第27話 黄金の冠

ラビリアさんの覚醒も済ませ

三名のが再びの輝きを戻す


順番的にはエリアさんとなるのだが


どうやら周期が不順で

若干の延期気味なりそうである


『わたくしだけ、不公平ですわ~!!』


他人の責任ではないために

怒りのやり場に困っていた

しかし、次の相手はまだ決まっていないから


突発的に出来たレッド君の休息となる


『僕の原因も調べたいので、少しだけ離席しますね』


そう言うと、ラインさんにだけ行き先を告げて

どこかへ行ってしまった


『あいつ、何で焦っているんだ??』


今までは、特に心配とかしていなかっただけに

何か違和感を持つラインさんだった


『あまり出てこられると、困るのですが・・・いくら特別な権限をお持ちであっても、レッドさん!!』


『申し訳ありません、どうしても会いたい方がいまして・・・お願いできませんかツイールさん??』


順子さんと最初に同行していた

次元の管理者であるツイールさん

世界空間都市で再会していた


『少しだけですよ、数時間・・・数分か限られますからね!!』


若干、苛立ちを見せる

レッド君は、終始申し訳なさそうに頭を下げていた

特別な存在でも勝手に全てできるわけではない


太陽のように輝く扉


二人はその扉を開けて

中に入っていった


殺風景な世界が広がる

不思議な空間

扉を出てすぐに一軒の建物がある


そのままその建物へ入っていった


『失礼致します・・・レッドさんが会いに来ましたよ~』


外観は3階建て程度に見えたが

内部は、お城のように広がっていた

エントランスが吹き抜けで

空中にシャンデリアのようなオブジェが浮かんでいた


『は~い・・・レッドさんですか??』


『お久しぶりです、遊びに来ました』


正面の階段からドレスを着た少女が降りてくる

段を飛ばし、最後はジャンプでレッド君へダイブ


『・・・相変わらず、危険な行為ですね』


『レッドさんなら受け止めてくれると信じてますから』


見た目、レッド君と同年代に思える

幼き姫のような

気品のある感じだが


『ここへは、遊びにではありませんよね・・・まだ、終わってませんもの』


『まぁ、そうですが半分は遊びに来たと思って下さい・・・その方が楽しいかと』


いつの間にか、個室へ移動していた

どうやらお姫様のお部屋のようです


『手短にお願いします』


『わかってます、ツイール』


中央のテーブルを挟んで

レッド君とツイールさんが並んで座っている

対面にドレスのお姫様


『子供が出来ないのは、自分の責任ではないかと思うのですが・・・』


『デーモンシステムの不具合かしら、それとも電脳異空間アナザースペースのバグかしら・・・ちょっと待ってね』


メルヘンチックな装いに場違いな

空間に無数のモニタが現れる

ドレスの少女が次々とタッチしては何かの文字が表示されている


『不具合やバグは見られません、珍しいと思いますが確率の問題みたいです』


『そうですか、確率ですか・・・わかりました、楽園まで持ち越しになるかもしれません・・・その時はよろしくお願いします』


『他の部分でログが蓄積しているようですから、お掃除しておきましょう』


『ありがとうございます・・・』


再び空間に無数のモニタが出現している

今度はレッド君の周囲にもある


『これでよし・・・あまり無茶しちゃダメよ』


『わかりました、注意します』


レッド君とツイールさんは建物を後にした

そして、世界空間都市に戻ってくる


『ツイールさん、ありがとうございました』


『あまり言えませんが、気にしなくていいです・・・あ、順子さんには内緒ですよ・・・彼女はラインさんと違って危険ですから』


頷き、握手をして

キスを交わす


『ツイールさんも対象にすれば面白かったですね・・・』


『まだ、間に合うと思いますが・・・準備だけはしておきますよ』


である彼女も対象にはできるようで

ツイールさん自体もレッド君に対しては

嫌いではないようです


『・・・その様子だと、現状維持だったか??』


察したように

戻ってきたレッド君を抱きしめるラインさん


『確率らしいです、子供は・・・』


『そうか、順子じゃあるまいし固執しなくてもいいだろ』


苦笑いのレッド君

ラインさんの言うように

固執の必要はないが

やはりとして、考えているようで


には最低限欲しいです』


『じゃあ、私のだよな??』


ラインさんの問いかけには

答えずに居なくなってしまう


『嘘でも、そうですって答えてくれよ・・・レッド』


相当凹む形となった

まあ、別に決まったわけではないので

順番に全力を尽くすのみだと

密かに闘志を燃やしていた


『ゴールドクラウンのシステムには異常がありませんでした・・・』


『あら、レッドちゃん・・・ゴールドクラウン??』


独り言を聞かれてしまった

かなりのシークレットだったが

ごまかすように


『ええ、今後始まるアニメなんですが・・・』


『レッドちゃんもアニメの話題をすると、年相応よね~うふふ、可愛いわ♡』


抱きしめて、そのまま自分の部屋までお持ち帰りしてしまう

順番的に次はエリアさんなので

特に問題はないだろう


『レッドちゃん、あまり変なこと喋らないようにしないとダメよ~』


『すいません、エリアさん』


話を合わせたのは

エリアさんも内情を知る存在だから

さっきの会話を別に聞かれても

問題のないようにと


『お姫様は元気だったのかしら~??』


『はい、元気でしたよ』


エリアさんとレッド君の馴れ初めに関わる

重要な案件

のひとつとなる


ラインさんの幼馴染であるエリアさん

これは、別の機会に詳しい関係を語りますが

それとは違う世界で

レッド君とエリアさんは

さっきのお姫様の護衛の部隊の一員として

仕えていた


『三人で楽しく夜を過ごして・・・』


『エリアさん、それ以上はダメです!!』


『え~、何でよ~レッドちゃんだって~』


膨れるエリアさん

過去の話をしようとしたが

レッド君に止められる


詳しい内情ではないから

これに関しては、話をするのは問題ないが


関連で流れを漏らす可能性があるために

レッド君はエリアさんの続きを止めることにした


『じゃあ~レッドちゃんが物理的に止めてくれないと~ダメかも~しれない』


急に甘え出すエリアさん

普段、口では比較的

積極的な発言でレッド君を誘惑するかのような形ではあるが

実際に行動にはあまり出ない


『エリアさんが一番、理性を持っているから・・・乱れた姿を想像しにくいです』


『ふふふ・・・そんな恥ずかしい姿、滅多に見せませんよ~』


これこそエリアさんの真髄

レッド君にだけ見せる、本当の恋人モード


『調整もそろそろいい感じみたいですから、エリアさんとのランデブーを始めましょうね・・・よろしくお願いします』


『こちらこそ、改めて・・・よろしくお願いしますわ~♪』


四人目の覚醒を促す行為

隠された過去と共に

燃え上がる再びの想い


『・・・事の前にすまんが、レッドのエキスを少しだけ分けてくれないか??』


『わっ!? ライン・・・幼馴染でも許されざる行為ですわ~!!』


珍しく苛立ちを見せるエリアさん

ラインさんが申し訳なさそうに、お願いしている


『いいわ、でもラインが最有力ですものね・・・媚びるのも悪くないわ、貸しにしとくから』


『・・・エリアには色々と世話になっているからな、これがなくても考えていた事だ・・・レッドはお前のものでもあると』


言うと同時にレッド君を抱きしめて

キスを何回もしている

どれだけ、欲求不満なのだろうかと思うくらいに


『はぁ・・・これがなければ、素敵な親友なのですが~まったく困ったものよね』


ラインさんの禁断症状に対し

理解はしているが

やはり、呆れてしまう


『ほらほら、もういいですわよね!! 去りなさい!!』


強引にレッド君から引き離す

泣きながら部屋を出て行ったラインさんだった

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