第16話 青天の霹靂編 その3
『
『うん・・・女神直前の最も不安定な感じ、壊れそうで素敵~!!』
戦闘力の最大を出力
歴代の女神の中で一番を誇るトールちゃん
未だにその記録は変わっていない
多分、更新するのは本人でしょう
『途中で覚醒するかもしれないな・・・レッドもそれを含めた戦いをするつもりみたいだし、まったく無謀だぞ』
様子を伺えないラインさん
ラビリアさんが唯一の傍観者だが
無言で一切喋らない
『完全に没頭状態か・・・することがないと、隊長は惨めだぞ~!!』
独り言だけ響く司令室
メンバー以外は別室で作業中
ラインさんとラビリアさんのみ
『ラインさんが悔しがっていると思うと、少しだけ優越感です』
『恐ろしい事思っていますね、それを本人を前に言えますか??』
ニコニコしながら二人で会話している
ゆっくりであるため
到着に若干の時間がかかっている
『守ってくれるのなら、トールは堂々と言ってしまいますよ』
『う~ん、個人的にはみたいですけど・・・止めておきましょう』
と、他愛もない話を色々としていて
三十分くらいかかって、やっと現地付近で
『やはり増殖が始まっていますね・・・まずは様子見で仕掛けますか??』
『うん、水属性で様子を見ます・・・それで徐々に
戦いに関しては、セオリー通りに様子を伺う事にしました
氷機に対して
同系の属性は、あまり効果を示さないために
殲滅には適してはいませんが
反応を確かめるのに使う
『アクアショットで牽制してみました、純粋な氷属性のようですね』
氷機と言われるように
属性は、水の上位に値する氷の属性です
亜種などがたまにあって
別の属性だったりすると、地味に厄介で
弱点での攻撃を慎重に行わなければなりません
『そのようですね・・・単純な作業は苦手なので、助かります』
緻密な作業など、難なく出来そうですが
大雑把な部分もあってレッド君は苦手にしています
『凄い演算処理のシステム搭載してて、無駄なんだから~』
戦いは既に始まっており
敵の情報を収集しつつ
次の行動を模索中
更に言うと
デートも兼ねているから
色々とこちらも始まっています
『あ・・・そうだ、
そう言うと、トールちゃんはレッド君に抱きついた
切り替えにより、音声を必要としないで
『積極的ですね・・・僕が今度は仕掛けますよ』
様子見のトールちゃんの牽制で
氷機の概要が把握できたから
今度はレッド君が攻撃をします
『これは、絶対に遮断で正しかったですね・・・ラインさんにも見せられません』
漏らすように喋るラビリアさんが顔を真っ赤にしている
一体、二人は何をしているのでしょうか??
『黙るなら最後まで貫いてくれ・・・私にもダメって何だよ??』
静かな部屋、小声でも聞こえる
ラインさんは、悶々とするだけで
それをラビリアさんが更に煽る感じになっている
『すいません、でも・・・トールさんが・・・いえ、何でもありません』
『まあ、わからないでもないが・・・あいつも大胆だからな~』
見るラビリアさんに
知るラインさん
そんな司令室の様子でした
『遠慮なく出して構いません・・・レッド君』
『簡単にはいきませんよ、でも・・・トールさん次第ですかね』
水属性の恩恵を同調しているレッド君も受けている
しかも、密接状態だから余計に効果が出ている
まあ、会話は別件ですけど・・・
氷機に対して、火属性の
基本的には近接系を得意とするレッド君ですが
長距離からの精度の高い射撃系の攻撃を行っている
的確に一体を倒しながら
増殖に関する情報を収集しようとしている
単純な殲滅とは違って
新規で発生する場合は
亜種などのイレギュラーもあるので
地道ですが、個別に調べる必要がある
『そろそろ、いいですか??』
『まだ早いかもしれませんよ・・・もう少し様子を見ましょう』
調べの途中
ほぼ変わらない相手に
トールちゃんが、殲滅をしたいと思っている
しかし、これはそのための会話ではない
『ラインさん・・・私、もう我慢できません』
『感化されすぎてるな・・・私の介入を秘密で許せ、いいか??』
こちらは、ラビリアさんが耐え切れなくなってしまって
ラインさんに助けを求めています
まあ、他人の情事を独占で見せられればね・・・抑制は無理かもしれませんね
『レッドさんにトールさん、ごめんなさい・・・私、耐えられません』
『多分、レッドはわかっているだろうな・・・ラビリアが耐えるなんて無理だ』
司令室は身悶えるラビリアさんとそれを支えるラインさんの
二人の甘い吐息で溢れている
それを根源的な先は、同じように甘い吐息が
氷機をも溶かす勢いで進行していた
『そろそろ、ラインさんに助けを求めている頃ですかね??』
『そうだと思いますよ、ラビリアさんが耐えられるとは思えませんから・・・わかっていて、お願いしたのでしょ??』
お互いが想像通りな展開となっている
熟知しているくらい、指示もなくて戦いが行える部隊ではありますけどね
それにしても、無機質な相手だからできる術な感じです
『やはり、私の事見透かされていました・・・意地悪です二人共!!』
『レッドもトールもそういう意味では無邪気だからな、私もよく弄ばれるし』
仲良しのレベルではない
愛し合うだけの間柄
同性ではあるが
特に女性同士は、世界の事情もあって
恋愛感情を促す流れとなっている
『氷機の侵攻で男性が多数消失してしまいましたから・・・僕みたいな存在が貴重になるくらいにね』
『データ世界でも子孫を残すための営みが女性同士でも可能となりましたからね、だから
少し怒り混じりに行動した
同調中の営みに、思わず声が出る
『うっ!! 痛いですってトールさん、僕を本気で締めないで下さい??』
『ふふふ、いいのですよ・・・まずは、ね♡』
ニンマリなトールちゃん
主導権を持つから、レッド君が受身に近い状態
『まあいいですよ、あなたが覚醒するなら何度でも頑張るのみです』
氷機の増殖とレッド君の射撃と
ほぼ同じ速度となっている
一定の数を保つ形で調査用のデータを回収している
『時間的に、引き伸ばしてくれるの・・・トールのためにレッド君が頑張ってる』
楽しむための戦い
独占できる時間は限られている
それをレッド君もトールちゃんもわかっている
少しでも長引くように調整を行っている
『それもありますが、氷機のデータは貴重ですからね・・・出来るだけ、集める意味もあります』
一石二鳥という言葉もあります
少ないチャンスで多くの実績を残せれば
それが、今可能な限り行えるなら
『本音も建前もどちらも重要ですよ・・・僕もトールさんとは本気で愛した記憶があるのですよ、それでも今も大事だから』
『少しでもトールを想ってくれるなら、それでいいの・・・その分の愛を今沢山出してくれるから、うふふ~重みを感じます♡』
理性ギリギリな状態で
トランスしそうなトールちゃん
女神への覚醒がすぐそこまで来ているようですね
『トールの戦闘力を測定しておけ、お前の好きな瞬間が見られるだろう』
『
まどろむラビリアさんとラインさん
見つめる先にはレッド君とトールちゃんが
データでの繋がりではあるが、四名は同調を感じていた
『何か、四人で一緒にしているようですね・・・トールは幸せです』
涙を流しながら
満面な微笑みを見せるトールちゃん
淡い輝きが一気にはっきりとした青に染まる
世界を包む青の温かいトールちゃんの想いが広がっていた・・・
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