承章 《神界》
再び放った弾丸は全て彼らの前に止まった…
俺は嗤う
「唯の玉無しにしちゃ、つよいじゃねーか…その衣服を取りやがれ、天族…一人神族が混じってんな」
大宦官の衣装が吹き飛び、白い服を着た一団が現れる
「今回裏で糸を引いてるのはファティーマか…ニナを管理してるのが宦官だからユニかファティーマのどちらかが糸を引いてると思っていたが、神界が関わるとイスラム教つながりでファティーマが妥当か…あの小娘はシ族の末裔や再興などの理想よりも今の治世などの現実を選んだか…後ろにいるニナとは大違いだな」
中心の女性…金色碧眼褐色という典型的な神族の女性が口を開く
「彼女の存在はありがたいわ~第二次ラグナロクで滅ぼし損ねたシ族の末裔炎の一族なのに利益があるというだけで我々に協力してくれたもの~」
俺はせせら笑う
「おいおい、お前頭大丈夫か?2000年前の戦いではお前らとシ族は引き分けたんだぜ?どちらも被害がデカすぎて戦争続行不可能になっただけだぞ?勝ったというのはお前らだけだぜ?」
挑発するが…
相手は笑って受け流す
「そんなことは我々が決めることじゃないので~私は何事も武力で解決する強硬派じゃないので~彼らが嫌う敵同士の協力もします~もちろんこちらが有利なようにして、最後は消します~」
こいつは前メラが消したような雑魚とは違う…
相手は高らかに言う
「結局あらゆる手を使って、シ族、炎の一族、霜の一族全てを殺して我々が勝利をし、この星の裏側に逃げた魔族を根絶やしにして、我々がその他の生物を管理すればいいのですよ~というわけでここであなた方は死んでくださいな☆」
アナとユニはシ族から独立し、新シ族を立ち上げるために手を組んだが、ファティーマは自分の庭を守るために、同じ炎の一族である中華の炎の一族を仮想敵とし、本来の敵である神族と手を結んだのか…
俺はホノリアに言う
「先輩~時間を稼ぐので召喚魔法を開いてください」
ホノリアが嗤う
「わかった。上級親衛隊6人を呼ぶよ」
俺は首を振る
「あと追加で7人が来るはずです。彼ら7人も陛下の私室にいるはずですから」
彼女は転移魔法で離脱する
神族の女性は嗤う
「じゃ、早速はじめましょうか~皆さん~気を付けてください~あの子はあの災厄の落とし子であり、育て親はあの悪魔ですから~」
俺は唯の大剣を肩に背負う
神族の女性は言う
「私は聖王一族に連なる…サリナ・セイクリッドと申します~」
同時に天族8人が突っ込む
その間サリナは一対の翼を大きく上に広げ頭上に円を作る。円の中心に光の玉が発生し、一気に膨張し、光の穴を発生させる。奥からはこれでもかというほどの天使の大軍が現れる。
人間はよく誤解をするが神族、天族、天使、戦乙女は皆純白の羽を持つが全くの別物である。
<NonyiMir>のデーターバンクによると
シ族が存在するはるか前の話、世界には多くの種族がいた…神族、獣人族、魔族、エルフ族、ダークエルフ族、巨人族、氷民族、ドワーフなどの小人族、黒の一族(アフリカ南部の黒人)、そして人族(白人)である。その後、神界では第一次ラグナロクと呼ばれる戦争が紀元前5000年前に起こり、当時神族と魔族が戦争を行っていたところを突如現れたシ族の介入により、泥沼化…神族は人族とエルフ族を陣営に組み入れたのに対し、魔族は獣人族、ダークエルフ族、巨人族、小人族、黒の一族を陣営に組み入れた。当初シ族は氷民族と手を組んで、三つ巴の戦いを行ったが、後に、不利となった魔族と手を組み、神族を世界から追い出したのだ。その後、神族の味方をしたエルフは、マダガスカル島にひきこもり、人族はシ族の家畜となるか、寒冷なユーロピアに逃げ、その他はアフリカで繁栄を向かえ、シ族は広大なアジア(中華、インダス、中東、エジプト周辺)に国を作った。その後、紀元前1000年前に第二次ラグナロクが勃発し、シ族は二つに分裂、炎の一族はそのままであるのに対し、霜の一族は当時ひっそりと暮らしていた氷民族と子をもうけ、繁栄を図り、神族は数千年の時を超え、この世界に再び舞い戻ったのであると
この第二次ラグナロクでシ族のド肝を抜いたのが、人族の上位種族である天族が現れたのである。彼らの存在により、当時シ族の下で管理されていた人族が一斉蜂起がおこったのである。
即ち、天族とは、もとは人間なのである。天界がシ族に対抗するために高い魔力を持つ人間など、特別な人間を天界に呼び寄せ、天界の尖兵と化したのである。戦乙女はそんな彼らを迎えに行き、天界に連れて行き、そして天界で伴侶となり、戦闘面と生活面で支えるための半神(神族か戦乙女と天族のハーフの女性)
一方で、神族はかつて天界にいた天帝や聖王と呼ばれる主神の一族といわれており、彼らから主神が想像した世界を導くものと自認してる存在である。その後、追いやられ天界に神界という小世界を創造し、神王の下、世界奪還を目指したのである。その彼らを支えるために生まれたのが天使である。
故に神族と天族は天界では平等だが、神界では神族が上である。
つまり、神王の息子であるヨシュアは神族であるが、彼の周りを固めているペトロなどは天族に位置する。で、追加情報だが、ヨシュアは天帝一族に連なっている超名門神族でもある
30匹の天使と8人の神族が攻撃をする。全員光属性の放出系魔法だ…一斉に放ち、俺に向かう…俺は剣を抜き全てを両側の地面へ逸らす。
辺りは土煙に包まれる…皆油断せず次の攻撃に備える…
土煙から無傷の俺が出てきて、ゆっくり歩く
サリナが召喚した天使は下級天使なので感情を持たないため無表情だが、天族は皆驚いた顔をし、攻撃を続ける。放出系から無数の光弾を放つ攻撃に切り替える。天使たちもそれに従うが…俺はその全てを両側の地面に逸らす。無駄だとわかったのか天使数匹が剣を抜き、光を纏い突撃をするが、剣で地面にたたきつける。元人間である天族は様々な属性の攻撃をするが全部逸らす。地面から生える岩の槍も、剣で方向をズラシし、地割れをズラす。火も氷も水も風も雷も土も光も全て地面に叩きつける。そして全員がエネルギーをチャージして放つ渾身の一撃を…周囲360度及び、上空から放たれた攻撃を全て剣でかき消す。
かき消した後、俺はその場に立ったまま剣を一振りをする。一瞬で天使は光の粒として消え失せ、天族は血霧となって消える
「へぇ~強いね~さすがに<真理ゲーム>参加者にこれぐらいの戦力じゃ足りないよね~」
サリナは翼を広げる4対8枚の翼だ
「少し手加減するよ~」
彼らは魔力を増幅するために純白の翼を持つ、翼の多さは強さと階級を意味する。下級は1対2枚、中級は2対4枚、上級は3対6枚、そして最上級が4対8枚…だが、彼女は手加減をすると言った。つまり、最低5対10枚を持っている可能性がある。今の神王は6対12枚持っている
サリナが消える。俺は反射で正面を斬るが失敗し吹き飛ばされる。
「へぇ~よく見えたね」
俺は素早く立ち上がり斬りかかるが、サリナは軽やかに避け、俺の腹を切り裂く…
「後ろに飛んだのか~けど中途半端な避け方はマズいよ~」
俺は気合で傷口を塞ぎ、くっつけ、再生させる
「スゴ~イ。傷がふさがってるよ~」
俺はポケットから注射を取り出し直接胸に刺し、中の液体を注入し、口の奥に仕込んでいた銀丸をかみ砕く
全身の血管が膨張する…心拍数が速くなる…肺が膨張する…筋肉が膨張する…脳が活性化しリミッターが外れる…そして普段体内に取り込まれていた
注射は肉体ドーピング剤で、銀丸は脳のリミッターを外す薬である。
サリナは黙って観察する
(先程までの光を失った覇気のない目から、鈍い光を放つ危険な目となったね~寿命大分削ったね~)
俺は全身の関節を体に適した部位にズラす。
「おかげで幻覚からさめたぁ~」
サリナは笑う
「生死をかけた戦いで他の女性を見ながら戦っていたのですか~私妬けちゃいます~」
クロウィンが消え、サリナも消える
「スゴ~イ、私のスピードについてこれてんですね~今回は遊びですので、本気は出しませ~ン」
突如周囲が鏡に覆われ…眩い光と共に、上級親衛隊と7人が現れた。その7人は<七賢人>と呼ばれている
筆頭…
第二席…
第三席…
第四席…
第五席…
第六席…
末席…
ルヴィアはいつも通りの西洋人形が着てるフリルの付いた服を着ている
イーライは長い白髪に真っ赤な甲冑ドレスを来た女性だが、顔は兜を被っているため爛々と輝く目以外うかがい知ることが出来ない
グラディウスは宮廷魔導士が着る紫色のローブを来た兎の被り物…眼をパチパチして鼻がヒクヒクしてるけど被り物だよな…をつけた男性だと思われる
アッティラは真っ赤な甲冑を着、灰白色の髪と灰白色の顎鬚をかっこよく生やしたダンディーオジサマである
アケロンは右目が金色、左目が銀色の瞳を持つ、
ディアナは青白い肌、毛先が銀色で真青色した髪、緑の眼、右顔の目元から歩まで独特な文様の入れ墨をいれ、黒の口紅をつけた外見はムチャクチャカッコいい男装の女性に見える元男性。服装はユーロピアの男性貴族が着るような衣装を着ている
セリアは十二単を着た外見9歳児にしか見えないロリババア…頭や腕にきれいな玉で作ったいくつも数珠を巻いている
サリナはため息をつく
「わぁ~シ族だ~久しぶりだな~しかも、第二次ラグナロク後で魔王達をバラバラに解剖して魔王達の力を奪った人たちじゃん~」
ルヴィアが鼻をならす
「ついでにあなた方の聖王と呼ばれる方も解剖させていただきました。なかなかいいデーターが取れましたよ。貴方のご先祖にあたる方も勿論…いい声で啼きましたね」
サリナが笑う
「うわ~ムカつく~怒ったぞ~」
イーライが笑う?声から推測して笑っているだろう
「お前たちに憤怒の感情があるのか」
「天使たちちゃんは無いけど~私たちにはあるよ~」
翼を12枚広げる
お互いがにらみ合い…攻撃のチャンスをうかがっているとき、
突如、周囲が爆発する
ルヴィアがポツリと
「帝国と大帝国の合同空襲が始まったようです」
サリナが笑う
「邪魔が入ったね~この勝負はまたいつか~少年君名前は~」
俺は黙る
サリナは笑う
「そうか~クロウィン君っていうんだ~よろしくね~」
サリナは猛スピードで天井を突き破り、空へ消えていく
俺たちは城を出て辺りを見渡すと火しか見えない
「焼夷爆撃か…この火は当分消えないだろう」
俺たちはホノリアが召喚した鏡を通って連邦のアナの私室に戻る
アナがイヤラシイ顔でまっていた
「おつかれさま~ニナちゃん、私の寝室で寝てるわよ。明日から学校に戻ってね。きっと楽しいことが待ってるはずだから」
俺とホノリアは王宮を出て、寮に戻る
ホノリアは笑う
「今日は楽しかったな」
俺は頷く
ホノリアが真顔で言う
「明日、そちらの授業に訓練があるはずだ。彼らは動くだろう。どうする」
俺は
「お姫様たちには実際に死ぬ一歩手前まで体験させてもらおう。つまり、テロリストに負けてもらおうじゃないか」
ホノリアはクスリと笑い、俺の顔に自分の顔を近づけて、ネットリとキスをする。俺と彼女は舌をからませる。
しばらくすると彼女はニヤリと笑ったまま俺と別れ、女子寮に戻る
俺は男子寮に入り、自室の扉を開けると、そこには何故か、物凄くイイ笑顔のアリスがいた…
「お待ちしておりました!お兄様!疲れてると思いですので、料理を作りました。勿論食べてくれますよね!」
俺は傍に控えるシュルヴィアに助けを求めるが…
シュルヴィアは何故か手にフォークを持っている。顔をそらすと、ステーキが付いたフォークを俺に向けるアリス…逃げれないなぁ…
その夜、お腹いっぱいになっても食べさせられ、その後、強制的に一緒にシャワーを浴び、一緒の布団で寝ることになった俺…
「お兄様…行かないで…スゥ…スゥ…」
アリスの寝顔を静かに見る俺とシュルヴィア…
「シュルヴィア…明日の準備は?」
シュルヴィアが静かに傅く
俺は嗤う
「明日…お姫様たちには地獄を見てもらおう…何人生き残るかな?
アナスタシアよ…
娘が死んでも俺を恨むなよ」
盗聴器でその言葉を聞いたアナスタシアは大声をあげて爆笑した
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