第28話
いろいろな購入手段はあるが、繁忙時の格安航空券は早く予約しないとキャンセル待ちを強いられる。
よって、台湾にいた時もそうだったが、特に夏休みのチケットは3〜4ヶ月前には予約していた。
この案は、4月に思い立った。そして、桂を通じてジャックに伝えることにした。
「パパの機嫌がいい時に言うんだよ。」
桂に言い聞かせた。桂だってパパの性格は十分心得ているが、念のためだ。
何日間か待った。
果たして、一回でパス! だった。航空券の件も、私が蘭のを、ジャックが桂のを手配する(負担する)という公平な提案だったためか、彼はすんなり呑んだ。ガッツポーズした。それほどやりにくい相手だ。
私は台湾の知人友人に訪台の日程を知らせた。二胡の師匠にも、滞在10日の間に、2レッスンはお願いしたい、とメールした。台湾に帰るたびに稽古をつけてもらっている。
それから、今回は羅弁護士に会いたかった。帰国定住後1年半くらいは、パソコン類を一切やらない彼に、たまにエアメールを書いていたが、娘と母が書斎を大掃除してから、羅弁護士の名刺が見当たらなくなってしまい、ご無沙汰していた。
どうしたものか、と考え、現在は西宮市にいるシスター小原に尋ねることにした。
後日、やっと見つけ出したという羅弁護士の事務所の電話番号と住所を知らせてくれた。ありがたかった。
私は手紙を書く前に、以前の住所に変更はないか、電話をかけてみた。
すると、繋がった。が、録音された女性の声で、「我々は引越しました。御用のある方は◯◯◯◯ー◯◯◯◯におかけ直しください。」と言うので
急いでメモを取った。
一瞬ヒヤリとしたが、電話番号はわかった。かけてみるものである。
しかし、本当に羅弁護士はいるのか…… そこはかとなく不安がこみ上げた。日曜日だったが、私は台湾の国番号886をプッシュした。
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