第21話 黄昏の蜃気楼編 その1

臨時メンバーを増やしすぎだと

ラインさんは、レッド君に問い詰めていた


『全く・・・お前は何がしたいんだ??』


『嫉妬ですか、僕は確実な方法を求めただけです・・・』


困った顔のラインさん

自分が指示を出しただけに

少し、身勝手な行動をしつつあるレッド君を呼び出し

話をしている


『少しでも戦力はあった方がいいのはわかるぞ、でもな・・・お前への影響が心配なんだが、どうなんだ??』


『僕の身体の心配でしたか・・・多少は影響しますよ、三賢者ですからね・・・死にはしませんが、疲労は蓄積します』


的外れな感じがしている

本心を語ろうとしないラインさん

それを、特に追求しないレッド君


質問に淡々と応えるだけ


『はぁ・・・すまん、私が嫉妬しただけだ・・・もう帰っていいぞ』


急に心が折れるラインさん


『わかっている、わかっているのだが・・・どうしても他の女とイチャイチャしているレッドを見ていられなくて』


本音で語り出す

ラインさん的には、無駄な事だとわかっていても

どうしてもレッド君を自由にしているのが、嫌みたいです


『“”と言ったのはあなたですよ、僕は近道を進む方がいいと思っていますからね』


去り際に、キスをして退室していった

本命が誰なのか、微妙な立ち位置で進めるレッド君


『あ、待てレッド!? まただよ・・・あれをされるとダメだな』


何気ない感じで挨拶のようにするキス

自分がレッド君に教えたから

今更ではある

しかし、感情を含めて考えると

全く別の意味となる


『レッドさん、何かあったのですか??』


ラインさんの部屋を出たところにラビリアさんと遭遇する

ニコニコしていたレッド君だからでしょう

質問をしたのは


『はい、お母さんラインに呼び出されました』


呼び出しは基本、注意などの指示をする事が多い

だから、ニコニコしているレッド君が不思議に思えて


『また、ラインさんに何かしましたね・・・あの方は不安定ですから、気をつけて下さい・・・特にレッドさんは影響力あるのですから』


世界を管理するの頂点たる存在

最も有力な二人

ラインさんと順子さん


お互いに別の世界を管理する立場にあるが

今は順子さんが出張する形で

二人が一緒に戦う状況


大胆で圧倒的なボリュームの胸に

身長差はあるが、夢いっぱい詰め込んだ

愛の溢れる女性


『定期的にふれあいをしないと、ダメみたいなので・・・自分でもわかっているみたいですよ、だから僕を呼び出すのかと思いますよ』


『頻度が増えているのは、逆に抑制しなくてはなりませんね・・・』


話を聞いて、警戒を改めるラビリアさん

ラインさんの管理をしている形なので


『その辺も含めて、次はラビリアさんとの流れですから・・・ラインさんのお世話役を増やしました』


順子さんとネメシスさんは元々の計画の中だったようですが

ロキちゃんにオーディンちゃんは、追加になる

今、トールちゃんにラインさんを世話するように頼んでいるレッド君


『私がラインさんを見れない程の独占なんですね・・・私、レッドさんと一緒』


急に妄想してしまったラビリアさん

六花りっかさんとトールちゃんがへの覚醒を遂げて

順番はラビリアさんへと移行しようとしている


『私の一番は常にあなたですから、バトルには負ける気はありません・・・ラインさんにも引導を渡すつもりで全力で挑みます!!』


『ふふふ、頑張って下さいね・・・あくまでも僕は受身です』


”と付けただけで

実際は受身なレッド君では無い事は

ラビリアさんもわかっているようです


『私には、駆け引きは無用ですよ・・・翻弄出来るのはラインさんくらいです』


『わかっていますよ、ですから受身なんです僕は・・・ふふふ』


レッド君も簡単には攻略できない事はわかっています

この世界で出会っただけに

当面は主役な流れが続き

ウブなラビリアさんを堪能したからこそ


『本当の意味での恋愛を出来ると、僕は今回の中で一番楽しみにしています』


形式的な順番で巡ってきているだけに

少し微妙な展開ではありますが

ラビリアさんとの恋愛を特に待っていたみたいです


『これは、私を本気で落としに来るのですか?? 妙に緊張してきました』


『当然ですよ、六花りっかさんにもトールさんにも全力で恋愛しましたから、その流れはラビリアさんにも適応させるつもりです・・・まあ、受身ですが』


終始、をアピールしているレッド君

既に駆け引きは始まっている

お互いに牽制しているのが、お互いにわかっている状態


『無駄だとしても、簡単には止める事はできませんね』


『お互い様です、私もレッドさんも性質上どうしようもありません』


わかっていても、やめられない

ぎこちない二人ですが

これが、思った以上に嫌いじゃない・・・らしい


『私の世話役で、あいつらを呼んだのか・・・面倒な隊長で申し訳ない』


流石に部屋の前で、ずっと話をしていたから

一通り、調整を済ませたラインさんが出てきて

会話を中断するように二人を掴んで移動する


お母さんライン立ち直りましたか??』


『お前、達観しすぎだぞ・・・もう少し、母親としての立場を頼ってくれよ』


引きずられながら、さっきのラインさんを見たレッド君は

心配の様子


『ラインさん、私が一時的に離れる際に助っ人を複数用意したそうですから』


『お荷物な隊長が心配で仕方ないだろうな、有能な軍師は・・・』


嫌味に思える発言

自分の特にメンタル面での弱みを

ラビリアさんやレッド君の心配されるラインさんは


『せっかくの準備だから、お前達の邪魔をしないように私も素直に世話されよう』


ラビリアさんの部屋に二人を放り込み

そのまま居なくなった


強引に二人きりになる


ラインさんはトールちゃんと合流して

新たな体制を思考させる


『ライン隊長、三賢者はあなたの支配下で忠実にの殲滅にご協力いたしますよ~』


『ああ、色々とすまないが・・・よろしく頼む』


トールちゃんは正式な隊員ですが

ロキちゃんとオーディンちゃんはにわかの臨時隊員となる


違う次元から来ている

基本的に別世界の女神チャレンジャーとなるため

戦いのみで短期滞在となる

しかし、今回四名のが長期滞在となる

順子さんは基本性能パッシブで適応可能なのでそのままだが

ネメシスさんは非対応だったために

ラビリアさんが処置を施した


ロキちゃんとオーディンちゃんは


電脳異空間アナザースペースの影響を受ける事はないのはラグナロクの恩恵か??』


基本性能パッシブな対応があるみたいですが

詳細については、本人は不明だと


『どうなんだろう・・・ロキちゃんは詳しくは知らない』


『私も・・・わかりません、すみません』


世界自体は不透明な部分が多いだけの

とりあえずは滞在に支障のない状態であれば

特に問題はないと判断するしかない


『まあいい、ラビリアは多分把握しているだろうから』


重要な部分ではあるが

詳しく追求しない


『そんなラビリアさんから、ライン隊長をお世話するように頼まれました』


『ああ、本人から聞いたぞ・・・素直に受ける事にした、だからよろしく』


合流前にラビリアさんから聞いていたので

既に、了承している形になっている


『ロキちゃんは、高身長な相手には少しだけトラウマがあって・・・』


『レーヴァテインか・・・今は再構築中だっけ、苦手なのか??』


三賢者には、それぞれを守護する武具の化身が居て


トールちゃんには“”という雷属性の大槌ハンマー

オーディンちゃんには“”という地属性の大槍ランサー

そして、先ほどの

ロキちゃんの“”という炎属性の大剣ブレード


パートナーのように寄り添って

戦い以外では、人の姿で一緒に居てくれる


人的な状態でレーヴァテインさんがラインさんのように長身の女性だから

同様な方を見ると、思い出すみたいです


今、激しい戦いで損傷したために

再構築中で

完全復帰までに、相当の時間を要している


『私と六花りっかで戦闘指示を出すから、存分に戦っていいぞ』


六花りっか様が指示してくれれば、トールは頑張って戦います!!』


大本命はレッド君であるが

進行形でお気に入りな存在となっている六花りっかさん

トールちゃんは嬉しそうにしている


『風の武人さんですよね・・・私、参考にします』


『火はラインか・・・ロキちゃんをよろしく頼む』


エリアさんと六花りっかさんは、それぞれ自室で休憩している

戦いに関しては

六花りっかさんとレッド君とラインさんが主体で行ってきて

ラビリアさんが指示を出して

トールちゃんは、サポートや回復

エリアさんは、属性の相乗効果を促す役割を担う


順子さんとネメシスさんは

サブ的に待機する形らしいです


正式にメンバー入りしているが

専用の部屋はなかったため

順子さんとネメシスさんは同じ部屋で過ごしていた


『ネメシスさん、何故密着しているのですか??』


『いいじゃないですか・・・久しぶりの順子さんとの素敵な時間、気の済むまで堪能させて欲しいです』


頬ずりをしている

二人きりを堪能しているのは、ネメシスさんの至福の時のようです


『はぁ・・・まあ、いいわ・・・あたしもあなたは嫌いじゃないですから』


女性を好む順子さん

顔を密着しているため、一時的に眼鏡を外そうとしたが

それをネメシスさんに止められる


『ダメですよ、順子さん・・・眼鏡は邪魔ではないので、そのままで構いません』


『ネメシスさんも魅力に気づきましたか、あたしのポイントは高いです~♪』


そんな眼鏡同士の百合な時間がここには流れていた・・・

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