第29話 赤と緑の交わり編 その2

精霊界アストラルサイド

特定の存在以外の侵入はできない


であっても例外はない


エリアさんの部屋は

同様の施しがなされているために

本人の同意がなければ、入ることはできない

そして出ることもできない


『逃げられないのは、わかっていると思います・・・終日の繋がりだけは、どうにかなりませんか??』


もう、懇願するのみのレッド君

エリアさんは、聞こえているが

反応をしないでいる


だと確定しないと離さないなんて、言いだしたら絶交しますからね・・・わかっていますか??』


ひたすらにレッド君がエリアさんに語りかけるだけ

ニコニコしたままでレッド君を見てはいるが

問いかけなどには、一切答えていない


『・・・では、ボイコットしますね』


駆け引きに出たレッド君

一時的に射精を停止させた

システムから伝達させて

機能を断絶させている


流石に、困るだろうと思ったが


『無駄ですわよ・・・終わるまでは抜く気ありませんから~!!』


反応はしてくれたが

効果は無かった


『そうですか、では休憩させてもらいます』


そう言うと、強引にスリープモードに入る

レッド君の中にあるデーモンシステムは

強制的に機能を促進したり停止させたりと

無尽蔵にある欲望を満たすために

抑制させて、爆発できるような仕様となっていて

それを利用すると


レッド君は目を閉じ

睡眠へと移行している


『ちょっと~勝手に寝ないでよ~!?』


これには、エリアさんも

苛立ちを見せていた


しかし、一度眠ってしまうと

簡単には起きないのがレッド君なので


『仕方ないわね・・・一人遊びで我慢だわ』


寝たままでも変わらない状態の

レッド君の上で、起きるまで待つ事にした


最初の数分は色々とレッド君をいじってたりしながら

楽しもうとしていたが

暇を持て余しだして

強制的な睡眠からの覚醒を促そうとし始める


が、しかし

穏やかな寝顔を見ていたら

中断して、普通に添い寝する形で

一緒に横になっていた


『この寝顔を独占ですわ・・・』


接近して、寝息がかかるくらいの距離で

エリアさんは真顔でレッド君を見つめている


優しくて少しエッチなお姉さん

エリアさんは、レッド君を弟のように扱うことがある

今の立場でも昔の立場でも

エリアさんは年上となる


年齢の概念は

ほぼ無いに等しい感じではありますが

見た目で大きく左右されるのだろうか


『寂しいですわね・・・どうしましょうか??』


一旦、立ち上がり

乱れた装束を直している


半裸なままでもよかったが

中途半端な状態で

しかも、レッド君は寝ているから

見てもらえる要素も無い


『また、レッドちゃんに脱がせてもらいましょう・・・うふふ♡』


着衣を整えて

また、レッド君の横に添い寝をしている


結局、レッド君が起きたのは

三時間後・・・


『ずっと僕を見ていたのですか??』


『他にする事もなくなりました、レッドちゃんの可愛い寝顔を堪能しましたわ』


実際の様子は

前半は色々としていましたが

後半は、本気で凝視する感じでずっと見ていた


『相当、恥ずかしいですね・・・エリアさんに見つめられると』


『レッドちゃんが恥ずかしがるのでしたら、もっと見ていますわ~♪』


達観していて

恥じらいなどは皆無に思えるレッド君だが

近距離での視線には

恥ずかしい感情があるようです


『どうしてもエリアさんの眼差しには特別な感情があるのです』


視線を若干逸らすようにしているレッド君は

エリアさんに顔を抑えられてしまう

そして、そのままキスされ


『今だけは、わたくしだけを見つめて欲しいのです・・・恥ずかしいのは同じですわ~!! レッドちゃんを好きな女性はみんな敵であって味方なんですの』


お互いに頬を赤く染め

見つめ合う


『わかりました、自分の心を整理するための意味もありましたから・・・しっかりと向き合うようにエリアさんにも真面目にしないとダメですね』


何を持って心の整理を行うのかは

本人にしかわかりえないかと思いますが

それでも、エリアさんには

ある程度の部分は、わかるのかもしれません


『答えが一つあるのだとしても、レッドちゃんは納得しないままでは・・・その答えも無駄となるのかもしれませんね??』


『・・・でしょうか、まだ半信半疑な状態なのです』


悩みの中で心が揺らいで安定していないようで

物凄く不安で仕方ないみたいな


『元主にまで会ってくるくらいですものね・・・エリアさんはそんな悩める若き魂を導く標べとなりましょう、それが犠牲でも構いませんわ』


『犠牲!? そこまでして僕を導くのなら、一緒に歩んで下さい』


六花りっかさんに対して発言した自分の事を思い出して

そんな発言に対して、同じように返す


『それでこそレッドちゃんですわ、わたくしは巫女でも人柱にはなりませんから』


神への供えとして

巫女を捧げるケースもあって

そんな世界には、閉ざされた未来しか見い出せない

レッド君が導き出す新たな世界を未来を

一緒に支えていきたいと

エリアさんは、ここへの挑戦を同行する形にしたのだから


『本当の最後までは、死んでもレッドちゃんには離れるつもりはありませんわ』


笑顔でレッド君を可愛がるエリアさん

次元を超越した存在の護衛をしていた記憶と共に

育んだ愛を道連れにして

永遠の旅をする


『外界からのアプローチが凄いみたいですが、流石にでも手は出せないのですね・・・素敵な空間ですよ』


完全なる二人だけの空間

精霊界アストラルサイドの一部が

ここに構築されている

密会には最適な専用の個室

用途に関しては私的でも特に問題はないらしい


『基本的な概念が異なりますわ、交わる事自体が不可能ですの・・・うふふ』


『ここでなら、調整しなくても可能かもしれませんね・・・エリアさん!?』


急にレッド君が動き出す

あまり空間の違いを考えていなかったようで

特殊な場所で、概念も価値観も変わるのなら

周期なども関係ないのかもしれないと


『あんっ、積極的なレッドちゃん・・・素敵ですわ~♡』


目的のための行為

しかし、愛が無ければ意味を成せない

確実に定着をさせて

それで、まずへの覚醒を促し


更に、次のステージに進むための準備を完了させる


『可能性が一番高いのは、相性も含めてお母さんラインかエリアさんなんです・・・火属性は特に、順子さんもですかね』


『わたくしは、火と風とありますわ・・・ラインには負けませんの、あの小娘も登山対象としては最適なのに~ライバルとしては嫌ですわ!!』


“小娘=順子”

だと思います、それ以外考えにくいですから

登山対象は標高の高い山が特に好ましいようです


『エリアさんは“山”好きですよね・・・僕も嫌いではありませんけど、エリアさん自体も相当に登山対象だと思うのですが??』


『わたくしの山は、特定の方以外は登らせませんわよ!!』


レッド君の手を自分の胸に当てて

登山をさせているエリアさん

基本的に自分で自分の山を登ることはしない

他人の素敵な山を目指す事に意味があるから


標高と外観は特に重要


純粋に高さだけではなくて

見た目の美しさも評価の対象となる


『僕も登山家として、他の山を登ってもエリアさんは怒りませんか??』


『難しい質問ですの・・・手当たり次第なら激怒しますが、しっかりとした意味での登頂でしたら何とも言えませんわ』


真面目なんだか不真面目なんだか

よくわからない会話


『あ、でも深い理由なんで無いわ・・・そこに山があるから登るのですわよ!!』


真剣に諭すエリアさん

それを真面目に聞いているレッド君


しかし、身体は

レッド君がエリアさんの胸を揉んでいる状態です


『トレッキングには、エリアさんの山は素敵な風景が堪能できますね』


『・・・レッドちゃん、わたくし少しだけ嫌になりましたわ』


やはり自分が対象となるのは

微妙のようですね

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