第07話 デートの誘いって……ことだよね?

「できたっ」


豚バラ、にんにく、アスパラガス。2つ並んだグラタン皿は冷蔵庫の余り物で溢れそう。

ついでだ。こいつもいっちゃえ。野菜室の奥で見つけたプチトマト。ギュッと潰して、彩りを添えた。


「オイル〜オイル〜オリーブオイル〜」


オリーブオイルをまんべんなく垂らす。塩とこしょうをパラパラやって、オーブンのターンテーブルに置いた。

あとはひたすら待つのが仕事。出来上がる頃には母さんも仕事から帰ってきてる。

リビングのソファに寝っ転がって、溜まったLINEの退治を開始。


『今週のオーバーロード見た?』

『見た!』

『めっちゃ燃える展開じゃね?』

『ね〜』


一つ潰しても、すぐ次が。

敵が仲間を呼ぶより早く。次から次へ。思いつくまま。攻撃の手を緩めない。三十分かけて、敵の殲滅になんとか成功したけど。


……残ったコレは。


『今週の土曜。時間ある?』


幸矢先輩からのメッセージ。

これは……。デートの誘いって……事だよね?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る