いつも楽しく読ませていただいております。
白菜って、漬物にしろ和え物にしろもちろん煮物にしろ、あれだけ日本料理に欠かせぬ野菜でございって顔してるのに、実際は近代になってから入ってきたものなんですよね……逆にレタスの方がずっと昔からあるという不思議。
そして、出ましたな引っ越し魔、娘ともども奇人変人、画狂老人卍。知らぬは亮哉ばかりなり。正体明かすわけじゃなく読者のこちらだけがニヤニヤするこういう展開は大好物です。
ふと気になって調べてみたのですが、「写真」という言葉は、フォトグラフィ(初期の「ダゲレオタイプ」)が日本に入ってきた時に翻訳されて作られた言葉……じゃないんですね。自分もそう勘違いしていました。
昔から中国の文献に見える言葉で、「高貴な人物の肖像を精密に描いたもの」に対して使われていたそうです。ピンホールカメラの原理で風景を紙に映してそれをなぞって正確な絵を描く手法も、「写真鏡」というものとしてすでに知られていたとか。平賀源内が使っていたそうで、これも知りませんでした。
本編を楽しく読んで、その上でさらに色々調べて、自分の知識も増やし広げることができるこの作品を応援しています。
作者からの返信
応援コメント、有難うございます。
江戸時代の風俗や言葉遣い、文化などに触れていただくという事もこの小説の要素となっていますのでそう知的好奇心を感じて貰えたようであれば何よりです。
ただ、私も可能な限り時代考証を詰めてるつもりですがやはり『抜け』はあるようで、この前の朝ドラで『格好良い』という言葉は戦後になって普及した言葉だと初めて知り登場人物のセリフを修正したりもしました。
その辺りも寛容になって物語を楽しんで頂けると有難いです。
波の写真とか夜の遊郭を撮ってあげれば… また一悶着あるか(笑) 応為の画号「おーい」説とかもネタにして欲しいです
作者からの返信
応援コメントありがとうございます。
史実でも鉄蔵さんとお栄さんこと葛飾北斎と葛飾応為は西洋の絵画技法を研究してたらしいということなのでこんなエピソードを書いてみました。
富士山を背景にした大波と、光と影で浮かび上がる夜の遊郭の二作品は、未来知識なしに本人らの画才が編み出したという事でよろしくお願いします。