…それはわかり切ったことだ…神国新生ローマに対抗するためだ…



神国は突如現れた天族と神族の支援によって出来た国だ。正確に言えば聖ローマをそのまま移転したような感じである。神国と聖ローマの共通点は一つ…教皇ピウス…


今ピウスは教皇ではなく最も位の高い最高教主ホーリーハイネスになっている。

その下で神殿を管理する最高職が大神官と大聖女、教会を管理する最高職が教皇である。

そしてピウスはある組織のリーダーである。その組織の名は<終末の騎士>。神国にいる全ての信徒の半数が加入している巨大な組織で、神国中枢のメンバーは皆騎士団員である。



そして<終末の騎士>はシ族打倒をかかげており、特に連邦を牛耳る<NonyiMir>を神敵として認定している。


全てがつながっている


クロウィンは<NonyiMir>とつながっており、<NonyiMir>は<終末の騎士>とつながっており、<終末の騎士>は<黙示録の教団>とつながっており、<黙示録の教団>は<創世の結社>とつながっており、そして<創世の結社>はクロウィンとつながっている。


クロウィンは<創世の結社>ではないようだ。お母様の話からすると彼は平民だから貴族を追放されたのだろう…アリスの言った言葉が今になってわかる…彼はこの4つの組織と同じなのだ…


肩がそっと叩かれる。後ろを見ると…アリスがいた…


「エレナさん!わかったでしょ?お兄様はとてもすごいですのよ♪」


「ああ」

エレナはアリスの様子に若干引く



急にアリスが無表情になる

「これ以上こちら側に入るのはお薦めしませんが…入るとすれば相応の覚悟が要ります」


エレナは迷わず言う

「私は将来皇帝となる身だ。私は世界を知らなければならない…私は連邦を導なければならない…これらに支配されてはならない!我々は自分の足で立たなければならない!」


アリスの後ろから男がぬっと現れる

「クロード・ウィンコット…」


クロードが口を開く

「お前がこれから進む道は、勝利しか許されない道だぞ…それでもいいのか…」


エレナは頷く

「ええ!」


クロードが口を開く

「これより、お前と俺は敵だ…そしてあの<NonyiMir>とも敵だ…」


クロードの前にアリスが立つ

「でしたら私とお兄様も敵同士になりますね♪私は彼女に付いて行きます。これより<SECT>はエレナ様の傘下に入ります」


クロードがポツリと

「シュルヴィアは貰うぞ」


エレナが首を振る

「いいえ、お兄様は逃がしませんよ♪お兄様は卒業するまで学園にいてもらいます。だって学園には<六角>がいるですもの…<六角>であるお兄様にいてもらわなければなりません」


クロードの眼が細まる

「それは本当か…」


アリスが嗤う

「本当ですよ!今この場で始まるのですから!」


クロードがゆっくり近づき…アリスに近づき、手をアリスの頭に近づける…

エレナはアリスがやられるのではと思い固まるが…


「えへへへ…気持ちいいです。お兄様」

エレナはフニャフニャと顔をだらしなく歪ませている


クロードは無表情でアリスの頭を撫で続ける










それらの様子を見たアナは爆笑し


それらの様子を見た獣は興味が失せ、メルランとのセックスを再開する


それらの様子を見たピウスとヨハネは共に盃を合わせ、葡萄酒をのむ


それらの様子を見た6家はアリスとクロードの顔を見て、驚き、セリアーデは狂った笑みを浮かべ、ユリアーデは憎悪の表情を出す


それらの様子を見た七賢人はつまらなさそうな表情で解散するが、ルヴィアだけは慈愛の満ちた顔で画面に映るクロウィンの顔を撫で続ける


最後に…それらの様子を見たコーデリアは赤ん坊のように裸で丸くなって眠り続けているメラを抱きしめる


「クロト君…いや…メラちゃん…ずっと離さない…あの坊やが着ても渡さない」





「…んっ」


メラが目を覚ます


「ママ?」




生物学用語には「刷り込み」という言葉がある


コーデリアは顔を歪め、メラの全身にキスをする

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