起章 《クラスメイト》
俺は心地よい気怠さを満喫しながらシュルヴィアに言った
「やはり、ドラッグとセックスの相性は最高だな…」
シュルヴィアは頷く
「はい…」
「シュルヴィア…」
「はい、なんでしょう」
俺はたまらずに聞く
「アリスとお前は姉妹みたいなもんだろ?」
シュルヴィアは頷く
「同じ母親から生まれたようなものですから」
俺は単刀直入に聞く
「素材はアリアとシュルヴィア…お前はどちらを使われているんだ?」
シュルヴィアは一瞬黙るが口を開く
「それは…私はシュルヴィアの肉体をベースにアリアとシュルヴィアの記憶が埋め込まれております。お嬢様はアリアの肉体をベースに二人の精神が埋め込まれております。故にお嬢様はお坊ちゃま…ウィン君に対する感情が強いと思われます」
「アイツに記憶はないのか?」
「断片的なものかと」
俺は嗤う
「ありがとよ…もうそろそろアイツが来ることだろう」
俺は服を着て、シュルヴィアと共にビルから出る。
そこには息を切らしたアリスがいた
「はぁはぁ、お兄様帰りましょう…一緒に」
なんか哀れに思えたので一緒に帰った。
その夜彼女の部屋で一緒に寝た…抱いてはいない
翌朝…
「起きてください…お兄様。もう朝ですよ」
と俺を優しく起こす妹…
「…朝か」
俺は起き、着替える…アリスが目をこれでもかと大きく広げながらジーと見つめているが気にしない。何となく妹の息が荒れているが気にしない。妹が小声でぶつぶつ言っているが気にしない。
着替え終わると、脱ぎ捨てた衣服や下着が妹に取られた…たぶん戻ってはこまい
俺は制服に着替えると下におり、朝食を食べ、学校に行く。明日からは寮だ…この家はとても短いがなかなかいい家だ。休日には顔を出してやろう。
使用人が運転する車に乗り込み、学校へ向かう。学校に向かう途中、アリスが話しかける
「私悲しいですお兄様。なんで全寮制で、男女の寮の距離が物凄く遠いんですか!なんで往来禁止なんですか!女子が男子寮に行っても問題ないんですのに!私お兄様から離れるだけで死にそうです!」
俺は呆れる
「なにか間違いがあったら大変だろ」
妹は何故かうっとりして言う
「お兄様となら構いません。ああ、そうでした。今回離れ離れになるので、屋敷にあったお兄様の使用した衣服や下着などは全て保存して寮に送っておきました。寂しい時はこれを使います。それでも寂しい時は夜這いに行きますのであしからず」
俺は何も聞いてない
使用人が言う
「お嬢様、お坊ちゃま着きました。良き学園生活をお送りください」
教室に向かう時
「アリスちゃん!お久しぶり!元気にしてましたか?」
ユリアとユリウスを連れたエレナがやってくる
俺は屋上へ逃げた。チラッと見るとアリスが凄い形相で俺を睨んでいたためもっと早く逃げた
「どうしたの」
エレナが顔を覗き込む
アリスは笑ってごまかす
「ええ、何もございません。エレナ。ユリアちゃんとユリウス君もおはよう」
二人は会釈する
そのまま話をしながら教室に入る
その時、一人の男性がエレナに向けて花束を向ける
「ああ、今日も美しい…エレン…僕と結婚してくれ」
アントニウスだ
エレナは困ったような顔をする
「ええと、アントニー、それはお断りしてるんだけど…」
アントニウスは大仰に言う
「ああ、照れなくてもいいんだ。僕のエレナ、この間まで次期皇帝の座を争った仲だけども、もう終わったんだ!争わなくてもいいんだ!だから言おう!僕は君を愛してる!結婚してくれ!」
エレナはおでこに青筋を浮かべて笑いながら言う
「あのね~アントニー君、私、君のことただの幼馴染としか思ってないから…いくら王族の君といえども結婚はないわ。だって君残念すぎるもの」
その言葉にアントニウスは吹き飛ばされる。しばらくは起きないだろう
高飛車な笑い声が響く
「オーホホホ!お久しぶりね!エレナ!この邪魔虫が迷惑かけましたわね。ほら、行くわよ愚図が」
ヴィクトーリアが動かないアントニウスをズルズルと引っ張り席に座らせる。
エレナが説明する
「あの二人は昔から仲がいいんだ。アントニーは王族、ヴィクトーリアは侯爵の令嬢だね。昔はよく三人と遊んだよ。かわいそうなヴィクトーリア、アントニーのことが好きなのにアントニーはそれに気づかない…私の好意を彼女に向けてくれればいいのに…」
アリスは聞く
「エレナは彼のこと嫌いなのですか?」
エレナは苦笑する
「昔はヴィクトーリアへのライバル心から争ったけど、今となると黒歴史ね。しかもあのバカはそれを真に受けていつも私にアプローチをかけるんだから迷惑な話よね」
私は力なく笑う
向こうでは眼が覚めたアントニウスがヴィクトーリアによって説教されている。
「アントニー!あんたはいつもいつもエレナに迷惑ばかりかけて!エレナは他に好きな人がいるのよ!そのこと知ってるでしょう!男なら潔く身を引きなさい!いつまでもめそめそしてるのよ!昔からあなたは私がいないと駄目ね!わかったら私を頼りなさッ、べッ、別にあんたのためじゃないからね!エレナを守るためだからね!」
私は思う…ツンデレ、かわいい!
「お前ら~席に着け~」
皆、席に座る
先生?が声をあげる
「毎年Sクラスと特殊作戦部隊科の担任を務めているエトワールだ…この名は一部の人間にしか呼ばせてないからエルと呼べ」
一人が手をあげる
「エル先生。姓は?」
エルはうんざりしたような顔をする
「お前みたいなガキと結婚する気はないぞ!けど、敢えて言うなら無い!」
皆が驚き、一人の男が席を立ち声高らかにいう
「<グリンデルワルドの悪魔>が何故ここにいる!」
エルはめんどくさそうに欠伸をする
男が続ける
「貴様らは神族とシ族の争いに敗れた魔族の子孫だろう!こんな表の世界に堂々と顔を出すな」
エルは男に問いかける
「終わったか?」
男が驚く
「なッ」
ダンっ
一発の銃声が響く
男の机に穴が空く
銃を下げたエルが言う
「ごちゃごちゃ喚くな。がき風情が…そんなの簡単だ。あたしが優秀だからだよ。この学園でな。気に食わないんならやめろ」
男は口をパクパクしながら座る。
エルは見渡し言う
「おい!ウィンコット!」
「ハッ、はい」
突然呼ばれて立ち上がる
「お前の兄貴は今どこだ?なんでイねぇーんだ?」
アリスはどもる
「それは…」
「屋上か?先程からうるせぇーんだよ。連れてくるから、お前らは自由に自己紹介でもしとけ」
といいエルは教室を出る
屋上…
「先輩…授業サボってもいいんですか?」
ホノリアはクスッと笑う
「この学校は学年制ではなく単位制なんだ。私はほぼすべての単位を取得している。だから暇なのさ。それより君はどうなのかね?君は一年生だ。授業に出ないとマズいんじゃないか?」
俺はドラッグを吸いながら資料をめくる
その時、屋上の扉が開かれるのと同時に銃声が響く
弾丸は俺が吸っていたドラッグ入りタバコを吹き飛ばす
「おい!ウィンコット兄!お前なんでアタシの授業に出ないんだ?お前舐めてるのか?」
ホノリアが笑う
「あっエルちゃん。凄いね。彼が認識できるんだ」
エルが凶悪な笑みを浮かべる
「お前はさっさとあたしのテストを受けて卒業しろ!本来ならお前は2年の半ばに卒業できるはずだろう」
「だって、陛下がそのまま残れっていうんだもん」
エルは顔をゆがめる
「あと、今三年の奴も卒業させろ!アタシの仕事を増やすな」
ホノリアは無視する
エルは俺の方を向き
「で、お前は」
俺はポツリと
「ロリババア…」
蹴られる
俺はエルと組手しながら言う
「リストでは齢約300…滅びた魔族とその人間の子孫通称<グリンデルワルドの悪魔>か…シ族と同等の寿命を誇る人間。戦争に敗れたペナルティーにより姓を奪われた。そのため古代から迫害と差別を受け、国家に帰属しない放浪の民。中々面白いな。俺に気づくとは中々だ」
そして、俺はエルを組み伏せる。そしてキスをした。
エルは顔を真っ赤にする
「おおおおお、お前!教師に対して何をしゅる!」
俺はクスリと笑う
「今のことバラシてほしくなければ見逃してください。どうせクラスの奴は俺がわからないはずだ」
俺は鈴を鳴らした
教室内では
エレナが
「先生…突然飛び出しちゃったけどどうしたのかな?」
皆、エルが教室を出た理由がわからない。ただ一人を除いて
(エル先生!頼みましたよ!一刻も早くお兄様を!はぁはぁ…お兄様成分が足りなくて死にそう…そうだ、カバンの中に今朝お兄様の脱ぎたての下着が!いけませんわ。ここで出すわけには…早くお兄様を…)
エレナが壇上に立つ
「早速だけど自己紹介しよ!」
「私はエレオノーラ・ル・ユースタシア。皇女です。気軽にエレナと呼んでね」
「私はアリシア・シェ・ウィンコット。子爵です。アリスとお呼びください」
「私はユリア・アンぜルム。皇女の従者を務めております。一応直属騎士です」
「僕はユリアの弟のユリウス。以下姉と同文だ」
「ワタクシの名はヴィクトーリア・ヒ・サンドニア。侯爵ですわ。後の、アントニウスとは幼馴染ですわ」
「エレナを世界中の誰よりも愛してるアントニウス・ル・カッサンドラ・ウィンスターです。エレナ結婚して!ブファ」
ヴィクトーリアによって吹き飛ばされるアントニウス
次は前髪で顔を隠した小柄な少女が挨拶をする
「イズミ・カセンです…よろしくお願いいたします」
私は質問する
「イズミちゃんってエゾの出身?」
イズミは小声で答える
「は、はい。そうです。極東のエゾの生まれです」
エレナが笑う
「タマモ元帥と同じ出身か…この間、スレンスキー元帥と結婚したわよね。十二単?て言うのかな、とても綺麗だったわよね」
ヴィクトーリアが加わる
「しかも、ステッセルニ元帥とセシリア―デ元帥とのダブル披露宴だったかしら、彼女のマーメイドドレスも素晴らしいものでしたわ」
アリスが加える
「確か来賓にネレイアデス大将軍が来てたから大騒動になったような…真っ黒のウェディングドレスを着て、披露宴の最中にステッセルニ元帥とキスをしたような…修羅場となりそうですね」
イズミがオロオロする
三人とも気づき自粛する
イズミが言う
「タマモ様と同じエゾです。けど、あそこは寒いので、あのような服装は普段はしません」
皆は頷く
次はオレンジ色の髪をした傲慢そうな男が言う。先程エル先生に物申した男だ
「ディートリッヒ・ラインハルト。出身は西ユーロピア帝国だ。留学生のため、この国のことはよく解らん、教えてくれたら助かる」
次は銀色の髪と空色の眼をした小柄な少女が言う。服装は制服の上に神国新生ローマの
「私はイリヤ・ヴァレンタインと申します。この衣装からわかるように神国から参りました。出身は神国の保護国の一つ、(トラン)シルヴァニア教国です。ラインハルト君と同じく留学生のため、いろいろと教えてくれましたら幸いです」
次は糸目の黒髪の男性だ
「私は帝国から来た…こちらの流儀に合わせますとユンファ・シャンと申します。同じく留学生です」
次は褐色の美女が現れた…スタイルは出るとこはこれでもかと出て、引き締まるところはきれいに引き締まってる悩殺ダイナマイトボディだ
「私は、アラリヤ・フセインです。大帝国から来ました。授業中礼拝しなければならなくなり迷惑をかけるかもしれませんが了承してください」
男子は皆スケベな顔をしている(ユリウス以外は)
最後は少しみずぼらしい少年だ
「初めまして、カイル・イグナシオです。準市民です。ここに入れば市民になれると聞いたので入りました。よろしくお願いいたします」
皆が驚く
エレナが彼の手を取りブンブン振り回す
「凄いわ!勉強環境が少ない準市民身分がここまで来るなんて!あなたは期待の星よ!困ったら我々に言いなさい!協力を惜しまないわ」
カイルは振り回される
それらの様子を生徒に隠れながら廊下でエルは聞き、顔をほころばせる。
「楽しそうだなアイツら…」
扉を開ける
「おーおー、楽しそうじゃねーか!お前ら!次の授業の準備を始めろ!」
楽しい学園生活が今始まる
屋上…
屋上には俺と特殊作戦部隊科の6人…つまり親衛隊7人が集まっていた
俺は資料を読み上げる
「学園に皇女を狙うネズミどもの侵入を確認した。判明してるのは二つ、一つは<エーデルワイス>これはどちらかというと皇女を守るほうだな、実態はFARUの<薔薇騎士団>からの選抜部隊だな。もう一つは皇女暗殺をもくろむほうだな…しかも、有名どころだから要警戒だな。名前は…
<
…だ」
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