第14話 青天の霹靂編 その1
流れでトールちゃんとレッド君が次のランデブー候補となった
『いいのですか??』
『元々駆け落ちした中ですし、一途だった時期の方が長いのですよ』
トールちゃんの部屋でレッド君と二人で話をしている
基本的に二十二部隊メンバーには強力な防御壁を構築する能力がある
それは彼女も例外ではない
『独占可能だと言われても、どうしても嫉妬で邪魔をしたくなるのは当然の事』
女神ではなくても
それは、一度覚醒して事象の繰り返しで
一時的に退化しただけだから
固定的な
『ラビリアさんが今回、特に自分を試すように僕に加担してくれていますから』
『そうなんですよね・・・不思議で仕方ありません』
保険とでもいいますか
一応ラビリアさんが手回しして
他のメンバーが邪魔しないような状況を展開していますが
トールちゃん自身も自分の防御壁を展開している
威力的には
十分に意味は成している
現に、ラインさんと順子さんを妨害でき
ネメシスさんも見るだけで何もしていない
ラビリアさんはデータを回収する意味合いで
レッド君に後で情報を受けるようにしている
満足そうに自室でのんびりしていた
『厄介なのは・・・エリアさんですかね、介入はしてこないみたいですが』
『トール的には、今までの恩義もありますので見られるだけなら我慢します』
特殊な技法
幽体離脱のような
全てを透視することが可能
『そうですか・・・よかったですねエリアさん』
見ている前提で会話が行われ
見ている前提でトールちゃんの覚醒準備がなされる
『レッド君は・・・トールの事をどう思っているの??』
この世界での間柄
幼馴染の親友的なポジション
男女ではあるが友達以上恋人未満みたいな
『建前はあえて要らないですよね・・・そうですね~難しい立ち位置ではあります、比較的に暴走されて僕を殺そうとしていますから』
『じゃあ、トールの事は嫌いなの??』
愛が重すぎて
暴走して、破壊衝動を起こし
レッド君を殺害しようとしたり
エリアさんがそれを命懸けで救おうとしていました
そんな恩義をずっと持っているみたいです
『そんな事で嫌いになるなら、最初から始まりませんよ』
『・・・最初から』
少しだけ過去の話を
この世界ではない、馴れ初め
トールちゃんが大国を治める姫で
女帝国家の長として君臨していて
その世界統一の戦乱の中
医師でレジスタンスのリーダーだったレッド君が
出会い、駆け落ちするのです
お互い、リーダーで敵同士
でも、出会いは男女の仲へ発展していく
『面白い出会いでしたね~♪』
『ふふふ、面白かったですか・・・僕は必死でしたけど』
城に忍び込んだレッド君
来ると予感していたトールちゃんは
罠のように護衛を配備せず、寝室まで誘き寄せる
まんまと引っかかったレッド君は
トールちゃんと引き合い
『ああぁ~ん!! トールの純潔はあの時にレッド君によって奪われました~♡』
『かなり恥ずかしいですね・・・僕は女に飢えていただけです』
当時のレッド君は
この世界ではないので、青年でした
戦争で傷ついた人々を治療する医師
“国境なき医師団”と呼ばれていました
導師の医師の集団
表身はそうですが
実態はトールちゃんの国家に対してのレジスタンス
『なんかね、トールは変な憧れがあったの・・・高貴な姫が賊に襲われ純潔を奪われる、そのまま駆け落ち』
『・・・散々話を聞きました、僕を待っていたと』
自分を奪ってくれる存在を夢見て
国を捨て、全てを投げ
初めてを捧げた相手と共に
『後悔はしていません、残した世界は自分にとって重要ではなかったと』
『贅沢な選択です・・・残った二人の姫は僕を狙っていますけどね』
その国には三名の姫がいて
三賢者と称され
その叡智で国を統治していて
戦乱を収めるために自らが率先して
統一を目指していました
その最中の駆け落ちですからね・・・
『今回もトールを返してって来るかもね~♪』
『・・・ですかね、最近はネメシスさんのようになってきている気がしています』
事象の繰り返しの対象にトールちゃんがいるから
近い存在も引き込まれる
そんな内に残りの姫も含まれている
『ロキちゃんとオーディンちゃんとトールでレッド君を奪うの・・・』
『
選択の基準が微妙な気もしますが
レッド君的には重要な条件なので
『可愛いフレームだったら、二人も気に入ってくれると思いますよ』
『ラビリアさんに相談してみましょう・・・オリジナルフレームも用意してくれると思います、じゃあそろそろ始めましょうか??』
無言で頷く
そして目を閉じて
そんな、トールちゃんの部屋を覗くエリアさんは
ニヤニヤしながら悶えてた
『うふふ~トールちゃんもレッド君も再愛に燃えてきたみたいね~いいわ~♪』
ドアの前で項垂れるラインさんと順子さん
二人を引きずりながら持ち帰るネメシスさん
『ラビリアさん・・・予定通りです』
『はい、雑用させてごめんなさいね』
医務室に二人を寝かせると
ネメシスさんとラビリアさんが雑談を始めている
『こんな状況で氷機が侵攻したら、どうするのですか??』
『氷機だけなら、問題はないわよ・・・別の部隊も強いですから』
あまり、この世界の内情を知らないネメシスさんは
ラビリアさんに色々と質問をしている
一応部隊の一員となったから
何度か来ている世界ではあるが
長い滞在となるだろう今回のような
初めてな形となる
『女神なら、そんなに心配しなくても世界適応も済ませましたから』
『そうなんですが・・・今、情報を確認中で補足をしたいかと思いまして』
真面目なネメシスさん
順子さんのように全てを軽く受け入れるだけの柔軟なタイプではない
まあ、順子さんは特殊だと思いますが
『トールさん、ジオクロニクルで戦闘力のNO,1を記録していますよね??』
『そうですね、レッドさんを倒した際に出力したものだと思います』
トールちゃんの話題に移行する
圧倒的な戦力となるのは、記録されるだけはある
『レッドさんを倒した・・・あ、記載されていないのですね』
『この世界での出来事は一部しか記載されません、ラインさんが管理できるから』
基本的に自動記載となるジオクロニクルなのですが
ラインさんの
都合のいい事実だけを記載させることができる
改ざんに近い状態にも可能
『世界だけではなくて、影響を及ぼすのですか・・・ラインさん、凄いですね』
『そうね・・・順子さんと頂点を争うのですから』
女神の頂点を
最も有力な二人
ラインさんと順子さん
同じ境遇とも思える
『愛理さんの存在が順子さんを変えたみたいですからね・・・私もラインさんを変えることが出来たのでしょう』
『久遠愛理・・・あいつだけは、いえ愛理さんはいい人です』
急に表情を変えたネメシスさんだったが
すぐに元の穏やかな表情に戻った
順子さんと密接な関係を持つ愛理さんに対して
『特に隠す必要はありません、あなたに感情は素直過ぎますので・・・愛理さん嫌いなんでしょ、順子さんをあなたから奪った相手ですものね』
急に泣き出すネメシスさん
狂った愛情を抱き
順子さんを、ずっと狙ってきた
愛理さんへの復讐のために
でも、そんな愛を受け入れてくれる順子さん
『ジレンマですか・・・順子さんを悲しませたくない』
『ううぅ・・・』
会話どころではなくなってしまいました
女神は特に感情が出やすく
強い分、このあたりのところが弱点だったりする
『順子さん、すみませんがネメシスさんをお願いします』
『あたしも責任があるからね・・・ラインさんとネメシスさんは預かります』
これでとりあえず、トールちゃんとレッド君のランデブーに
邪魔入りにくい状況となった・・・
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