第22話 黄昏の蜃気楼編 その2
駐屯地の敷地内の宿舎の建物の各所で
様々な“愛”が育まれている
その最たる場所は
ラビリアさんの部屋でしょうか
『積極的なラビリアさんも悪くないですね~ふふふ』
レッド君を寝かせて
ラビリアさんが少し荒げていた
『自分の感度を調整、特に攻めに関しての興奮を高めてみました』
眼鏡が少し曇っている
上昇させている室温と
相乗させるための空気中の興奮剤の濃度
『アロマ的な感じですか、僕にも効果あるのですか??』
『・・・多分、あると思いますよ』
言葉少なく、レッド君を攻めている
身体から滴る汗
ラビリアさんからレッド君へ伝わる
『凄く、素敵ですね・・・ラビリアさん』
『私自身でも制御できなくなるかもしれません、レッドさんを求めるのみです』
理性と本性の境目
ギリギリの崖の上
既に空へ構築される空虚の橋
見たことのない理想の空のお城
目的地は楽園にも似た幻の場所
『欲望に解き放たれた世界は、楽園へと繋がる・・・全ての愛と共に』
『
虚ろな瞳のラビリアさんは
欲望に忠実に、ただ大好きな相手を求める
『
『楽園・・・レッドさんの楽園』
理性が完全に飛び
本性のみで行動する
最も艶やかな姿でラビリアさんは女神への頂きに登りだす
『
既に臨界点を突破しつつあるラビリアさん
もう、レッド君しか見えていない
まだ、理性を保っているレッド君は
冷静に彼女を女神へと覚醒させる手順を
『ここまで強力だとは思いませんでした、僕が理性を失ってしまうと計画が頓挫してしまいます・・・ラビリアさんが素敵すぎて、ダメかもしれません』
踏ん張ってギリギリを保っているようですが
順調に進行できていないみたいです
『レッドさん~!! 一緒に壊れましょ~!?』
激しく心身を揺さぶってくる
目の前の素敵な風景と
聞こえてくる悪魔の囁き
『
何度も襲ってくる刺激に
耐えつつ、自分の限界を迎えそうになっている
そんな客観的なもう一人の自分からの声が聞こえてきた
レッド:(流されたとしても、彼女を導くことは出来るぞ・・・)
レッド:(それでは意味がないのです!!)
レッド:(結果は同じだから、問題はないだろう・・・)
レッド:(過程が重要なんです!!)
レッド:(欲望に抗うのは、
レッド:(
レッド:(何を恐れている、素直に委ねればいい・・・)
レッド:(そうだな、素直になればいいだけだ!!)
レッド:(そうだ、それでいい)
レッド:(ふっ!! 自分を欺く事になるとはな・・・面白い)
刹那的な葛藤の戦いが終了する
理性でも本性でも
素直に自分を欺くのみ
『さて、再開しますか・・・ラビリアさん、お待たせしました』
『・・・レッドさん??』
上の空のラビリアさんを抱え
空間を渡り
瞬間、別世界へ
『一度やってみたかったのです、すみません少しだけ付き合って下さいね』
見知らぬ景色
荒廃した黄色い大地
『
移動の影響で正気を戻しているラビリアさん
順子さんの天球ではなく
未知の世界へ来ていた
『はい、ちょっとだけ自慢したかったので・・・あなたをね』
『私を自慢ですか、リーアさんに??』
神秘的な黄色い大地は
別名で
幻想の風を起こして
世界を停止させた元凶
『レッドさんですか・・・それにラビリアさん』
『お久しぶりです、リーアさん』
闇に染まる紫の髪
漂う混沌の空間に
三人の影だけが主張していた
『ラビリアさんとの愛し合う姿を自慢しに来たのですか!!』
『はい、その通りです・・・どうですか彼女は、素敵だと思いませんか??』
昔の彼女に今の彼女を紹介するくらいな感じで
リーアと呼ばれる紫の少女の場所へ
レッド君はラビリアさんを連れてきた
『ラビリアさんも拒否くらい出来なかったのですか?? 相当、恥ずかしいと思いますが・・・何があったのです!!』
『堂々とレッドさんの相手として、同行しただけです・・・
売り言葉に買い言葉
今のラビリアさんに、何を言っても無駄でしょう
それだけ、恥じらいを捨てて
レッド君攻略に全力だったから
『ラビリアさん、リーアさんにも彼氏はいますよ・・・ね??』
『・・・今は、
怒らせてしまったようです
別にリーアさんは元カノではないですが
レッド君とは面識もあり
深い関係でもあるから
わざわざ、来たのですが
『レッドさんはリーアさんを愚弄しに来たのですか?? でしたら、私にも考えがありますよ・・・』
『半分そうですけど、目的は違います・・・ラビリアさんの覚醒のためです』
女神の覚醒に関わる重要なファクターを有する場所
大地の石とも言えるラビリアさんが保有する
トパーズ
土属性の宝石
世界最大の山を有するこの地で
『女神覚醒の促進ですか、あまりいいことではありませんよ!?』
『ふふふ、レジェンドには限界があるのですよね・・・僕なら、そんな限界は無用です・・・デーモンシステムを使えば』
否定的な形でレッド君の行動を阻止しようと
リーアさんが動こうとした
『止めないでもらえますか、私が望んだ事です・・・それに、既にあなたには関係ありませんから』
ラビリアさんは自発的な意味合いだと
一旦、レッド君から離れて
リーアさんを制するように
『何をするのですか・・・リーアには、無駄ですよ!!』
『ふふふ、レッドさんの能力を知っているのですよね・・・それなら、わかるはずですよ・・・私がどうなっているかも』
明らかに震えているリーアさん
ラインさんや順子さんを圧倒するだけの
レジェンドクラスの女神で
幻想の風に対して最も力を持つ存在なのだが
傍観が基本のため
あまり突飛な行動ができず
無尽蔵に繰り返された事象の渦中のレッド君の能力が
危険だと把握している
でも、自らの限界以上だとしても
制する事をしなくてはならない
『リーアに引く事はできません、雲泥の差は熟知しています・・・』
『僕は、協力だけで・・・あなたを対象にするつもりはありません』
本人ではなくラビリアさんが迫ってくる
自覚のある操作された状態
『抗わずに、事象を受け入れて下さい・・・私と一緒にレッドさんと楽しみましょう~リーアさん、うふふ♪』
『レッドさん・・・卑怯ですよ、ラビリアさんを使うなんて!!』
レッド君を睨むリーアさん
女神ではない状態の相手に対しては
基本的に、何もできません
それが傍観の鉄則、らしいですが
『順子さんが
『・・・そんな事言われても、すぐに変われませんよ』
涙目でラビリアさんの愛撫を受けるリーアさん
レジェンドの呪縛を壊し
自由の身となっても、まだ長い悪夢を見続けている
『レッドさん・・・リーアさんも対象に入れればいいじゃないですか、私はこの味がたまりません』
『ひゃっ!? ラビリアさん、ダメです・・・そんな所を舐めるなんて』
身震いして悶えるリーアさん
ラビリアさんが密着して愛撫を続けている
『今はまだ、対象には足りないかもしれません・・・僕との関係は深いですけど』
『それなら、リーアをいぢめるのは止めて下さい・・・無抵抗の相手を泣かせるのは楽しいですか!!』
気丈にしているが
完全に弄ばれる状態で、何も出来ない
身悶えながら耐えるのみで
『心を私に預けて下さい、リーアさんも快楽に溺れればいいのです』
支配下ではあるが
自覚があって、自ら進んでの事なので
本心からの言葉を述べるラビリアさん
『何が怖いのですか?? レッドさんでは不満ですか?? カモンさん以外ではダメって事ですか?? 私が不服ですか??』
ラビリアさんは質問を連続でしている
震える身体から、徐々に自分の変化に否定的な感じで
レッド君を睨み続けるリーアさん
『これに意味を見出すのは、嫌です・・・どうしてこんな事をするのですか』
『楽園には愛が必要なんです、あなたもわかっているはずですよ・・・救う術を』
言葉では効果がないと判断したレッド君は
ラビリアさんと共にリーアさんを愛撫し始める
快楽の虜までは、無理でも
悦びくらいは、知ってほしいと・・・
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