第24話 黄昏の蜃気楼編 その4

『また、私から始まるのか・・・ある意味、主人公だからいいが』


苦笑いのラインさん

目の前の三名を前にして

察したようで


『お久しぶりですラインさん・・・リーアです、覚えていますよね??』


無視して部屋を出ようとしたので

不安そうにラインさんの前にスッと移動して

すがるように尋ねた


『・・・冗談だ、お前を忘れるは偽物だと思うぞ』


少し涙目なリーアさんに

ジョークは地味に通用しないのかと

頭を軽く抑えながら

椅子に座った


『ラインさん、あまりリーアさんを心配させないで下さい・・・これからの作業に影響したらどうするんですか!!』


そんなラインさんを睨むラビリアさん

相当にデリケートなシステム転換の作業を前に

該当同士の問題は厄介でしかない


お母さんラインらしいですね、ふふふ』


『レッド・・・いつの間にか、私を呼び捨てにしてないか??』


文字情報的には

ルビにしか入っていないが

呼称としては、呼び捨て扱いとなる


『文章的に面白いかと思っただけです、嫌でしたら戻します・・・』


『い、いやいい・・・私的には、嬉しいからな』


ではなくて、としての自分がいいと

アピール的にも差を付ける意味でも


『・・・レッドさん、フラットじゃないじゃないですか!!』


今度はレッド君を睨んでいる

フラットだと言っても

元々のアドバンテージは相当あるから

かなり突飛な行動でもしないと


何事もなく、ラインとなってしまう


それは、ラビリアさんだけが

思っている事ではなく

対象となる、他のたちも

終始、狙いに来るから


『ラビリア、リーアとのリンクはどのくらい要する??』


『・・・十時間程度は必要です、残念ながら』


二人同時にレッド君を見ながら

ため息をついている


十時間も、レッド君を野ざらしに晒すことになる

猛獣の棲む地へ、餌を放り込むようなものだ


『リーアが少しだけ、ラビリアさんに加担しましょう・・・』


レジェンドクラスの

そんなリーアさんの神業オーバースペックのひとつ


影分身シャドウミラージュですか!?』


ラビリアさんがもう一人現れた

褐色の肌・・・2Pカラーとでもいいますか


『分身ラビリアですわ・・・レッド様のお相手はわたくしは致しますの』


少し気品が向上した、不思議な感じのキャラ

本体が嫉妬するくらい

積極的な行動で迫っている


『リーアさん!? 私ではない私が暴走しているのですが!!』


『あ、平気ですよ・・・分身の感覚は共有されますので、元に戻った際は・・・うふふ♡ リーアからは、恥ずかしくて言えませんって~♪』


顔を真っ赤にして

ラビリアさんの腕を軽く叩く

分身は自分の影に該当するらしい

感覚以下全ての記憶や行動など

元に戻ると自分が経験したと同じ扱い

というか、した事になるようです


『面白いラビリアさんを相手にできるのは、僕も楽しみですね・・・あ、でも内緒にはできないのでした』


何をする気だったのでしょうね

どちらにしても、ラビリアさんをへと覚醒させたレッド君は

余韻を楽しむように

最終調整を行うため


まだ、ラビリアさんとの行動を共にする必要があります


『レッド・・・影でも問題ないのか??』


『不十分です、ですから少しだけなんですよねリーアさん~♪』


『あ、はい・・・その通りです』


何故か、ニコニコしている二人

不信にしか思われない


『十時間分、しっかりとレッド様を独占致しますわ』


『不本意ですが、よろしくお願いします』


ラビリアさんは、ラビリアさんと握手している

不思議な光景だ


『影とは言え、無茶するなよ・・・レッドを頼むぞ』


『はい、・・・いってらっしゃいませ』


一瞬、ラインさんが影のラビリアさんを殴ろうとしたが

すぐにレッド君が制する


『戯れですよ、戯れ・・・お母さんライン


『・・・ああ、そうだな!!』


明らかに苛立ちに満ちている、が・・・

リーアさんとラビリアさんに引きずられるように

ラインさんもラボに消えていった


『申し訳ありませんでした・・・レッド様』


『いえ、問題ありませんよ・・・ラビリアさん』


殴られそうになったために

怯えているラビリアさん

しかも涙目である


内面的な部分が強く出ているようです


『僕があなたを守りますから、安心していいですよ』


『はいっ、ありがとうございます・・・レッド様~♪』


満面な笑顔をレッド君に振りまいた

思わぬ不意打ちにラビリアさんに抱きついてしまう


『きゃぁ!? レッド様、何をなさるのですか??』


『ごめんなさい、僕があなたを襲ってしまいました・・・理性ギリギリです』


基本的に、終始理性で押し切るレッド君ですが

この手のギャップに弱いみたいですね


ラインさんも過去に似たような状況があった際も

レッド君は暴走気味にラインさんを襲っていましたから

抑えている分、外れると止まらなくなるようです


『・・・レッド様になら、わたくしは壊されても構いませんわ~♡』


目を閉じて

無防備にレッド君に晒すラビリアさん

完全に、GOな状態


抑える意味もないから

なし崩しに、が動き出す・・・


『・・・リーアさんが加担していたとは、想定外でしたわ~』


密かに成り行きを把握していたエリアさん

ラインさんの世話から一旦解放された

ロキちゃんとオーディンちゃんと

レッド君の攻略についての作戦会議を再開させていた


『特別枠な二人は、あくまでも一員でしかない』


『それでも、構わないと思ったから・・・でも』


全愛の楽園ハーレムエンドの住人であれば

レッド君とは触れ合うことは可能である

である必要はない

そう思ったが・・・少しだけ、後悔していた


『わかりますわ~、レッドちゃんの魅力を知ってしまうと・・・でも、もう変更はできませんわよ・・・それで、わたくしに加担するのですわね!?』


渋々なのだろう

今の発言で頷かなかった


『仕方なくなんだ、アンタが一番楽しめそうだったから・・・…(;´Д`)ウウッ…』


『本当はトールちゃんと一緒にがよかったの・・・でも、でも、(´⌒`。)グスン』


急に泣き出す二人

エリアさんの豊満な胸に包まれて


六花りっかちゃんが悪いとは言いませんが、トールちゃんと共謀するとは思いませんでしたわね~驚きでしたわ!?』


派閥のような形で

それそれがレッド君を狙う陰謀のような企みを練っているようです


エリアさんは、トールちゃんと六花りっかさんの二人が

仲良くなった事を物凄く不思議に思っている

素振りはあったが

それは、あくまでも一過性だと感じていただけに


『今は好きなだけ、お泣きなさい・・・わたくしの胸の中で』


そして、そんな共謀中の

トールちゃんの部屋にて


六花りっか様、本当にトールとでいいのですか??』


『自分は可能性が薄いようだから、トール殿を推薦しようと思う・・・だから、協力させてもらいます』


レッド君包囲網の一部

特に六花りっかさんは

辞退ではないが、自分がにはならないだろうと

思っていて

その分、自分を慕ってくれる

トールちゃんの過去の繋がりから

同じ六色の悪魔シックスカラー同士で

もっと仲良くなれるのでは・・・

そんな期待をしていて


『隊長殿がおそらく、最有力だと思うのですが・・・転覆を狙うには、相当のギミックを必要とするかと』


『はい、そうですね・・・トールは単体での勝ちはありえないと、三賢者の再結成をレッド君が促した時点で・・・更に負けに近いと感じました』


どうやら、トールちゃんは

最初にロキちゃんとオーディンちゃんを招集を

レッド君は反対すると思ったみたいで

すんなりと進んだために

自分が該当者に成り得ない判断したようです


『トール殿・・・捨て駒に仲間を使うのは、個人的にオススメできません』


『捨て駒にはなりませんよ、全愛の楽園ハーレムエンドは単体では成立しませんから・・・』


六花りっかさんを自分の部屋に招いたのには

作戦会議をする名目で

イチャイチャする目的があった


そのための準備も万端で

基本性能パッシブとなる

催淫効果のある技能スキルを部屋に施してある


『負け戦を視野に動くのは、最後まで勝ちを意識しませんか??』


これは武人だからというよりも

負けず嫌いな性格だからでしょう

になれなくても

とりあえずはレッド君と共に歩めるから


『そうですね・・・六花りっか様の言う通りです、トールも最後まで頑張ってみます!!』


改めて、トールちゃんのやる気が

再び六花りっかさんと共に奮起する決意として

新たな火種を発生させることになる


『今の十時間は、取り越し苦労となりそうですわね・・・しかし、それ以降の追い込みはレッド様を激しく取り合う事となるでしょう』


『そうみたいですね、折角分散させるようにしたのですが無駄でした』


ある程度の組織的な形成が完了した


ラインさんとラビリアさんは

元々共有している部分も多いため

事実上のコンビのようなもので


順子さんとネメシスさんも

腐れ縁みたいな形


にわかだが

ダークホース的な

エリア・ロキ・オーディンによる

新生の三賢者


トールちゃんと六花りっかさんのコンビも

再び動こうとしている


四団体による

レッド君のバトル


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る