第26話 黄昏の蜃気楼編 その6
『お前の分身が暴走したようだな・・・』
『あそこまで出力するとは、想定外でした』
リーアさんをラインさんのシステムとして組み込む作業を行っている
既にリーアさんの姿は無く
ほぼ転換が完了していた
『十時間かからず終わりそうです』
『そうか、お前の作業はいつも手早いからな・・・』
ラインさんはラビリアさんの頭を撫でようとしたが
全力で阻止される
『すいませんでした、僕のミスでラビリアさんを失う事になるなんて・・・』
『仕方ないわよ、レッド君はよくやったわ・・・よしよし、なでなで』
氷機の殲滅を完了させ
浸食された空間も復元させて
無事に帰還してきた一行だったが
何故か、しんみりモードだった
『勝手に私を亡き者にしないでくれませんか!!』
システム転換の作業を終えて
ラインさんと帰還を待っていたラビリアさんが怒鳴っている
それは、当然でしょう
別にラビリアさんは死んでいないし
ミスはあったのかもしれませんが
別に分身のラビリアさんも意識が無いだけで
死んではいない
『順子・・・お前は、レッドに触り過ぎだぞ!!』
『あぅ!? 痛いです、ラインさん殴らないで~』
謎の茶番を行ったレッド君と順子さんは
それぞれ怒られていた
『これは回収して、戻します・・・勝手に死んだ事にしないで!!』
『すいません、どうしても衝動的に順子さんと思いついてしまいました』
分身のラビリアさんを回収して
元の状態へ戻る
記憶や、行動など全てを共有する
『・・・レッドさん、そういう趣味ですか・・・言ってもらえれば私も
『あ・・・すいません、拉致されます僕~』
ラビリアさんとレッド君が消えるように出て行った
最終調整もあることですし
仕方ないと思いつつも
『・・・まだ、やるんですか?? 十分じゃないの、あたしも子供欲しいわ~♡』
『順子・・・もう少し言い方に気を付けろよ、女性として恥ずかしいじゃないか』
ラビリアさんがレッド君を連れて
この後の行動を羨ましがる順子さんに
恥じらいを感じるラインさん
『この世界では女性同士でも可能なのですよね、ラビリアさんから聞きましたよ・・・順子さんとネメシスの子供ではダメなのでしょうか??』
少し遅れて戻ってきたネメシスさん
現地に忘れ物をしたと
一緒に帰還中に引き返していた
『あたしは、レッド君の強い遺伝子がいいの!!』
『ネメシスさんも比較的に強いですよ・・・ねぇ、順子~??』
逃げるように順子さんは消えた
左右を見渡して、ラインさんにウインクして
ネメシスさんも追いかけるように消えた
『・・・戦力としては優秀なんだけどな~リーアも順子には苦労しただろ??』
システム:リーア(そうですね、順子さんは・・・ラインさんと同様に苦労しましたね、火属性は特に厄介だと感じました)
苦笑いのラインさん
自分も過去のリーアさんとの対峙を思い出す
相当に色々とあったから
と、一人思う
『積極的なのは嫌いではありませんが・・・感化されましたか??』
ラビリアさんに連れられて
部屋にやってきたレッド君
ベッドに押さえ込まれた状態で
『レッドさんが悪いのですよ、私をこのようにした責任を取ってもらいます』
息を荒げ
自分とレッド君の服を外す
『衝動を抑えるためとは言え、強引にしたのは間違いでした』
『今は、どうでもいいです・・・ただの盛りの付いた男女です』
色々なラビリアさんを堪能できるのは
悪いとは思わないが
圧倒的な性欲を起爆剤にしようとした反動
『ラビリアさんの好きにして下さい・・・』
既に始まっているので
今更な感じですが
改めてのレッド君
それを聞いているのかわからない状態で
無心のようなラビリアさんは
強引に事を進めている
『覗きはよくありませんよ・・・エリアさん??』
『いいのですわ、レッドちゃんには了承済みですの』
『なかなか見れないぞ、他人の情事なんて・・・参考にしよっと』
エリアさんとロキちゃんとオーディンちゃんが
レッド君とラビリアさんの様子を伺っている
特に見る以外は
アクションをしなければ
把握されることは、難しい
レッド君はエリアさんの意識というか
存在の証明をする印のようなものを
システムで感じることができるらしいので
事前にエリアさんはレッド君から了承を得ていた
覗くだけの約束で
『ラビリアってあんなに激しいヤツだったのか??』
『レッドちゃんを相手にしているからですわ、彼は特別ですもの』
『(;゚д゚)ゴクリ…ソワソワ』
食い入るように見る三人
特にオーディンちゃんは、真剣に見ている
『なぁエリア、これ・・・声って聞こえないのか??』
『世界が別ですの、姿も声もあちらには届きませんわ』
レッド君とラビリアさんの行動と言葉などは
聞こえているから
ロキちゃんは心配になったようです
しかし、そんな心配を煽るようにレッド君は
状況を把握しているようにラビリアさんに語りかける
『そう言えば、エリアさんでしたら筒抜けで覗き見できますよね??』
『・・・はぁ!? 本当ですか、あ!!』
急に周囲を伺う素振りをする
時折目線がちらつく
『おい、エリア・・・バレてるじゃないか!!』
『レッドちゃんのギミックですわ、驚かそうとしてますわね』
ラビリアさんもロキちゃんも
完全に驚きを示す
エリアさんは、レッド君の悪巧みだとわかっているようで
あまり、驚きはしていない
『まあ、いいわ・・・見せつけてやろうじゃない!!』
開き直ったように
ラビリアさんがレッド君に対し固執するような愛撫を始めた
『レッドちゃんは、これが狙いですのね・・・いやらしいわ~♡』
ニヤニヤしているエリアさん
確実に煽るような感じで
羞恥プレイでもしているみたいな
『レッドはこんな事をしてくるのか・・・ロキちゃん耐えられるのかな??』
その内に順番が来るから
その際の事を少しだけ・・・想像したロキちゃん
頬を赤くしていた
『次回、分身のフィードバックを元にレッドさんと楽しみたいです・・・今は私の欲のはけ口でごめんなさい』
レッド君の上で自分の好きにしている事を謝るラビリアさん
欲望のままに行動してしまったから
途中から、泣き出してしまう
『別に泣く事はありませんよ、僕を堪能させてくれた事には変わりありませんからね・・・証を沢山、ありますよねラビリアさん??』
『・・・はい、ありがとうございますレッドさん』
自分だけではなくて
しっかりとレッド君も楽しんでくれた事を
物理的に把握しているから
嘘ではないんだと、再びの涙
『あれをロキちゃんもされたら、泣くぞ・・・耐え切れん』
『そんな魅力的なレッドちゃんですわ、感化されてオーディンちゃんも失神してしまってますし・・・戻りましょうか??』
そっと三人は部屋を後にした
実際、気付かれてはいない
レッド君もハッタリ気味の発言だっただろう
本当に見ていなくても
ラビリアさんには効果はあると思って
日頃の行いのおかげだと
エリアさんは満足げに語るだろう
『周期も確実に定着できる日にちを選択してくれたのですか・・・レッドさんの今度こそ子供を・・・私に授かる事を祈ってます』
『そうですね、事象で一度も成功していませんから・・・そろそろあってもいいかと思います』
女神も覚醒の順番も周期の関係で
より定着させやすい日にちを計算していて
データ化された世界にあっても
クローン的なものではなく
ちゃんとした、お互いの遺伝子を
自然の摂理と共に残した仕組みで
『ここまで来ると、僕に問題があるのかもしれませんね・・・調査では有精でしたけど・・・実は定着しにくいとか』
受精する相手ではなくて
放出する自分に問題があるかもしれない
一応、検査をしていて
問題はなかったが
複数の女性を相手にしているだけに
流石にそろそろ、疑問に思ってきているようです
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